「おねいちゃん!」
「わっ、また来たのかな?」
早乙女君とあかねさん、九能先輩とのダブルデートを終えた翌日の放課後。あかねさんや小鎌さんと話しながら帰っていたとき、この前の男の子がまたしても私の胸に飛び込んできた。
「楽京斎の孫なんだっけ?」
「そうだとは聞いているけど。本家に問い合わせても楽京斎の話しはなかったかな。けど、何度か八宝斎と一緒に交流はしているみたい」
「ただの助平小僧じゃないの?もしくは人妻大好きの糟野郎の可能性もあるわけだけど。なーんか切さんの胸を掴む手がいやらしいのよね」
「まだ子供だよ、小鎌さん」
「本条先輩、さすがにそれは」
確かに触り方は変だけど。
「九能先輩みたいにねちっこくしないから普通なんじゃないのかな?」と呟けば、小鎌さんもあかねさんも顔を赤らめながら「そういうことは言わなくて良いのよ」とか「あ、あたしにはまだ早いから」と言い返された。
そんなに変な事を言ったかな?
「おねいちゃん、大きい」
「…確かに、切さわ大きいわね」
「アルファベットで教えてほしいわ」
「えぇ?別に普通じゃないかな?」
「「それはない」」
ハモって否定された。
「……Fだよ」
「は?でかすぎ?え?」「うっそぉ……」
そう言うと三人とも驚愕の目を向けてきた。
「スウィート♪︎」
お母さんも大きいから普通だと思うんだけど、聞き耳を立てていたお爺ちゃんの出現に素早く反応し、男の子を盾にしてお爺ちゃんの突撃を受け止める。
「こりゃあ!師匠を邪魔するでないわ!」
「お前こそ邪魔!」
あかねさんと小鎌さんに連れられ、二人の喧嘩を止めずに帰路を歩く。二人ともお爺ちゃんに対して辛辣なのか少し警戒している。
「切さん、なんでこう鈍いのかしら」
「そうなのよね。勘は鋭いのに、鈍いのよね」
「むう、鈍くないよ?」
そう言っても信じて貰えない。
「最近、切さんはポワポワしてるのよね」
「あ、分かる。こう、保護欲を唆るような感じになってきたわよね。強いのに不思議な感覚を纏っているから、少し反応に困るのよね」
どうして、そんな風に思われているのか不思議に思いながらも二人の方を見ると楽しそうに話していて、ちょっとだけ残念に思ってしまう。
いや、そもそも二人とも私の事を言えないぐらいポワポワしているときがあるよね?と考えて、その事を言おうとしたとき、早乙女君が見えた。
「あかね、先に帰るなよな」
「先に帰るなよって、アンタがサッカーに夢中だったんじゃないのよ」
「……悪かったよ」
「よろしい!」
フフ、仲良しさんだね。