ルージュさんとかっこいい太郎が無事に和解して一週間後のお昼時。
かっこいい太郎はお父さんと本条鎌一の二人による指導を受けることになった。彼の不注意でこの大惨事は起こったのだから妥当だと思うことにした。
そう思いながら太極図の腰帯の中華服を纏ったあかねさんの佇む学校の校庭へと向かう。昨日、いきなり勝負しようと言ってきたけど。
傷だらけの早乙女君も関係しているのかな?
「切君、少し嫌な気配を感じるぞ」
「大丈夫だよ。私は強いからね」
九能先輩の心配にいつものように笑顔を向け、やる気に満ちたあかねさんを見据える。ちょーっとだけ雰囲気に違和感を感じるかな。
「切さん、今日こそ貴女に勝つわよ」
「フフ、良いわよ。掛かって来なさい」
軽やかに構えるあかねさんに対し、私は竜頭拳に組んだ両腕を胸の前で交差させ、両拳を緩やかに腰溜めに構えた瞬間、私の眼鏡が弾け飛ぶ────。
ほんの一瞬、
「今度はあたしが言うわ。掛かって来なさい」
「……眼鏡、弁償して貰うからね」
左目を閉じて、カコンと舌を鳴らす。
────〝破傀拳〟百花繚乱。
竜頭拳を解き、人差し指に力みを加えた金剛指をあかねさんの身体に突き刺す。
が、私の指は空を貫く。
死角の左側に避けると同時に真後ろに回り込んできたあかねさんの振り下ろしの蹴撃を足の裏で受け止め、地面を殴り付けて、足場を粉々に粉砕する。
「仙術、ようやく使ってくれたわね」
「私からすると
ゆっくりと間合いを開けて制空圏を築く。
「糸色流仙術の理念は無血制圧。───だけど、今のあかねさんにはちょーっと厳しそうだから、私の人には使ったことのない
「とっておき?」
「───さぁ~て、ここで問題だよ。仙術のジャンルにもよるけど。私が得意なのは気功法を用いて無痛の関節外し。体外に気功を放出する体内に蓄積したら、どうなるでしょうか?」
「ッッッッッ、させない!」
「正解は
私が解答を告げると同時に胴着の背部は弾ける。
「くうっ!!」
「フフフフフフッ!!流石に防ぐよね!」
私の動きに追随するあかねさんに高揚し、更に蓄積した気力を爆発させ、拳打の速度を加速させる。どんなに強い人でも倒すにはどうすればいいのか。
「────音速で蹴られたことはあるかな?」
刹那、私の回し蹴りがあかねさんを吹っ飛ばした。