プラムちゃんと一緒にお風呂に入り、今後の事を話し合う早乙女君とあかねさんの会話を聞かないようにする。ただ、どうしても声は聴こえてしまう。
そのときは謝るつもりだけど。やっぱり聴こえてしまうものは仕方ないと割り切って、私はプラムちゃんの髪を洗っていると騒音が酷くなった。
また、怒らせたのかな?なんて考えていたら、あかねさんがお風呂の戸を蹴り破って入ってくるなり、お風呂に飛び込み、キーマ様へと変わると、暗闇の空へと消えてしまった。
「待て「早乙女君、まだ入ってるんだけど?」ずっ、すまん!!」
思わず、語気が強くなった事を反省しながら身体を隠し、プラムちゃんの身体についた泡を流してあげ、身体の水気を切って手早く着替える。
私のお泊まりセットはキーマ様に取られているから、あんまり化粧品が残っていない。ドライヤーを借りて、軽く乾かして早乙女君と一緒に向かう。
「プラムちゃん、しっかり掴まってね」
「はい!」
私は背中に乗ったプラムちゃんの身体を布で縛って落ちないように背負い、もう一度鳳凰山に登るために真夜中の山道を走り出す。
早乙女君は夜目が聞かないから、私の舌を鳴らす音とプラムちゃんの持つ懐中電灯の光を頼りに私の後ろを追随している。
「侵入者だー!!」
「あいやー、懐中電灯でバレました!」
「その程度は問題ないかな」
槍を引き抜いて、真上に向かって、放り投げる。早乙女君も私の意図に気付き、次々と放たれる槍の柄を踏み、階段のように駆け上がって最短距離を進む。
「プラムちゃん、損な役割になるけど。絶対に怪我させないからしっかりと掴まっていてね」
「任せるある!」
そう言って私の背中に抱きつく彼女に笑顔を向け、眼鏡を外して全身の闘気を高める。糸色流の気功法は何も直接的な攻撃だけじゃない。
「まさか、操気術まで!?」
「キーマ様、糸色家を嘗めないで欲しいかな。山に籠っているあなた達と違って、私達は世界を守るために何度も戦ってきた。糸色景様が言っていたかな。私が望みさえすれば、運命は絶えず私に味方する!」
私の言葉に応えるように私の発した闘気を目印にやって来てくれた句君と式尉に振り返って、「あの時はごめんなさい」と謝る。
「問題ない。急所ははずれてたからな」
「お嬢様の手加減で致命傷は避けました」
「「まあ、お館様には伝えるけど」」
やっぱり、そうなるよね。
あまり危ないことをすると、お父さんはものすごーく怒るからバレたくないんだけどな。