みんなとクリスマスを楽しみ、私は今年最後の時間を楽しんでいる。初詣に向かうタイミングは各自の自由ということになったりもした。
九能先輩は剣道部の後輩に最後の稽古を付けているかな?と考えながら私は本を読み、のんびりとソファに座って過ごしている。
穏やかな日々も好きかな。
「じゃあ、行ってくるわね」
「切ちゃん、お土産は楽しみにしていろ」
そう言って本条家へと向かった小鎌さんと句君の事を思い出して、ちょっとだけ寂しく思ったりしていると窓の外に視線を感じる。
でも何もいないし、誰もいないかな。
不思議に思いながら雪の降っている空を見上げつつ、今年も色々と楽しかったと想い出を振り返っているとき、やっぱり視線を感じる。
「誰かいるのかな?」
そう言いながらも窓の外には出ない。
小鎌さんに危ないところにはいかないように言われているし。危険なこういもしないと約束しているから、外に出ることはないかな。
「(というより、こんな夜中に誰かが来るのはおかしいから出るつもりはないかな)」
悪い人なら止めるけど。
悪い人の気配は感じないし、危険な出来事に巻き込まれる予定も今のところはないと思う。今年の最後ぐらいのんびりとしたいんだよ。
「…………見えない幽霊とかかな?」
けど、私は霊視は出来るし。
蛮竜も呼ぼうと思えば呼べる上、句君の仕掛けたトラップを掻い潜って私のところまで来る人は早々にいないんじゃないだろうか。
いるにしても私の事を狙う人だね。
そう言う人はトラップも無視して、このマンションにやって来るだろうし。危険と言えば危険なのかも知れないけど。
部屋の中には私の槍以外にも武器は沢山ある。句君のダンベルなんて鈍器になるからね。悪い人に容赦してあげるほど私は寛容ではないのかもしれない。
「でえいっ、なんなのだ!?」
「え?九能先輩、なんで?」
玄関のドアを開けて、リビングに入ってきた九能先輩は粘着テープやトリモチなど動けなくするトラップまみれになっていた。
「なんでもなにも自分の妻と今年の最後を過ごしたいだけだ。それ以外に理由があると思うのか?」
「……フフ、嬉しいかな♪︎でも、その前に汚れてるからお風呂に入ってきたら?」
「…ムッ。そうさせてもらう」
いきなりやって来たときはビックリしたけど。そっか、そうだよね。私、九能先輩のお嫁さんだったもんね。それなら良いんだもんね。
ものすごーく嬉しく思いながら九能先輩に、もしものときに備えての来客用のパジャマを差し出す。さすがに、男の人の下着は持っていないから、ないけど。
洗濯機を回して、乾かせば問題ないかな?