何だかんだと恋運ぶ呪いの花   作:SUN'S

326 / 326
公紋竜と語らう 破

私の話を聞いていた公紋竜は困惑していた。

 

まあ、当然と言えば当然だ。自分より強いと思っていた相手が、子供の頃に死にかける様な修行を受けていたと聞けば困る。

 

最初から強者で生まれるわけがない。生まれながらの強者というモノは、もはや人ではなく修羅や鬼に相当する人達。尤も妙様は本当に生涯無敗だと思う。

 

「オレに話したところで、なにになる?」

 

「話すのは良いことです。私の旦那様もこの話しは知っているし、この目の事に気付いている友人も黙ってくれているからね」

 

「フン。偽善者だらけだぜ」

 

「ムッ。そういう反応はダメかな?」

 

ペシペシと床を叩いて座るように言えば公紋竜は渋々と座り直し、住職にお願いしていた薬膳料理を公紋竜の前に並べて貰う。

 

「早乙女君は強いよ。私と戦った後に身体を整えないと何も出来ずに負けるから、ベストコンディションに戻してあげる」

 

「……チッ」

 

またしても渋々と料理を食べ始める公紋竜にクスクスと笑ってしまう。強さを求めるのはいいけど。食べることも学ぶことも休むこともまた修行です。

 

暮らしの中に修行あり。

 

モグモグとご飯を咀嚼する公紋竜の視線は私の手足に向き、いつでも動けるように意識を向けている。そんなことしなくてももう君とは戦わない。

 

弱い人を虐めるのは良くないからね。

 

「……ちょっと待て、人妻ってなんだ?」

 

「え?それは、ね?」

 

ポッと頬を赤らめてしまう。指輪をしていても学校では問題にならないのだ。私服登校はダメだけど、前の学校の制服は許されている。

 

まあ、聞きたいのはそういうことじゃなくて私の事なんだろうけど。

 

「私は結婚しているんだよ。ほら」

 

「……学生だろ、お前」

 

「フフ、それでも好きになったんだよ」

 

結婚することは悪いことじゃない。

 

浮気することが悪いことなんだよ。

 

私の家系は浮気や不倫を絶対に許さないし。お互いの事を本気で愛して、偏愛的に求めるんだよ。どろどろになるまで愛し合えるのは素敵かな。

 

「どいつもこいつも愛だ恋だとウゼェ…」

 

「いつか分かるよ」

 

私の希望も夢も九能先輩と分かち合うために、また少しずつ私は昔に戻ろうとしている。無自覚で無慈悲で無害で無差別に相手を壊す手を取り戻そうとしている。

 

「(私の破傀拳はもっと苛烈だった。こっちに来てから、破傀拳は怖さと重さを無くしたけど。だんだんとあの頃に近付いている)」

 

流石に、まだまだ意識を高めないと手加減した状態に戻っちゃうのは仕方ないけど。もっと、強くならないといけない。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

某剣客浪漫世界で私は趣味に憩う。(作者:SUN'S)(原作:るろうに剣心)

これは、糸色さん達が東京に帰る少し前のお話───。▼ドクトル・バタフライを始めとした転生者達、親しき友人や苦手な人もが、神通力の使い手と思い込み、いつも黒幕扱いされる糸色さんに相談を持ち掛ける。▼このお話は趣味に癒しを求める糸色さんのお話です。▼【スレっぽいヤツ】▼https://syosetu.org/novel/380529/▼【エッチなヤツ】▼http…


総合評価:20/評価:-.--/連載:8話/更新日時:2026年06月04日(木) 23:05 小説情報

コズミックイラのマチュ ~ロリニュータイプの日本再興記~(作者:アキ山)(原作:ガンダム)

拙作、『ダイクン家の二女はアホの子』に載せていたコズミック・イラの話を独立させました。▼ マチュことマリ・ヤマトはハルマ・ヤマトとカリダ・ヤマトの間に生まれた一粒種。▼ 兄のキラと仲良く暮らす元気いっぱいのゲーマー小学生だ。▼ しかし、彼女には兄には話せないもう一つの顔があった。▼ その身に流れる高貴な血の運命と祖国再興という命題。▼ コズミック・イラという…


総合評価:1282/評価:7.86/連載:7話/更新日時:2026年04月13日(月) 13:52 小説情報

転生して型月版・沖田総司になったけど、労咳を克服したら明神弥彦の母になっていた件 〜るろ剣世界で最強のママやってます〜(作者:だいたい大丈夫)(原作:るろうに剣心)

かつて京都を震撼させた「人斬り抜刀斎」と並び称された、新選組一番隊組長・沖田総司。▼労咳の運命を越え、彼女が手にしたのは平穏な明治の世と、亡き夫が残した一人息子・弥彦だった。▼しかし、その剣はまだ、錆びついてはいない。▼「たまには人を斬っておかないと、腕が鈍るでしょう?」▼昼は息子の教育に頭を悩ませる士族の未亡人。夜は月夜に紛れ、暗殺者として死体の山を築く。…


総合評価:3056/評価:6.76/連載:88話/更新日時:2026年06月07日(日) 22:37 小説情報

もしも「るろ剣」の世界に糸色景がいたらのスレ(作者:SUN'S)(原作:るろうに剣心)

「某剣客浪漫世界の物書きお姉さん」が本誌だったら?という感じのスレっぽいやつです。▼【本編】▼https://syosetu.org/novel/327970/▼【黒死の蝶の唯一留まる花】▼https://syosetu.org/novel/381420/▼【風薫る日陰に寄り添う妙花】▼https://syosetu.org/novel/387840/▼【か…


総合評価:978/評価:6.42/短編:348話/更新日時:2026年06月11日(木) 22:35 小説情報

【完結】からくりと踊り謡う薄命の花(作者:SUN'S)(原作:からくりサーカス)

彼女は才賀家の令嬢だ。▼かつての大戦から十数年後。穏やかに過ごしてきた糸色家の血筋の少女は不思議なからくりと道化師達に出会うことになる。▼さあ、天幕の上がり、開幕はもうすぐ───。▼ちなみに令嬢さんは私の書いた「某剣客浪漫世界で私は物書きをする」および「もしも「るろ剣」の世界に糸色景がいたらのスレ」に登場する絶景先生こと糸色景の子孫に当たります。▼【本編】▼…


総合評価:291/評価:7.71/完結:255話/更新日時:2026年02月23日(月) 22:05 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>