何だかんだと恋運ぶ呪いの花   作:SUN'S

411 / 411
くのいちでございます 急

「体育の授業、何するのかな?」

 

「体力測定じゃない?」

 

女子更衣室を出て、校庭に向かっていると先日のくノ一の格好をした男の子と戦う早乙女君を見つけ、あかねさんが声を掛けようとした刹那、変則的な踏み込みと速駆けを行い、すれ違いざまに早乙女君の身体に斜め十字の傷が刻まれ、血が体操着に滲む。

 

「乱馬!?」

 

「マジで斬ったのか!?」

 

ザワザワとざわめき、くノ一を遠巻きに見るクラスメート達の目の前に槍を突き立てて、敷居を設けて被害が及ばないように壁を作る。

 

しかし、それよりも気になることがある。

 

「貴方、今の技は変移抜刀法だよね。なんで、あなたが日向無限斎の使っていた技を使えるのか。じっくりと教えてほしいかな」

 

私の言葉に口を閉ざすくノ一。

 

その視線は私の胸に向かっているけど。そんなことはどうでもいい。お母さんのお友達の見せてくれた秘伝をこの子が使えるのかが気になる。

 

「退いてろ、糸色ッ……ソイツはオレがやる」

 

「無茶よ。だって乱馬は斬られたのよ!?」

 

「ばーろー、よく見ろ。コイツは血糊だ。このくノ一、オレを斬ったように見せかけてるだけで、本気で殺す気なら刀に毒を塗ってるだろうぜ」

 

「あ、マジだ。しかも絵の具…」

 

「姑息な嫌がらせだ!」

 

「ウッ、母ちゃんに怒られた記憶が」

 

男の子は体操着をよく汚すのかな?

 

小中高まで、ずっと一貫のところだったし。男の子と話すようになったのも二年前に、こっちに引っ越してきてだから分からない。

 

「くノ一忍法、紅地獄!」

 

「しまッ……? おい、何ともねえぞ?」

 

「乱馬、それなに?」「それ?」

 

私達の事をすり抜けて、早乙女君に攻撃する。が、早乙女君は特に怪我している様子もなく、私達が困惑していると、あかねさんが早乙女君の襟元を見た。

 

キスマークだった。

 

「いやらしい!」

 

「乱馬、ずるいぞ」

 

「くノ一といちゃいちゃするなんて、それでも天道の彼氏か!」「オレもキスマークしてほしい!」「ばっか、絶対に高いって!」

 

ワイワイと騒がしくなる男子と、その男子に呆れと軽蔑の眼差しを向ける女子。私はどっちをフォローすれば良いのかと考えながら、句君を見ると空を見ていた。

 

「乱馬、上から来るぞ。気を付けろ」

 

「あ?」

 

彼に釣られて、私も空を見ると特徴的な大きな唇の三人組が早乙女君に降り注ぎ、ぶちゅーーーっと顔を吸い取る勢いでキスをした。

 

「ぎにゃああああぁ~~~ッ!!

!!!」

 

早乙女君の絶叫に二年生と一年生の教室の窓が開き、惨たらしく貪り食われる早乙女君の姿に悲鳴らしきものが、チラホラと聞こえてきました。

 

ちょっとだけ、可哀想だったかな。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

某剣客浪漫世界で私は趣味に憩う。(作者:SUN'S)(原作:るろうに剣心)

これは、糸色さん達が東京に帰る少し前のお話───。▼ドクトル・バタフライを始めとした転生者達、親しき友人や苦手な人もが、神通力の使い手と思い込み、いつも黒幕扱いされる糸色さんに相談を持ち掛ける。▼このお話は趣味に癒しを求める糸色さんのお話です。▼【スレっぽいヤツ】▼https://syosetu.org/novel/380529/▼【エッチなヤツ】▼http…


総合評価:26/評価:-.--/連載:11話/更新日時:2026年06月25日(木) 23:05 小説情報

もしも「るろ剣」の世界に糸色景がいたらのスレ(作者:SUN'S)(原作:るろうに剣心)

「某剣客浪漫世界の物書きお姉さん」が本誌だったら?という感じのスレっぽいやつです。▼【本編】▼https://syosetu.org/novel/327970/▼【黒死の蝶の唯一留まる花】▼https://syosetu.org/novel/381420/▼【風薫る日陰に寄り添う妙花】▼https://syosetu.org/novel/387840/▼【か…


総合評価:974/評価:6.42/短編:377話/更新日時:2026年07月10日(金) 22:35 小説情報

転生して型月版・沖田総司になったけど、労咳を克服したら明神弥彦の母になっていた件 〜るろ剣世界で最強のママやってます〜(作者:だいたい大丈夫)(原作:るろうに剣心)

かつて京都を震撼させた「人斬り抜刀斎」と並び称された、新選組一番隊組長・沖田総司。▼労咳の運命を越え、彼女が手にしたのは平穏な明治の世と、亡き夫が残した一人息子・弥彦だった。▼しかし、その剣はまだ、錆びついてはいない。▼「たまには人を斬っておかないと、腕が鈍るでしょう?」▼昼は息子の教育に頭を悩ませる士族の未亡人。夜は月夜に紛れ、暗殺者として死体の山を築く。…


総合評価:3120/評価:6.78/連載:88話/更新日時:2026年06月07日(日) 22:37 小説情報

コズミックイラのマチュ ~ロリニュータイプの日本再興記~(作者:アキ山)(原作:ガンダム)

拙作、『ダイクン家の二女はアホの子』に載せていたコズミック・イラの話を独立させました。▼ マチュことマリ・ヤマトはハルマ・ヤマトとカリダ・ヤマトの間に生まれた一粒種。▼ 兄のキラと仲良く暮らす元気いっぱいのゲーマー小学生だ。▼ しかし、彼女には兄には話せないもう一つの顔があった。▼ その身に流れる高貴な血の運命と祖国再興という命題。▼ コズミック・イラという…


総合評価:1367/評価:7.9/連載:7話/更新日時:2026年04月13日(月) 13:52 小説情報

某剣客浪漫世界で私は物書きをする。(作者:SUN'S)(原作:るろうに剣心)

▼【挿絵表示】▼彼女は転生者だ。▼慶応後期に生まれて。人斬り抜刀斎の噂を聞き、自分の生まれ変わった世界を理解し、ちょっとだけ絶望しているお姉さんだ。▼ちなみにお姉さんに戦う力はないです。▼現在、最終章開幕中です!▼「るろうに剣心」原作本編完結です。▼第二部「GUN BLAZE WEST」本編完結です。▼第三部「北海道編」本編完結です。▼第三・五部「エンバーミ…


総合評価:5549/評価:7.42/連載:1217話/更新日時:2026年07月10日(金) 21:10 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>