夢見心地。
そう言ったほうが分かりやすい気持ちで、私は自分の部屋のベッドに座っている。魔女先輩と乙津さん、それから久我銀子(彼女の父親)の四人と一緒に天空島アニマリウムでピクニックをしていた。
今はもう冬だというのに暖かくて安心できる不思議な場所で数時間も過ごしたあの感覚はビックリするし。幸せだと思える気持ちでいっぱいになっていた。
「お帰りなさい。切さん」
「……家出はしていないかな」
「書き置きだけで分かるわけないでしょうが」
それは、ご尤もかな。
「ごめんね、小鎌さん。実は魔女先輩達にクリスマスプレゼントを貰ってたの……」
「OK。理解したわ、またあの魔女ね」
私の解答にこめかみを押さえながら「敵なのか味方なのか分からない相手にホイホイ着いていくのは本当に止めてほしい。もう少し女の子としての自覚を」と呟き、小鎌さんは溜め息を吐く。
ごめんね、小鎌さん。
「でも、すごーく楽しかったんだよ?」
そんなことを話しながらリビングに入ると、大小様々な包装品が並んでいた。私の身の丈より大きい箱も部屋に入っているかな。
「まあ、良いわ。それより切さんが当主補佐になったせいか。あからさまに賄賂を送って来てるわよ」
「切ちゃん、見ろ。欲しかったベンチプレスだ」
「マンションに置くものじゃないかな」
「リフトマシンもあるわよ」
私が筋肉大好きなのバレてるのかな?と不思議そうに小首を傾げていると、句君はベンチプレスでトレーニングを始めてしまう。
句君、また筋肉大きくなっているかな。
「愚弟が」
「小鎌さん、落ち着いて」
「落ち着いているわ。ぶん殴りたいけど」
「そ、そう?」
それなら、良いのかな。
九能先輩ももうすぐ卒業しちゃうし。ここにいるのももう一年だけだと思うと寂しく思うし。あかねさん達と離れるのはすごくすごく悲しい。
「……そういえば中国でおかしい事件が起きてるってかっこいい太郎に聞いたんだけど。切さん、前に鳳凰を飼ってたわよね?」
「え?うん、一週間だけど」
「鳳凰を名乗る集団が中国で暴れているみたいなんだけど。あの子に関わりとかあるのかしら?」
「それは、どうなんだろう。気になるかな」
あの子が暴れているなら怒りに行かないといけないだろうし、また一緒に暮らせるなら暮らしたいという気持ちもある。けど、早乙女君に異様な敵意を持っているから困ることもあるかな。
なんで、あんなに嫌われているのかな?
やっぱり卵のときに早乙女君が何かしたりしていたのかもしれない。