「帯刀君、退いて!!」
「キーマの頼みだ。すまない」
私の振るう拳を木刀で受け止める帯刀君に、そう叫ぶも帯刀君はキーマ様の事を守ることを優先し、私は怒りと妬みと憎しみを発露し、臨気を高める。
私の帯刀君を支配するなんて許さない。
「フフフ、その男はもう私のものよ」
ゆらりとキーマ様の事を見据える。
「来なさい、蛮竜」
そう告げると轟音と共に私の目の前に身の丈を越える大鉾が地面に突き刺さるように鎮座し、私の手を通って全身に青白い雷撃が迸る。
もう殺す。
「熱風!!」
「旋風剣!」
私の放つ地面すら焼き焦がす熱風を木刀を旋回させて巻き起こした竜巻で相殺し、その風に乗って間合いに踏み込んできた帯刀君の木刀を左手で受ける。
ミシッ…!と骨が軋み、皹が入る。
「ぐっ、いい加減にしなさい!!」
地面を抉るように振り上げた蛮竜を木刀で受け流し、私の肩を打とうと木刀を振りかぶる帯刀君のお腹に二重の極みを撃つ。
衝撃の突き抜ける感覚。
同時に、私と帯刀君は吐血する。
二重の極みの衝撃に重ねて、柄頭で喉にカウンターを決めてきた帯刀君を涙目になりながら、咳き込み、血を吐いて、帯刀君を睨む。
「てめえ!?帯刀先輩!!」
「大丈夫。息は吸えるし、吐ける」
────だけど。少し不味いかな。
気功法を練るために呼吸は必要不可欠。
ゆっくりと浅く重い呼吸を繰り返し、口許の血を拭う帯刀君の後ろに控えて、偉そうにしているキーマ様に最大限の殺気をぶつける。
ビクリと跳ねる彼女を一瞥し、蛮竜を構える。
「帯刀君、浮気は悪い文明かな。だからもう浮気者の帯刀君には糸色切としての本気の一撃を見舞う。許してあげないからね!」
そう言って私は蛮竜を振りかぶり、力任せに地面に蛮竜を叩きつけた瞬間、猛烈な衝撃波を生み出し、蛮竜閃が帯刀君のことを飲み込む。
「蛮竜閃も効かない、か」
流石は帯刀君だと感心しながら、ゆっくりと私は蛮竜を構え直す。だんだんとキーマ様の命令を聞く意識も無くなってきたおかげで動きやすいかな。
「いや、効いている」
胴着を脱いで分厚く隆起した筋肉に目を向けつつ、私の霊気と闘気はまざり、プラムちゃんと句君、式尉に目配せする。向こうも加減しないなら、私もこの場所が壊れるまで戦うだけだ。
早乙女君は絶対に勝つ。
そのためにも私はみんなを引き付ける。
「絶対に取り返して、ぶっ殺す」
私の大好きな人だ、返してもらうかな!