何だかんだと恋運ぶ呪いの花   作:SUN'S

302 / 302
糸色切の真実 破

「左様。百年の間、西洋妖怪、中国妖怪、日本妖怪の狙う我が奥義の証『地獄の鍵』を宿す人間は糸色一族とアマミ一族の酋長のみ」

 

アマミ一族というのは昔見つかった日本近海に住む部族でしたっけ?と考えつつ、私は意外な事実に少し頭を悩ませてしまう。

 

私の知らなかった糸色家の歴史だ。その事を知ることが出来たのは嬉しい。けど、もう私はあの世に来てしまっているから、知っても意味はない。

 

「しかし、その強大すぎる力を一人だけに集める事は余りにも無理を強いてしまう。故に、儂の編み出した八つの奥義は八人の人間に宿っている」

 

「八つの奥義……八大地獄かな?」

 

「ホウ、流石に聡いな。その通り、お主と糸色景、糸色一族に宿っているのは地獄の鋼『武頼針』を封印する鍵よ。時折、お主も感じていた気配、アレもまた近くに『地獄の鍵』を宿したものがいる故だ」

 

そう言うと閻魔大王様は私の身体よりも大きな右手を突きだし、私の目の前に翳す。よく分からないながらも私も右手を差し出して、手を重ねた瞬間、私の身体を鮮烈な衝撃が突き抜ける。

 

「地獄究極奥義は人の身では扱えぬ。だが、それ故に鍵の所有者足り得るのだ。────しかし、お主の命を奪った邪龍を討たねばならん。故に、未来の糸色切、お主の修める毒蛇の牙を使えば今一度、お主の生を呼び起こす事は出来るだろう」

 

その言葉に首を傾げつつ、ゆっくりと右手を見ると異質な硬度を持った五指の先に出来た爪を見る。スネーク拳の秘伝書に載っていたものだ。

 

───だけど、余りにも醜く恐ろしい技として秘匿された危険すぎる秘伝の技に少し戸惑い、私は閻魔大王様とししおさんの事を見つめる。

 

「安心せよ、此度の死は閻魔帳には載っておらん」

 

その言葉に苦笑を浮かべ、私は自分の胸に爪を突き刺す。五回の内、一度目を自分に使うことになるなんて想像もしなかったかな。

 

「閻魔大王様、ありがとうございます。残り4本の爪は此処に置いていきますから、私みたいにどうしても必要な人に使ってほしいです」

 

「糸色一族はどれもこれも人のためにと自己犠牲の激しい一族よのう。が、お主の言葉は聞き入れた。お前の託した真毒、儂が真に救うべきと判断した者達に使うことを約束しよう」

 

「ししおさん、貴方にも私を案内してくれたお礼をしたかったんですけど」

 

「なら、俺の墓に糸色の漫画でも供えとけ」

 

「……フフ、分かりました。貴方のお墓、絶対に見つけて糸色景様の漫画をお供えしますね!」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

某剣客浪漫世界で私は趣味に憩う。(作者:SUN'S)(原作:るろうに剣心)

これは、糸色さん達が東京に帰る少し前のお話───。▼ドクトル・バタフライを始めとした転生者達、親しき友人や苦手な人もが、神通力の使い手と思い込み、いつも黒幕扱いされる糸色さんに相談を持ち掛ける。▼このお話は趣味に癒しを求める糸色さんのお話です。▼【スレっぽいヤツ】▼https://syosetu.org/novel/380529/▼【エッチなヤツ】▼http…


総合評価:19/評価:-.--/連載:7話/更新日時:2026年06月01日(月) 23:05 小説情報

コズミックイラのマチュ ~ロリニュータイプの日本再興記~(作者:アキ山)(原作:ガンダム)

拙作、『ダイクン家の二女はアホの子』に載せていたコズミック・イラの話を独立させました。▼ マチュことマリ・ヤマトはハルマ・ヤマトとカリダ・ヤマトの間に生まれた一粒種。▼ 兄のキラと仲良く暮らす元気いっぱいのゲーマー小学生だ。▼ しかし、彼女には兄には話せないもう一つの顔があった。▼ その身に流れる高貴な血の運命と祖国再興という命題。▼ コズミック・イラという…


総合評価:1269/評価:7.86/連載:7話/更新日時:2026年04月13日(月) 13:52 小説情報

転生して型月版・沖田総司になったけど、労咳を克服したら明神弥彦の母になっていた件 〜るろ剣世界で最強のママやってます〜(作者:だいたい大丈夫)(原作:るろうに剣心)

かつて京都を震撼させた「人斬り抜刀斎」と並び称された、新選組一番隊組長・沖田総司。▼労咳の運命を越え、彼女が手にしたのは平穏な明治の世と、亡き夫が残した一人息子・弥彦だった。▼しかし、その剣はまだ、錆びついてはいない。▼「たまには人を斬っておかないと、腕が鈍るでしょう?」▼昼は息子の教育に頭を悩ませる士族の未亡人。夜は月夜に紛れ、暗殺者として死体の山を築く。…


総合評価:3078/評価:6.86/連載:87話/更新日時:2026年06月02日(火) 22:56 小説情報

もしも「るろ剣」の世界に糸色景がいたらのスレ(作者:SUN'S)(原作:るろうに剣心)

「某剣客浪漫世界の物書きお姉さん」が本誌だったら?という感じのスレっぽいやつです。▼【本編】▼https://syosetu.org/novel/327970/▼【黒死の蝶の唯一留まる花】▼https://syosetu.org/novel/381420/▼【風薫る日陰に寄り添う妙花】▼https://syosetu.org/novel/387840/▼【か…


総合評価:979/評価:6.42/短編:340話/更新日時:2026年06月03日(水) 22:35 小説情報

【本編完結】黒死の蝶の唯一留まる花(作者:SUN'S)(原作:武装錬金)

彼女は蝶野家のメイドだ。▼お互いに覚えてもいない幼少の頃に出会い、主従として再会し、今は彼のために生き、今は彼のために全てを捧げる一介のメイドにございます。▼ちなみにメイドさんは私の書いた「某剣客浪漫世界で私は物書きをする」および「もしも「るろ剣」の世界に糸色景がいたらのスレ」に登場する絶景先生こと糸色景の子孫に当たります。▼【本編】▼https://syo…


総合評価:1144/評価:8/完結:215話/更新日時:2026年04月28日(火) 00:20 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>