【只今、反省中】
プラカードを建てて、地面に正座する早乙女君とムースの二人の前を通りつつ、後ろに振り返ると救いを求めるように此方を見つめる二人がいた。
でも、悪いことしたのは二人だから助けたりするのはダメだと思うかな。悪いことをしたら、しっかりと反省して次はしないようにしないとだよ。
今回は二人とも悪いところばかりだからね。
「己の欲望を優先した結果だな」
「九能先輩も移動授業?」
「うむ、理科だ。切君達は?」
「私達は音楽だよ」
そう話しながら廊下を歩いていると、廊下の床がピカピカに磨き上がっていて、鏡面のようになっていることに気付いてしまった。
スカートの中、見えちゃうね。
「ダディ、どの業者に頼んだのだ!?」
「格安デース!」
サムズアップしてきた校長先生はツルツルと廊下を滑っていき、私は音楽室へと向かうために九能先輩にお姫様抱っこしてもらう。
かなり気になるところだけど。
まあ、そういうこともあるよね。
「台車持ってきたぞー」
「ひろし君、気が利くかな」
男子生徒によって台車に乗って進んでいく女子生徒の事を眺めつつ、私は乗ったら絶対に酔う揺れ方をしている台車に戦慄していた。
「ところで、今度海に行くそうだな」
「水難事故の防止だよ?」
「僕の選んだ水着を着てくれ」
「……九能先輩の選ぶ水着、ちっちゃいからヤだ」
スクール水着も苦しいからサイズを変えて貰っているけど。やっぱり、ああいうのを着るときはとっても勇気が居るんだよね。
「友引高校と合同なのだろう。僕はあそこに居るという宇宙人やエイリアンなどという非科学的な存在を認めるつもりはないのだ!」
九能先輩、エイリアンとか怖いのかな。
そうなら、ちょっと可愛い。
「っ、それとだ。諸星あたるという男に会ったら全力で逃げるのだ。良いか?あの様な女なら何でもしていいと思っている変態に近づいてはならん!」
「えと、うん」
私の事をいつも何でもしていいと思っているのは九能先輩のほうなんじゃ?と小首を傾げてしまう。そもそも諸星君には会ったことあるよ?
女の子に追われて大変そうだったけど。
浮気したなら、はっきりと謝ってあげないと二人とも可哀想だからダメな気がする。
「ムッ。もう音楽室に着いてしまったか」
「ありがとう。九能先輩」
「気にするな。切君と学校でもこうして触れ合えるというのは、とても幸せなことだ」
「フフ、そう言ってもらえるのはすごーく嬉しいかな。また、あとでね?」
「うむ、またあとでだ」
お昼休みに一緒にお弁当を食べようね。