ピンクとリンクの求婚を逃げ切るために奮闘するシャンプーを応援しつつ、私は人妻だと教えると「浮気は善き文明どうぞ」「若妻は非常に唆るどうぞ」と言われ、本気で殴ってしまった。
「ムッ?」
「あ、九能先輩だ」
「うむ、君の九能先輩だ」
緊急的に開催した校内清掃。昨日の真夜中に起きた巨大な火柱に関係しているのかな?と考えつつ、唇の腫れた早乙女君とあかねさんを見る。
そんなに激しくチューしたの?
そう聞いてみたい気持ちもありつつ、トングで燃えた根っこみたいなものをゴミ袋に詰め込み、九能先輩は木刀を振るって校舎に張り付いた根っこを斬り倒す。
やっぱり、かっこいいかな。
「
「どうしたの?」
「えいっ」「え?」
プスリと頭に母性花を刺された。
「フフフ、これで
「ごめんね。シャンプー、私に毒は効かない」
「えう?」
私の言葉に困惑するシャンプーの頭に母性花を差し替えると、しくしくと涙を流して、か弱い女の子のようになってしまった。
まあ、そういうこともあるよね。
「シャンプー、頭にゴミがついてるだよ」
「チッ。ムースだったね」
「? 何を言っとるんじゃ?」
ムースは母性花の事を知っているのに、眼鏡を掛けてないから普通にゴミだと思って捨ててしまった。ムース、どこまでも不憫だね。
「句君、近いわよ」
「なびきが離れるのが悪い」
「くっ。何がバレた?」
「デートしたろ、オレ以外と」
「「「浮気は悪い文明」」」
私が天道先輩に言おうとした瞬間、あかねさんと早乙女君まで真似してきた。悪い文明なのは事実だから仕方ない。天道先輩にも一途になってもらおう。
「句君、相楽流尋問術を許可するかな」
「マジか」
「尋問術って、何する気よ」
「あー」「あたしは言えない、かも」
ふいっと視線を逸らす早乙女君とあかねさんの態度に、天道先輩は戦々恐々とした表情を浮かべつつ、自分ににじり寄っている句君を睨む。
その程度じゃ句君は止まらない。
いや、嫌われたら止まるかな?と思いながらも私は口出ししない。だって、浮気は悪い文明だからね。あかねさんにも教えておこうかな!!
まあ、そんなことしたら怒られるからしないけど。
「句君、今日デートしてあげるわ!」
「よし、許す」
「フッ。残念だったわね、切ちゃん」
「むう、句君のこと好きなら変なイタズラしないほうが良いと私は思うんだけど。いい加減、認めたら?」
「……認めてるわよ、たぶんね」