ようやく辿り着いたのは空に浮かぶ島だった。
「……どこ、ここ?」
「ウフフ、ここは天空島アニマリウム。下界に住んでいると息苦しくなるときがあるでしょう?その時は、こういう大自然に来るのも良いのよ」
「あにま、りうむ」
巨大な機械めいた動物達の姿に驚きつつ、吐き気と気持ち悪さを我慢しながら、天空島に足を踏み入れた瞬間、全身を吹き抜けるような風が舞う。
けど、拒絶している感じはしない。
むしろ受け入れて貰っている?と小首を傾げながら魔女先輩を見遣る。にこやかに笑うだけで教えてくれず、ゆっくりと歩いていくとアルマジロがいた。
「大きい…」
「此処に居るのは地球を守る聖なる獣達。獣拳の使い手の切さんにとっては獣源郷の様に安心できる場所かも知れないと思って連れてきたのよ」
「……ありがとうございます、魔女先輩」
私の事を考えて、ここに連れてきてくれた。
「大事な後輩に贈るクリスマスプレゼントはこんなもので良いかしら?それとも私と戦ってみたい?」
「魔女先輩と戦ってみたい気持ちはある。でも、こんなに綺麗な場所に連れてきてくれた貴女と、ここで戦うつもりはないかな」
そう言って私は笑った瞬間、瞬間移動してきた乙津さんの腕の中に収まる久我銀子に目を向ける。何故、いきなり二人とも来たのかな?と疑問に思う。
「役者は揃ったわね。本日は『特異点』と『異能者』による軽めのクリスマスパーティーを開催するわ。まあ、食べ物はサンドイッチをゲンジロウちゃんに作って貰っただけだけど」
「ふほひょおおっ!?切ちゃん先輩とクリスマスパーティーしていいんですか!?乙津先輩、ありがとうございます!」
「フフン、もっと褒め称えていいよ♪︎」
「最高です!女神っ、仰せのままにいぃ!」
「ウフフ、静海は最初は渋っていたわよ」
「てめぇなんざ女神じゃねぇっ!!」
「「手のひらドリルで草」」
「くさ?」
二人の言葉に小首を傾げつつ、うっすらと久我銀子の背後に見える彼女の父親にマスターの作ってくれたサンドイッチを差し出すと受け取ってくれた。
「にしても、多いわね」
「まあ、ゲンちゃんだもんね♪︎」
「お二人ともあの喫茶店のマスターと仲良しなんですか?名前で呼んでますけど」
「ウフフ、私は仲良しね」「私は普通だよ♪︎」
そう言うと魔女先輩と乙津さんはサンドイッチを食べ始める。暖かくて穏やかな天空島の風を受けながら、ご飯を食べるのはものすごーく幸せかな。
また、来れるなら来たいかな。