「せやあっ!!」「つぇあっ!!」
踵に気力を集めて蹴撃の速度を加速させるとあかねさんの鋭い蹴りに衝突し、お互いの利き足を大きく真後ろに吹き飛ばし、地面を削るように着地する。
強い。
どんどん強くなっていく。
素敵な親友のくれたサプライズに私は笑顔を作り、あかねさんも乱れた呼吸を整えながら笑顔を返してくれる。ここまで強くなったあかねさんと戦えるなんて私は幸せ者すぎると思うかな。
「もう一つ、
糸色本家の総合格闘術は基礎。
破傀拳は文献や書物を手本に学び。
獣拳は、
私の格闘家としての全ての集大成を見せる。
「……地面が、揺れてる?」
「───糸色家の当主候補は、とある家伝を伝授して貰える仕来たりがあるんだ。その技の名前は『二重の極み』。この世のありとあらゆる物質を粉砕できる破壊の極意、その更に先をあかねさん、貴女に捧げる」
本当は妙様に捧げるつもりだった技だけど。
出し惜しみも隠し事も何もせず、私を見せたい。
「明王の
「うひゃあっ!?」
そう呟くと同時に駆け出した瞬間、踏みしめた地面は砂塵に変わり、振り抜く拳は超振動を起こし、空気中の窒素と酸素を震わせ、振り抜いた先の地面が一直線の砂場に変わっていく。
「これで、8位とか冗談でしょう!?」
「1位の遠君はもっと凄いかな♪︎」
妙様の実弟。
私の尊敬する妙様の手解きを直接受けて育ってきた彼の強さは正直に言えば凄まじい。あんなに強くてカッコいい女の人は早々出会えないよ、本当に。
「けど、頭は揺らせないでしょう!」
「正解!流石は、あかねさん!!────だけど」
私の超振動を起こすパンチのラッシュを紙一重の間合いで躱しながら、私の顔を殴ったあかねさんの拳におでこをぶつけ、二重の極みを撃つ。
「
「私、頭で撃てないとは言ってないかなあ?」
ニヤニヤと笑って、そう告げると「切さんもフェイントとか使うのね」とあかねさんも笑いながら二重の極みを受けた左手の感覚を確かめている。
「フェイントは嫌い?」
「フフ、どうだろうね」
私の問い掛けにあかねさんは笑った。
うん、やっぱりあかねさんは最高の親友だよ。
「じゃあ、決着つけようかな?」
「えぇ、決着をつけましょうか」
私は二重の極み「総身」の振動する速度を加速させ、あかねさんは気力を両手両足に集め、淡く輝き始める姿にうっとりと見惚れてしまう。
ああ、本当に最高すぎる……♥