一週間後。
九能先輩の骨折や打撲は謎の金属を当てることで回復し、駆けつけてくれた類様のおかげで三年生最後の全国大会連覇を行えると九能先輩は笑っている。
「あかねさん、どうかした?」
「う、ううん、何でもないのよ」
チラチラと私を見るあかねさんに小首を傾げつつ、早乙女君に視線を向けると、彼も同じように顔を赤らめて顔を背ける。何かしたのかな?
私の大事なお友達だから、悪いことをしたなら素直に謝りたいんだけど。シャンプーも右京さんも顔を赤らめてばかりで、教えてくれない。
「私、何かした?」
そう素直に問い掛けるとあかねさんは少し迷った末に私の耳元に顔を寄せながら、小さな声で「そ、その、したの?」と訊ねてきた。
した?……っ、あ、ああ、うん、なるほど、そういうことかな。うん、そういうことだね。確かに、アレから一週間は会ってなかったから仕方ないよね。
「えと、内緒かな」
えへへ、と笑って誤魔化す。
しかし、あかねさん達は顔を赤くして机に突っ伏してしまった。まだ先生は来ていないからいいけど、早めに起きなよ?
まあ、私のせいになるのかな。
そんなことを考え込み、少し恥ずかしさが汲み上げてきてしまう。九能先輩も向こうで話し掛けられていたりするのかな?
「夏休みに授業をしまーす。先生、奥さんとの夏休みデートが潰れて泣きそうだよ。だから、今日は静かに受けて欲しい」
そう言うと壬生先生が振り返った瞬間、痛々しい引っ掻き傷と張り手の痕に私は先生の安全な日常と平和を願いつつ、チラリと私を見てきたことに小首を傾げる。
「糸色さん、虫刺されが酷いぞ」
「虫刺され?」
「首」
「くび?……っっっっ!?」
カァーーッと顔に熱が籠るのが分かり、慌てて首元を隠すためにスカーフを巻き付ける。うぅ、九能先輩のせいです。全部、九能先輩が悪いんだもん。
そんなことを独り言のように呟く。
私の態度に色々と察してくれたのか。幸運にも男の人は早乙女君と句君だけしかいないから、セーフだと考えていたい。
「しかし、どうしてオレ達だけ呼んだんだ?」
「知らねえよ。オレは頑張って勉強したぞ。シャーフーの野郎、何が勉強の中に修行ありだ」
「乱ちゃん、ウチも教えたるで?」
「乱馬、私が教えるある」
向こうは私の態度に気付いていないふりをしてくれているけど。句君は小鎌さんに伝えて、きっと根掘り葉掘り探すように伝えてくるはずだから。
あまり良いことではないかな。
お母さんも同じぐらいだったって言っているし。