「クリスマスは是非僕の家で祝おう」
「ダメに決まっているでしょうが、切さんは本家に行って会合に参加するって教えたわよね」
「本条姉、夫婦の時間も必要なのだ」
「お兄様、私はお友達の家にお泊まりに行きますわよ。あんな声を聴かされていたら身が持ちませんし。なにより恥ずかしいですわ」
小太刀さんの呟きに我が家のリビングは氷点下に変わり、主に女性陣の視線は軽蔑と侮蔑の眼差しに変化し、九能先輩の事を見つめている。
まあ、九能先輩の教えてくれた事は普通の人にしちゃダメだっていうのは分かりきっているし。私もそれを受け入れちゃったから仕方ないかな。
「早乙女乱馬、手助けを頼むぞ」
「なんでだよ!?」
「そう言うな。僕は貴様とあかね君が熱い抱擁を交わし、キスをするところを見ているのだから」
「してない!」「してねえ!」
私は黙って微笑みを向けます。
シャンプーと右京さん、小太刀さんはものすごーく不満そうに早乙女君の事を見つめて、早乙女君は必死に逃げ道を探している。
ムースはお地蔵様だった女の子を連れて、シャンプーを我が物にすると宣ったものの。すぐに返り討ちにされて、我が家のリビングに転がっている。
「とりあえず、みんなでクリスマスしよっか」
「切ちゃんの言葉に賛同する。で、場所は?」
「ウチの道場貸そうか?」
「場所は、天道道場。チキンは手作りにしようかな?それとも買った方が良いのかな?」
糸逢家に居たときはお母さんが作ってくれたから、みんなで食べるなら大きなものを買いたいよね。そんなことを考えていると句君の腕の中に嵌まった天道先輩がこっちに視線を向けてきた。
「助けなさい」
「無理かなあ」
「なびきは渡さんぞ」
「渡しなさい」
二人は置いてても問題ないかな?と思いつつ、私はみんなに「お菓子食べる?」と聞けば、頷いてくれたものの。辛いもの、甘いもの、どちらも求められる。
「……カレー?」
「「「「カレーじゃないカレーじゃない」」」」
「え?でも、甘くて辛いなら」
「切さんのあれボケじゃないのよね」
「えぇ、抜けてるだけよ」
私は抜けてないよ?と言えば「いや、切ちゃんは抜けてるぞ」と句君にも言われた。句君に言われると何故か釈然としないのはなんでだろう?
そんなことを考えていると、早乙女君の服が飛んできた。なぜ?とそっちを見たらボコボコに殴られる早乙女君がいた。
「今のは早乙女乱馬が悪い」
「んだ。乱馬の悪癖だ」
「えと、クッキーとお煎餅いる?」
「「「「いる」」」」
あ、よかった。
今度はあってるんだ。