句君と一緒に通学路を歩いていると、唇の大きな三人組に出会い、ポニーテールに髪を結った女の子を蹴っているところを目撃してしまった。
「人を虐めるのは悪いことかな」
「なんだい。いきな、で、デケえぇ!?」
「? 虐めは悪い文明だよ。止めないなら本気で殴るけど、良いかな」
「フン、そんな細腕で直ぐにやめます」
コンクリートブロックの塀を殴って粉砕する。二重の極みに恐れ戦く三人組は慌ただしく逃げ、句君は「また厄介事が来たな」と彼女を見下ろしている。
知り合いだったのかな?
「美しい人、ありがとうございます!」
「あ、あはは、どう致しまして?」
ちょっとだけ反応に困る態度に戸惑っていると、句君の鎖分銅が彼女の首に絡み付き、力任せに彼女の事を何処かに放り投げる。
アレ、危ないと思うんだけど。
「切ちゃん、アレは男だ」
「えっ」
「骨格を考えろ、骨格を」
そう言われても困る。
私はそんなに男の子の身体に詳しくないし、確かに背は高かったとは思うけど。流石に男の子じゃないんじゃないかな?と考える。
「前に話した姉ちゃんの元許嫁だ。自分の可愛さ自慢にブチギレした姉ちゃんが徹底的にボコり倒して、許嫁関係は解消することになった」
それは、悪いことだったの?
「切ちゃん、というより糸色家は大抵初恋成就する家系なのは知っているだろうけど。姉ちゃんの初恋はかっこいい太郎なんだよ」
「ほぼ最近だねっ」
「で、オレも初恋はなびきだ」
「ウ~ン、糸色の血だね」
成る程、成る程、と、私は頷く。
でも、そうなるとあの子はどうなるのだろう。
「……久我さん、髪の毛が見えてるかな」
「くっ、ツインテールにしたばかりにっ」
「銀ちゃん、また居たのか」
「
「「お父さんラッシュ?」」
「ウダウダと文句を言うラッシュです!」
「「???」」
────えと、つまり、文句のラッシュかな。
流石に大人の人に文句を言われるのは、怖いからやめてほしいかな。その、ちょっとだけ怖い。大人の人に怒られるのは怖いかな。
「切ちゃん、多分パンチのラッシュだぞ」
「そうなの?」
「はあい!切先輩にお父さんが文句を言うなら私もお父さんにウダウダと文句を言います!好きです!あ、間違えた。がんばります!」
優しい後輩さんなんだけど。
やっぱり、ちょっとだけ過激に感じるかな。
「フフ、ありがとう」
「はあい♥」