あれからハーブ達と一緒に帰るとなぜか九能先輩が天道道場に居座っており、どうしたのかと聞こうとしたら……まあ、あれかな、ヘビの如く満足するまで長々とだね。
兎に角、一応の決着はついた。
「龍の闘気?」
「うん、九能は知っているかな?」
「僕の蒼龍寺の秘奥義とは違うのだろうが、獣拳にも剣術の流派は存在するのだろうか?」
シャーク拳やマンティス拳は剣術かな?と呟きながら九能先輩も龍の闘気については知らなかった。となると、ロンは本当に妖しい人間だったわけだ。
一度、私は死んでいるからね。
「九能先輩、あともうひとつ聞いて良いかな」
「ムッ。なんだ?」
「なんで、私の写真が増えてるの?」
主に着替えや下着姿の写真の多さに疑問を抱きつつ、私の事を集めたアルバムを眺める。自分のアルバムを見るのは、何だか変な気持ちになるけど。
……バストサイズは、いつ測った?
「まさかDだったとは」
「今はFだよ」
「なにいぃっ!!?!?!??!?」
そんなに驚くことかな?と小首を傾げつつ、私の胸を凝視する九能先輩の事を見上げる。男の人は胸が本当に好きなんだね。重たいし、バランスも取りにくいし、足元見えないのにね。
「まさか僕の手が、ゴッドハンドに?」
「普通に遺伝かなあ……」
そう言いながらお母さんを思い出す。
まだ、お母さんのほうが大きい。
「お兄様、いつまで寝ているのです!?さっさと朝食を食べな、さ、い……あらやだ、ハレンチ」
「ウ~ン、否定できないかなあ」
「妹よ、せめてノックしなさい」
ポッと頬を赤く染める小太刀さんに申し訳なく思い、お風呂を借りるために九能先輩の着流しを着て、フラフラと本調子ではない身体で向かう。
そんな私の後ろで騒々しく喧嘩をする声が聴こえてきたかと思ったら小太刀さんの可愛い悲鳴と九能先輩のおぞましい悲鳴が聴こえてきた。
やっぱり、お部屋を借りた方がいいかな?
「(でも、小鎌さんや句君に迷惑を掛けるからあまり大それたことは出来ない。まあ、二人とも恋人というか、もう結婚しているからね)」
私は、九能家の廊下を歩いていると銀色の蝶が見えたかと思えば直ぐにまた消えてしまった。マスター・バタフライが近くに来ていたみたいだね。
来ているなら話してほしかった。ロンの事も聞きたいし、怪しい相手の対処法も知りたかった。なにより、バジリスク拳について知っているなら少し知りたい。
次は私が勝つために術理を知り、技の出方を覚えるのもまた大事なことだからね。