天道先輩、句君、火車王金之介の三人一組のデートは終わったけれど。句君の猛威は収まることを知らず、火車王金之介によって差し押さえを受ける天道道場を再購入し、天道先輩にプレゼントしていた。
ヘリや遊園地、豪華客船に、星丸ごとプレゼントというものもあったりした。度重なる火車王金之介の借金攻撃もものともせず、句君は天道先輩を守り抜いた。
「愛って素晴らしいね」
「愛で良いのかしらね。あれ」
そう言って小鎌さんは中庭のベンチに視線を向ける。
「なびき、好きだぞ」
「はいはい」
「なびき、愛している」
「知ってるわよ」
「なびき、結婚しよう」
「18歳になったらね」
「チッ。まだ5ヶ月もあるのか」
「あと、よ」
天道先輩は句君のお膝の上に座り、ファッション雑誌を読んでいる。句君もそんな彼女のお腹に腕を回して抱き締め、彼女の頭に顎を乗せている。
すごく仲良しで可愛いかな。
「ウチの弟が、チャラくなってきたわ」
「ちゃら?」
ちゃらくなるのは悪いことなの?と聞こうとしたら視線を感じ、後ろに振り返るとアヒルに変身したムースがいた。唐揚げを差し出してみると食べた。
「共食い……んふっ」
「小鎌さん?」
「コホン、悪かったわね。ムース、切ちゃんの握ってくれたお結びをあげるわ」
「ぐわっ」
トタトタと動き、中庭のベンチに座ったムースにウィンナーやお結びをあげ、餌付けしているとヤカンを持ったシャンプーがやって来た。
「ムース、裸で美女に挟まれるのは嬉しいか?」
「ぐわっ!?ぐわっ!!」
「ヒヒヒ、さっきの仕返しね!」
ジタバタと暴れるアヒルを押さえつけるシャンプーに苦笑を浮かべつつ、ヤカンを受け取って代わりに私の作った唐揚げを口の中に入れる。
「……すぅーっとするね、なにある?」
「さあ?鷹の爪じゃない?」
「これはワサビかな」
そう言って最後の唐揚げもシャンプーにあげる。
お弁当は、みんなで食べるのが美味しい。
「で、何を怒っているわけ?」
「ムース、私の服と一緒に自分の服を洗ったね。そのせいでお気に入りの服が暗器でボロボロになった!怒畜生!!家鴨の丸巻きにしてやるね!!」
「ムースが悪いわね」
「流石に擁護できないかなあ…」
「ぐわあっ!!!」
私と小鎌さんの言葉に彼は全力で暴れ、焼きそばパンを食べながら歩いている早乙女君に突撃し、私達の事も忘れて喧嘩を始めてしまった。
そういうところがあるよね。
まあ、知っていたから仕方ないけど。
「一緒に買い物、行く?」
「行く」
「私も行くわ。荷物持ちもいるし」
「荷物持ちだ」
句君はそれでいいの?