「やるね。
「当然だ」
「然も当たり前のように来るわね」
借金を作り、借金を押しつける火車王流。
対して、句君は
「フッ。美男二人が私を取り合ってるわ」
スマートに事前に頼まれていたフランス料理のフルコースを鮮やかに食べる天道先輩。流石に、まだまだおフランス流格闘術の「格闘ディナー」には及ばない。
まあ、天道先輩は戦う人ではないからね。
「あかねさん、此方かな」
「その、良いの?お呼ばれしちゃったけど」
「ひえぇ……0がいっぱい」
「良いのよ。なびきと句は結婚したらあかねちゃんも乱馬君も私の義理の家族になるから、あとでかすみさんや早雲、玄馬の方にも何か贈るわね」
キョロキョロと私達を探すあかねさんと早乙女君に手を軽く振り、場所を教えると二人の事をウェイトレスに扮した忍びが案内してくれる。
流石は糸色家の忍びだね。
そう感心しながら私は食事を頼む。
今度、九能先輩と来ようかな。
「改めて実感するわね。二人がお嬢様だって」
「どっちかと言えばお嬢様は切ちゃんね。五百年も続いている大名家。それも世界経済の数%を支配する経済界の頂点に君臨し、本家分家も各分野でエキスパートとして名前を連ねている」
「……おめえもそうなのか。糸色?」
「私は、どうかなあ」
ワイングラスに注がれたリンゴジュースを一口飲み、早乙女君の質問に考える。
「華道かな?」
「かどう?」
「お花を生ける流派よ。桃磨君達のいた桃幻郷で食虫植物にしていたの覚えているでしょう?」
「ああ、あれか」
あかねさんの言葉に思い出した早乙女君は運ばれてくる料理を素早く食べてしまう。やっぱりフランス料理になると格闘ディナーの作法になるのかな?
「落ち着いて食べなさい」
「うめえから無理」
「切ちゃん、乱馬君ってワンパクなの?」
「ワンパク?」
初めて聞く言葉に小首を傾げると「慌ただしい人のことよ」と教えてくれ。成る程、そういう呼び方もあるんだと納得してしまう。
「ところで、お姉ちゃんたちは?」
「お会計押しつけて次に行ったかな?」
「え゛っ」
「句が払っているから問題ないわよ」
そういうことで良いのかな?と思いながら、フランス料理を天道家で作って欲しいと頼んでみる。すんなりと許可してくれたけど。
あれって、楯敷ツカサ君だった気がする。
フランス料理も作れるんだ。
ツカサ君、すごいなあ……。