「えへ、えへへ」
自身の身の丈を遥かに越える大柄な猩々を殴り飛ばした久我銀子は上擦ったように笑い、私に向かってぎこちない笑みを浮かべ、涙を流しています。
「私、本当にダメなんですね…へは…」
「このチビが」
「猩々、待って欲しいかな。いきなり戦うんじゃなくて、しっかりと説明してほしい。あと女の子に喧嘩を売るのはダメだと思う」
「……分かったよ。糸色に感謝しろよ?」
ウマカバーガーに弁償代を払って、私は商店街の人達に謝りつつ、二人を連れて、よく早乙女玄馬の遊んでいる空き地に向かう。
5分と掛からず、空き地に到着した私は久我銀子と猩々の二人を見つめるように立つ。二人とも喧嘩していたから余所余所しくて悩ましい。
「二人とも素直に教えてくれるよね?」
「先ずは俺が話す。糸色、コイツは敵だ。楯敷ツカサとつるんで他の『特異点』に攻撃を仕掛けている話しは聞いている」
「そう。次、銀子さん」
「え、えと、ツカサ君と仲良くしているのは本当です。でも私は戦闘に参加した事はないです!それに、私は戦うより推し活に勤しみたいし……」
おしかつ?
串カツの仲間かな?と小首を傾げつつ、久我銀子の方を見ていたその時、猩々の蹴りが私と彼女の間を切り裂き、衝撃波がブロック塀を粉々に粉砕した。
「お前、身体に何仕込んでやがる?」
「猩々、いい加減にして。まだ話している途中」
そう言いながら二人に槍を突きつけた瞬間、私の握っていた槍が消え失せた。
「出しやがったな。テメェの能力をよぉ?」
「違います、能力じゃなくて!」
「……守護霊?」
「そ、そう!それです!」
コクコクと頷く久我銀子の反応を見るに、猩々は勘違いしているかな。久我銀子に攻撃しようとした彼の身体を地面にねじり落とし、久我銀子を見つめる。
「糸色、テメェ…!」
「落ち着いて。まずは謝罪して、彼女は自分の事を『特異点』と名乗るとき、
「そ、そうです!此方、私のお父さんが本当の『特異点』なんですけど。子供の頃に亡くなってからも私やお母さんを見守ってくれているんです!」
そう言うと久我銀子の後ろに筋骨粒々なヒト型の守護霊がバァーン!という擬音を背負って出現し、思わず、私はこめかみを押さえてしまう。
「す、
「すたー?」「んど?」
「クソ、話を理解して貰えねえ!」
えと、ごめんね?