鳳凰のトリさんの事をお父さんとお母さんに伝えると「そういえば切はペットを飼った経験無かったな」と呟かれ、ワクワクと期待してしまう。
小鎌さんと句君の二人に毛並みを整えて貰っているトリさんはとても幸せそうに、ポワポワとした空気を出しているせいか、部屋の邪気が消えている。
「破邪の妖気を放てるのね」
「破邪の霊能力は希少だからな。切ちゃんに出会えたのは幸運だろうぜ、トリ。なにせ切ちゃんはデカい美少女だからな」
「私、そんなに背は高くないかな?」
「そっちじゃないわよ」
小鎌さんは呆れながら句君の頭に拳骨を落としたけど。思ったよりも硬くなっていたのか、右手を振って痛みを分散しようとしている。
やっぱり、男の子は骨格も筋肉も違うもんね。
私も力比べに持ち込まれたら男の子には絶対に勝てない。けど、その秘密はバレないように、細工を労しているのも本当のことだけど。
九能先輩には直ぐに見破られたかな。
縛られて、怖くて痛かったけど。
「くぇー」
ピカッ!と光るトリさん。
嘴は怪我しないように優しく拭いてあげ、色々と身体を綺麗にしてあげる。やっぱり、トリさんも女の子だもんね。ちゃんと綺麗にしてあげないとだ。
「なあ、姉ちゃん」
「なによ」
「いやさ、麝香王朝の奴らみたいにこのトリを沈めたら女の子になるのかなって」
「……アンタ、たまに怖いわね」
「そうか?」
「句君、それはだめだよ」
私と小鎌さんの言葉に対して、句君は本当に不思議そうな顔をする。兎に角、悪いことだからしちゃだめだよ?と念押ししつつ、私はトリさんを撫でる。
伝説の鳳凰も雛のときは可愛い。
大きくなったらカッコいいかな?なんて想像しながら眠り始めたトリさんを卵を買うときに一緒だった鳥の巣に戻してあげる。
「姉ちゃん、姉ちゃん」
「待ってちょうだい。巣の作り方が……」
「それ、逆向きだぞ」
「…………し、知っているわよ」
「フフ、小鎌さんはかわいいね」
「くうっ」
そう言って彼女の事を褒めると嬉しさと恥ずかしさに頬を赤らめて、私の事をなぜか悔しそうに見つめてくる彼女にまた小首を傾げる。
「どうしたの?」
「糸色の人誑し」
「? ありがとう?」
よくわからないけど。
多分、褒めてくれているよね?と考えて、小鎌さんを見ると「これだから自分の美貌に無頓着な人は苦手なのよ」と、ブツブツとなにかを言っている。
私と話しているのに、そういうことをするの?
まあ、私も話しているときに考え込むからお揃いみたいで嬉しいかな。