最強先生、ひな子ちゃん 序
「初めまして、二ノ宮ひな子です!よろしくね、校長先生!」
「WHY?転任してきたのはこの写真の女性ではないのデスか?」
「似ても似つかないな」
「うむ、身長が足りん」
元気溌剌に挙手する二ノ宮ひな子先生。悪い人では無いんだろうけど、何処か不安を感じるのは何故なんだろうか。
そう思いながら、二ノ宮先生の事を見ていると先生も私の視線に気が付いたのか。ニコニコと笑顔で握手をしてくれた。二ノ宮先生、すごく優しい先生だね。
「そういや壬生先生はどうなるんだ?」
「MR.壬生は世界タイトルに向けて減量中なのデスヨー!我が校もこのままWORLD Classにレッツゴーしますデース!!」
世界タイトルマッチ。
壬生先生の強さは知っているし。そう言うことなら仕方ないのかな?と納得しながら二ノ宮先生の手を握った瞬間、私の激気がごっそりと抜け落ちた。
「や、やっぱり、闘気吸引体質…!」
「あら、すごい激気の量ね」
グラマラスな大人に変身した二ノ宮先生に、みんながビックリしている最中、早乙女君だけ私の呟いた「闘気吸引体質」の事を気にしているように感じた。
多分、あの青い激気を無理やり引き出す方法を考えているのかも知れないけど。九能先輩は何で動けない私を見ながら、ゴクリと唾液を飲んだのか。
ものすごーく聞きたいかな。
「それにしても貴女の闘気は良質ね。恨みや妬みも無い、況してや怒りの感情が欠片も宿っていない。大抵の人間は吸引するときに怒りを抱く筈なのに不思議だわ」
「私の家系に同じ闘気吸引体質の人がいるです。それも世界十指に入る使い手、二ノ宮先生は手加減してくれたけど。類様はマジで全部吸います」
そう言うと二ノ宮先生は「まあ、それは当然の行為だから仕方ないわね」と呟き、サラリと黒髪を払うと同時に溜め込んでいた激気を霧散させた。
返してくれたりはしないんだね。
「じゃ、案内してね!」
「早乙女乱馬、切君は少し遅れるぞ」
「あ?ああ、先生のせいで一人早退だってさ」
「えぇー!?なんでなんで!?」
「「いや、普通に闘気吸ったからだよ」」
早乙女君と九能先輩の言葉に、ようやく私が生徒だと気づいてくれたらしい。ま、まあ、ニュートンアップル女学院の制服をずっと着ているし、仕方ないかな。
「さて、保健室に向かうか」
「ごめんね、タッチー」
「気にするな。しほちゃん」
クスクスと一緒に笑いながら、私達は保健室に向かって廊下を歩く。途中でお義父さんが「ベイビーはまだダメなんデスヨー!」と言ってきたけど。
ちゃんと、分かっているかな。