何だかんだと恋運ぶ呪いの花   作:SUN'S

261 / 261
母は界渡り 急

獅子咆哮弾を極めるという野望を燃やす早乙女君に対して、響君は着実に獅子咆哮弾を極め掛けている。そもそも早乙女君に獅子咆哮弾は使えない。

 

「糸色、オレに激気を教えてくれ!」

 

「……その位置で頭を上げるとスカートの中が見えるから動かないでほしいかな」

 

ベンチに座った私の足元に跪き、深々と頭を下げる早乙女君にそう言いながら足を閉じて斜めに傾ける。いきなり呼び出してきたかと思えば修行の相手を頼んでくるなんてビックリしたかな。

 

「私を頼った理由は聞かないけど。気功法はとっくに使えているんだから問題ないんじゃないかな。獅子咆哮弾を無理に破らなくても」

 

「アイツには勝ちたいんだ」

 

「…………はあ、基礎だけだよ?」

 

「助かる!……あ」

 

「すけべ」

 

私の足を見て顔を赤く染める早乙女君に文句を言いつつ、私は早乙女君と一緒に天道道場に向かう。私もまだ獣拳を極めた訳じゃないから、あまり参考になるとは思えないんだけどな。

 

そう思いながら、天道早雲に道場を借りる事を伝えて、更衣室で忍びに用意して貰った袴と胴着に着替えて、道場に立つ早乙女君を見据える。

 

「先ず、激気と臨気は性質こそ違うけれど。二つとも『獣拳』という流派の物です。勇気や正義を高める激気。憎しみや怒りを糧とする臨気。普段、私達の用いる気功法は激気に相当します」

 

「それが守る思いが力に変わるってヤツか」

 

「その通りです。『獣拳』のルーツは4000年前に遡るのですが、今回は省略しましょう。獣拳の理念は『獣を心に感じ、獣の力を手にする拳法』であり、己が内に秘めたる獣を感じ取る事を始まりとします」

 

緩やかに燃える激気を両手のひらに集め、緩やかに円を描き、とぐろを巻く巨大な蛇の激獣スネークを生み出し、早乙女君に視覚化して伝える。

 

「糸色は蛇拳の使い手なのか」

 

「えぇ、私のお師匠様に当たる人物は『獣拳』を極めた七人の拳聖の一人たる激獣バット拳のバット・リー様です。早乙女君も知っての通り、私は左目が殆んど見えていない。それを補い、強くなるために私は彼に師事していました」

 

激獣スネークを消して、早乙女君を見つめる。

 

「響君の使う『獅子咆哮弾』は臨獣拳の最強の流派たる臨獣ライオン拳の物に酷似しています。獅子に対する流儀はタイガー拳のみ────」

 

「オレは虎を心に感じ、手にする訳だな」

 

「そう言うことかな。もっと深く獣拳を学びたいならスクラッチ社に連絡すると教えてもらえるよ♪︎なんせ、あの会社は激獣拳の総本山だからね」

 

「ちょっと待て、オレの中華服もスクラッチ社製だぞ!?良いのか、なんか凄そうな流派なのに秘匿しとかなくていいのか!?」

 

良いんじゃないかな。

 

「まずは暮らしの中に修行あり、かな♪︎」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

コズミックイラのマチュ ~ロリニュータイプの日本再興記~(作者:アキ山)(原作:ガンダム)

拙作、『ダイクン家の二女はアホの子』に載せていたコズミック・イラの話を独立させました。▼ マチュことマリ・ヤマトはハルマ・ヤマトとカリダ・ヤマトの間に生まれた一粒種。▼ 兄のキラと仲良く暮らす元気いっぱいのゲーマー小学生だ。▼ しかし、彼女には兄には話せないもう一つの顔があった。▼ その身に流れる高貴な血の運命と祖国再興という命題。▼ コズミック・イラという…


総合評価:1218/評価:7.81/連載:7話/更新日時:2026年04月13日(月) 13:52 小説情報

異世界ントム(作者:色々残念)(原作:クロスオーバー)

現代日本から生まれ変わり、ドラゴンクエストモンスターズの世界でモンスターマスター兼波紋使いとなって、ポケットモンスターの世界で波導使いにもなった波紋と波導の使い手が、ダンまち世界で幼馴染みのフリュネと生き抜いて大往生してから、また別の世界に生まれ変わり続けていく話▼ちなみにそれぞれの世界で相棒ポジションとなるのは、個性的な相手になる


総合評価:1302/評価:8.24/短編:53話/更新日時:2026年05月20日(水) 19:57 小説情報

転生して型月版・沖田総司になったけど、労咳を克服したら明神弥彦の母になっていた件 〜るろ剣世界で最強のママやってます〜(作者:だいたい大丈夫)(原作:るろうに剣心)

かつて京都を震撼させた「人斬り抜刀斎」と並び称された、新選組一番隊組長・沖田総司。▼労咳の運命を越え、彼女が手にしたのは平穏な明治の世と、亡き夫が残した一人息子・弥彦だった。▼しかし、その剣はまだ、錆びついてはいない。▼「たまには人を斬っておかないと、腕が鈍るでしょう?」▼昼は息子の教育に頭を悩ませる士族の未亡人。夜は月夜に紛れ、暗殺者として死体の山を築く。…


総合評価:3070/評価:6.94/連載:80話/更新日時:2026年05月19日(火) 12:00 小説情報

美食ハンター志望の元フロアマスター(作者:色々残念)(原作:HUNTER×HUNTER)

天空闘技場の元フロアマスターがプロの美食ハンターを目指す為に、ハンター試験を受けにいく話▼


総合評価:1232/評価:7.76/短編:8話/更新日時:2026年03月08日(日) 23:48 小説情報

銀河皇帝のスペアに転生した元社畜、地球軌道上の要塞でネトゲ三昧の隠居生活を満喫する 〜足元では超大国が滅亡級の異星遺産を巡って暗躍中ですが、主人公(ぼく)の命は絶対安全なので特等席で傍観します〜(作者:パラレル・ゲーマー)(オリジナル現代/冒険・バトル)

ブラック企業で心身をすり減らした元社畜は、並行世界の地球軌道上に浮かぶ完全ステルス要塞〈サイト・アオ〉で目を覚ました。▼彼の新たな肉体は、銀河帝国の最高権力者のスペアとして培養された完全無欠のクローン「ティアナ・レグリア」。神のごとき超能力と超絶テクノロジーを行使し、広大な銀河での大冒険すら早々に「クリア」してしまった彼は決意する。▼「宇宙の覇権とか面倒くさ…


総合評価:1516/評価:6.73/連載:105話/更新日時:2026年05月21日(木) 22:05 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>