来ました、鳳凰の民 序
「あいやーっ!絶体絶命的危機!!」
カラスの群れに襲われる女の子を抱き締めるように受け止め、蛇の激気を噴き出した瞬間、カラスは気圧され、羽を散らして逃げ惑う。
「大丈夫だったかな?」
「
「娘を寄越せえぇぇ!!」
「鳥人間!?」
バサリとカラスの翼を揺らし、飛び掛かってきた男の顔に手のひらサイズの石がめり込み、鼻血を流して痛みに苦しむ姿に驚く。
刹那、私の真横を赤い中華服の男の子───早乙女君が通り抜け、鋭く素早い蹴りがカラス男の胴を穿ち、地面に叩き落とすと同時に此方に振り返った。
「糸色、離れとけ!」
「うん。ありがとう!」
早乙女君にお礼を言いながら女の子を抱き上げて、その場を離れようとしたとき、羽根を飛ばして、私の行く手を阻む鳥人間が増えた。
「ききききっ。逃がさないぞ!」
「くっ。羽根が、邪魔ァ!!」
槍を引き伸ばして、十節鞭のようにしなり、軌道を変える蛇轍槍を足首に巻き付け、地面に引きずり下ろす。が、叩き落とす瞬間に翼を揺らし、威力を削られた。
「(流石に、片手じゃ無理かな)」
「糸色、コイツら何者だ」
「知らないかな。けど、小さな女の子を寄って集って虐めるヤツは悪いヤツに決まっているよ。悪いヤツは殴ってとめる!」
そう言って私はスカーフを右手に巻き付け、槍よりも鋭くしなる攻撃を繰り出す。私の振ったスカーフを避ける次の瞬間、手首を捻って脛を叩く。
「いぎゃああぁぁっ!!?」
「女子供用の護服術、鞭打の威力は如何かな?」
鞭打。
ハンカチやスカーフ、リボンなど女の子の身につけたものを使って攻撃を繰り出す護服術。どんな達人も皮膚を鍛えるなんていう事は無理だからね。
だから、これが一番手っ取り早い。
「退いてくれないと全身を打つから」
そう言うと慌てて逃げようとする鳥人間の足首にスカーフを巻き付け、今度は背中を踏みつけ、足を用いて放つ二重の極みを見舞う。
「あ、あいやー」
「マサラ!?貴様、デブなのか!?」
「失礼かな!?私は46キロだよ!!」
「軽っ!?」「もっと食え!」
なんで悪い人にそんなことを言われないといけないのかと思っていると、雨が降り始めて、足元の鳥人間を見ると普通の男の子に戻っていた。
特殊体質じゃない?と戸惑っていたとき、響君を見かけてそっちに駆け寄る。流石に小さな女の子を雨の中に放置するわけにもいかない。
「響君、この子をお願い」
「よく分からんが、任せておけ!」
流石、頼りになるかな。