無事に日本へと帰ってきた。
キーマの刷り込みはあかねさんに解いて貰い、非常に残念そうに卵を見つめる帯刀君を怒って私は小鎌さんの待つマンションのドアを開ける。
「お帰りなさい」
「ただいま、かな」
ちょっとだけ恥ずかしく思いながら、小鎌さんの言葉に笑いつつ、句君と一緒に部屋に入る。帯刀君は自分の無事をお義父さんと小太刀さんに伝えに行っている。
「で、楽しかった?」
「切ちゃんに殺され掛けたぜ」
「句君を殺し掛けちゃった」
「なにがあったの!?」
そんなことを話しながら、私は句君と一緒に正座して小鎌さんのお説教を聞いている。一週間も離れていなかったのに、すごく懐かしい。
句君も同じことを思っているのか。
すごーく笑っている。
「それからね。アンタ達、笑ってる暇ないわよ。流石に公休が多すぎて、卒業出来ないかも知れないんだから、さっさと準備する!」
「はい!」「おう」
小鎌さんの言葉に答えて、私と句君は制服に着替える。でも、やっぱり臭いかな?と考えてしまい、私はお風呂に向かう。
そんな私に小鎌さんは理解してくる。
でも、溜め息はついていたかな。
「ねえ、切さん」
「なにかな?」
「荷物に変なのが混ざってない?」
「悪さしないように貰ってきた」
そう言って私は二本の杖を見る。
サフランも次の決戦のときに返して貰うって言っていたから、次は私も本気で戦うべきなんだろうけど。私の夢は帯刀君のお嫁さんだ。
「……まあ、良いわ。それより句は先に行っているんだから遅れちゃだめよ?」
「分かってるよ」
汚れていないセーラー服に袖を通す。
私に出来ることは何でもして、みんなと知り合えた幸せを手放すつもりはないかな。それに、みんなと過ごせた幸せを奪うのならロンもサフランも倒す。
「……ところで、この卵なに?」
「帯刀君に使うやつ」
「オムライス?」
ううん、違うかな。
キーマに浮気したから、お仕置きだよ。
……私の事を大事にしてくれる、帯刀君に使うのはダメな気持ちになるけど。それでも私は帯刀君にいっぱい幸せになってほしいから、使う。
もしも私が使われたら受け入れるけど。
「切さんの名前書いておくわね」
「ありがとう、小鎌さん」
カバンを拾って玄関に向かい、遅刻する前に学校に着きたいからと蛮竜を呼び寄せて、刀身に乗って学校を目指す。
ちょっとだけズルいかな?なんて思いながらも句君と早乙女君、あかねさんを見かけ、直ぐに追い越していくと三人とも慌てて走り出した。
やっぱり、遅刻はいやだよね。