壮絶な気迫と気迫の応酬は続いていたけれど。
あかねさんが何かを告げた瞬間、早乙女君は潰された。一体、何を言ったのだろうかと小首を傾げながら、ふらつき、血を滲ませながら立つ早乙女君を見据える。
「オレは、負けねえぇ!!!」
「貴様も地獄に落ちろォ!!」
垂直落下する獅子咆哮弾に向かって、早乙女君は激気を込めた拳を突き上げた次の瞬間、赤々と燃え盛る虎の象形は青白く変質し、激気は白虎に変わる。
「ホワイトタイガー……」
タイガー拳の数多く存在する分派の一つ。
臨気の黒獅子と激気の白虎。
どちらも
けど、すでに白虎の拳士は存在する。
それに私の気質に呼応する理由はないかな。
私の激気が混ざっただけで変化するとは思えない。そう考えながら獅子咆哮弾を食い破った白虎は響君の事を踏み潰し、二人の気功法を用いた勝負は決着を付けた。
「獅子咆哮弾。僕にも使えるだろうか」
「九能先輩には無理かな。ネガティブになれる?」
「フッ。僕とは無縁の言葉過ぎるな」
「フフ、そうでしょう♪︎」
そう言って話していたとき、ふと屋上に人とは思えない膨大な量の金色の闘気が揺らめき、ほんの一瞬だけ龍の闘気を感じ取った。
「糸色っ、お前のおかげで勝てたぞー!!」
ブンブンと手を振る早乙女君の声に反応した何人かの女子生徒達は、後輩も先輩も含まれている。早乙女君はあかねさんと許嫁だけど。
いつも喧嘩しているから、フリーだと思われているし。イケイケ系?という句君の天道先輩を追う姿もかなり人気だと小鎌さんが言っていたかな。
「僕の新妻に寄るな。汗臭いぞ」
「九能先輩も来てたのか?いや、それより最後の咆哮弾をぶち破った技を教えてくれ!」
「ウ~ン。気の変質は知らないかな。何なら連絡しておくから早乙女君があかねさんと一緒にスクラッチ社に行ってきたらどうかな?」
「あ、あかねと?」
「あたしと二人で?」
そう呟くと二人は顔を赤く染める。
フフ、かわいいね。
「待つね!私もいくある!」
「ウチも着いてってええか?」
「シャンプーがいくならオラもだ!」
ずいずいと、いつものように集まってきたみんなに苦笑を浮かべながら、校庭の大穴の中で動かない響君の事を担ぎ、こちらにやって来る早乙女玄馬に「ありがとうございます。響君もお疲れ様」と伝える。
本人は、まだ負けたことを悔しがっているけど。
それもまた経験かな。
後日、スクラッチ本社にて。
「お主達が切ちゃんの言っておった子らじゃな」
「儂は化け猫じゃなくて、フェリスじゃぞ?」
3日、寝込んだらしい。