「えーっ!?糸色さん、結婚してるの!?」
「あはは、誰が喋ったのかな?」
お昼休みの教室に二ノ宮先生の声が響く。
チラリとクラスメートを見ると一斉に早乙女君の事を指差し、早乙女君は「お、おめえら!?」と怒りそうになったけど。みんなの視線に負け、素直に私が九能先輩と結婚していることを教えてくれた。
まあ、許してあげよう。
「先生も結婚式に呼んでほしかった!」
「まだ、結婚式はしてないかな。九能先輩が卒業したらしようとは約束しているけど」
そう言うと教室に感心の声が高まり、早乙女君とあかねさんはどうするのかと囃し立てられ、早乙女君もあかねさんも満更では無さそうにお互いを見つめる。
二ノ宮先生は「いーなー!いーなー!」と駄々を捏ねるように言っている。見た目は子供だけど、二ノ宮先生は立派な大人だからね。
やっぱり、結婚願望はあるのだろう。
「先生も恋したい」
ポツリと二ノ宮先生が呟いたら「先生なら見つかるよ、かわいいもん」「そーだぜ、先生!」「可愛いんだから直ぐに結婚できるって!」「なあ!」「そうだよ、うん!」と、みんなが一斉に先生を励ます。
「えへへ、ありがとう……けど、お付き合いした事ないから誰かいい人いないかな」
「先生って、どういう人が好みなの?」
「先生はお髭の似合う人かな」
「分かる。坊主頭も可愛いよね」
二ノ宮先生の呟きに私は同意するものの。他の女の子達は微妙そうに顔を見合わせている。けど、それなりに好評は得ているかな。
「みんな、どういう人が好みなの?はい、早乙女君!」
「お、おれ!?えと、そ、そうだな」
「天道だろ」「天道だな」
「あかねなのよね」「あかねなんでしょう」
「お、おめえら、黙ってろ…!」
ニヤニヤと笑うクラスメートに早乙女君は顔を赤くして抗議するけど。あかねさんも一緒に顔を赤く染めて、恥ずかしそうに笑っている。
やっぱり、あかねさんは可愛いかな。
「乱馬の恋人は私ね!」
「乱ちゃんの許嫁はウチやで!」
「糸色さん、早乙女君ってモテるの?」
「少なくとも他校にもいるかな」
浮気はダメだと思う。
あかねさんが好きなら素直に好きって言わないと、響君に奪われちゃうかもしれないよ?と思いながらも私は口に出すことはない。
だって、絶対に早乙女君は否定するかな。
「先生、私の親戚紹介しようか?イギリスでお菓子工場を経営しているんだけど」
「お菓子工場!!……ん?あれ、糸色?」
「うん、チョコレート工場だね」
「ふわああああっ!!?」
フフ、予想通りの反応かな♪︎