「プラムちゃん、お菓子食うか?」
「貰います。アタル」
「さんを付けろよ、チビスケ」
「レディに向かってチビスケとは失敬!」
モグモグとクッキーを食べながら怒るプラムちゃんを背中に乗せて、腕立て伏せを続けている句君の事を見ながら、大学に向かう小鎌さんにお弁当を差し出す。
「愚弟、抜かるんじゃないわよ」
「任せろ。姉ちゃん」
そう言って句君はサムズアップした。プラムちゃんを背中に乗せて、片手を上げている。やっぱり男の子は力持ちだと感心しながら準備を進める。
今回も公休を使わせてもらっている。
卒業に出席日数足りるかな。
そんなことを考えながらも私は船に乗ったときに食べるお弁当を用意し、カバンの中に仕舞ってセーラー服に着替える。
私の戦闘服は、やっぱりコレかな。
「私からだとスカートの中見える」
「そうかな?」
「うん」
「スカートの中は宇宙だ」
たまに句君がおかしくなるのは、小鎌さんがよく頭を叩いて叱っているせいなのかと思いつつ、ゆっくりとドアを開けて、マンションの共有出入り口のところに集まっている、みんなを見下ろす。
?
シャンプーがいない。
「みんな、シャンプーはいないの?」
そうマンションの通路のヘリに身を乗り出して叫ぶも顔をしかめたり、顔を背けるばかりで私の求める答えは帰って来なかった。
まさか捕まった?
いや、シャンプーは私やあかねさんと渡り合えるぐらい強い。この二日の間に捕まるなんて有り得ない。あの「永遠の僕に変える」っていう言葉、強ちウソやハッタリじゃないのかも知れないかな。
「糸色、あの女はマジであぶねえぞ」
「大丈夫かな。私は糸色切だからね」
そう言って早乙女君の忠告に答えて、不安げに早乙女君の事を見つめるあかねさんに視線を向け、親友のためにも絶対に早乙女君の事は守らないといけない。
「よし。行くぜ、中国!」
「船だから、急がないとね」
式尉に伝えると三日か、早ければ二日で中国に向かえると教えてくれた。初めて行ったときも船だったけど、私って船に縁があるのかな。
「句君も来てね」
「当然だ。空を飛ぶ相手ならオレやムースの鎖は引きずり下ろすのに最適だ。それに、姉ちゃんのためにも娘溺泉が消えるのは困る」
「フフ、確かにそうだね。かっこいい太郎も仕事が終わったら、普通の男溺泉に入るって約束していたらしいから絶対に止めないといけない」
なにより私の親友を催眠か洗脳か分からないけど。支配するなんていう外道を許すわけにはいかないかな。絶対に殴り倒す。