「切さん、それ何読んでるの?」
「んー、東風先生に借りた
「……なにそれ?」
「日本に残る危険な宝物かな。今はサージェスのおかげで危険な出来事は無くなっているけど。盗品や爆発事件も多発しているみたい」
蛮竜や北落師門、如意棍槍、他にも鉄砕牙や爆砕牙なんていう実在するのか怪しい妖器物も載っている。楽器の項目もあるけど。
見覚えのある横笛もある。
糸色流雅楽の家宝だった気がする。
「ウチの大鎖鎌まで載ってるわね」
「どこで調べてるんだろうね?」
「出版社を調べなさい」
「裏にあると……ごめん、糸文家だった」
「納得しちゃったわ」
糸文家。
ひとえお婆様の子供から連なる分家筋。他の分家と違って本家の当主を目指さず、糸色家に伝わる器物や道具の保管を担う不思議な一族────。
あと無駄に癖の強い人も多かったかな?
「あ、妖怪首おいてけ」
「何ソイツ?」
「戦国最強の一人かな。糸色景様の描いていた本のどれかに載っていた筈だけど。あの本は何処にいったのかな、続きを読みたいんだけど」
「糸色家七不思議のアレね。読んでいた本が気付いたら消えるとかいう」
「うん、それで……あ、お供え物だ!!!」
「びっっ、くりしたぁ……なにぃ?」
「お供え物だよ。死にかけたときにししおさんに頼まれてたの忘れてた。小鎌さん、ちょっと比叡山にお供え物してくるね」
「よくわからないけど。着いていくわ」
そう言って着替えに自室へと戻っていく小鎌さんにクスリと笑いながら、着替えるために自室へと戻る途中、通路の天井に鉄棒を設置した句君の横を通り抜ける。
「僧帽筋と背筋、太くなったね」
「分かるか。パンチ力のためだ」
「そうなんだね」
句君の言葉に納得しながらドアを閉めると、なぜか視線を感じて後ろに振り返るとドアが開いていた。句君はそういうことしないから誰か隠れているのかな。
そんなことを考えながらドアを閉めて、シャツのボタンを外して、窓を開けると大筆を背負った男の子を見つけ、外に向かって放り投げる。
イタズラでも悪いことだよ。
「よし、行こう!」
「妙にテンション高いわね」
「うん。なんか面白い人だったから」
「ししおさんねぇ……」
ウ~ンと悩みながら「あの志々雄真実なら切さんに教えるのは不味いだろうし。そもそも知っていること事態が怪しいから何とも言えないわね」と呟いている。
ししおまこと。
そう、そういう名前だった気がする。
兎に角、会ってお礼を言いたい。