「単なる冗談じゃないか」
「知りません!」
ぷいっと私は鳳凰の卵を抱っこしながら歩きつつ、九能先輩の謝罪をお断りしている。いきなり暗がりに連れていかれたとき、すごく怖かったんだからね?
「姉ちゃん、あれ食うのかな」
「食べるわけ無いでしょう。多分、幻獣拳の極意を編み出すために買ったんだろうけど。スネーク拳の切さんが、鳥を育てるのは違和感すごいのよね」
「ああ、丸呑みな」
「「流石にそれは不謹慎だよ」」
そう話し合いながら歩いていると早乙女君を見掛けた。あかねさんと一緒にスイーツ店の列に並び、とても大変そうにしている。
仲良しなのは良いことだね。
のんびりと私達もご飯を食べようかという話しになり、みんなで満足するならウマカバーガーかな?と考えていたときだった。
パカリと卵が孵化してしまった。
「くぇー」
「わああっ!!」
「すげえぞ、姉ちゃん。切ちゃんが子供みたいに雛の事を見つめてやがる」
「ぶっちょりして可愛いわね!」
「姉ちゃんもそっちかよ。帯刀先輩、ウマカバーガーってペットの持ち込みありだっけか?」
「ムッ。問題なかったはずだが?」
小鎌さんと一緒に生まれたばかりの鳳凰の雛を優しくなでてあげ、生まれてきてくれた事を心の底から祝福していると早乙女君がやって来た。
「デブ鳥だな。食うのか?」
「クェーッ!!」
「イデデデデッ!!?」
高速の嘴を受けた早乙女君は慌てて飛び退くも頭はたん瘤が出来ていた。一体、どうして早乙女君の事を攻撃するのかは分からないけど。
「よしよし、良い子だねえ♪︎」
「くっ。何故か手出しできねえ!?」
「切さんの母性大爆発しているわね」
九能先輩が触っても怒らないのに。
不思議に思っているとケーキを買ったあかねさんも来てくれました。
「かわいい!」
「分かる。目が良いわね」
「うん。すごく可愛いかな」
私と小鎌さんとあかねさんで雛の事を褒めている傍ら、早乙女君達は困惑していた。そこまで困惑するようなことはしていないと思うけど。
「女の可愛いが分からん」
「乱馬、そういうもんだ」
「今日の切君は一段と可愛いな!」
そう言って九能先輩は私の事を褒めてくれ。
「で、何なんだ。このデブどイデデデデッ!!?」
「不用意な言葉を吐くな。雛でも女の子ならデブなど言われたら怒るに決まっているだろう」
そう言われると早乙女君は「確かに、言ったら殴られるな」と呟いたところにあかねさんの鉄拳がめり込み、地面に沈んだ。
早乙女君、注意されたばかりなのにね。