あかねさんと一緒に泳ぎの練習を行っていると、半泣きの早乙女君がトボトボと歩いている姿を見かけ、何しているんだろう?と小首を傾げる。
「ねえ、彼女どうしたのぉ~!気分悪いなら、ぼくが連れていってあげるから、あそこの海の家で一緒に仲良く休もうよ!」
「お、オレは男だああぁぁーーーーっ!!!」
「うぎゃあああっ!!?」
其処に軽薄そうにヘラヘラと笑った諸星君が現れ、早乙女君の肩やお腹に触った瞬間、咆咆弾を纏った全力のパンチを受けて吹っ飛ばされ、此方に向かって来る。
「あかねさん、私の腰に掴まっててね?」
「え、えぇ、お願い」
ゆっくりと私も構える。
「ていっ」
落ちてきた諸星君の頭と手を掴み、海面に振り落とす。危なかった。落ちる瞬間に胸に触ろうとしてきたから、本当に危なかった。
「…し、死ぬところだったじゃねえか!?」
そう言って起き上がった諸星君の頭の上に緑色の綺麗な髪を揺らす女の子が座り、にっこりと笑った瞬間、バチバチと電流が流れ始める。
海だから放電して、ここまで来ることはないけど。
やっぱり怖いものは怖いので、いそいそとあかねさんの手を引いて、砂浜に戻ると同時に大迫力の電撃が迸る光景に思わず感心してしまった。
すごい電撃の強さ。
あんなものは絶対に受けたくないかな。
「……ところで、早乙女君」
「ぐすっ。なんだよ」
「そのハイカラな水着はどうしたの?」
「素潜りしてたら呪われた…」
「乱馬、あんたねぇ」
流石に私も苦笑いを浮かべてしまった。
普通は呪われる場所には行かないと思うんだけど。いったい、どうやったら呪われるの?と悩ましげに早乙女君のシーサーの水着を見つめる。
「早乙女君、此方に着替える?」
「い、いいよ!?いらねえ!」
私の身に付けているビキニタイプの水着を勧めると流石にまだ男の子としての羞恥心は残っているらしく、顔を真っ赤に染めて逃げてしまった。
「……ねえ、切さん。あの水着のシーサー、あからさまに貴女の事を睨んでいたけど。大丈夫?」
「もしもの時は私の裁縫術が唸るわ」
元々、和裁士の家系だからね。
その気になれば斬ることは出来るし、布に対する攻撃は私が一番上手いかな。多分、一反木綿とか綺麗に斬ることが出来ると思うけど。
「たまに、すごいこと言うわよね」
「フフ、糸色だからね」
ちょーっと不思議な事を言っちゃうのも仕方ないことだと思うからごめんね。けど、それも私だから受け入れて、楽しく遊べる友達でいてほしいかな。
あと、普通にあかねさんも胸を見すぎかな?
「いや、だって、下から見ると空が見えないし」
? 空は見えるけど?