「ムッ。邪悪な気配…!」
「お爺ちゃんかな?」
チラリと窓の外を見ると地図を片手に何かを投げているお爺ちゃんを見つけ、私達の暮らすマンションにも何かを投げてきたソレを掴んで受け止める。
「結婚式の招待状だな」
「あら、そうなの?早いわねえ」
まだ帰ってきて、そんなに経ってないのに……いや、そんなに経っていないからかのかな。そんなことを考えながら、小鎌さんは日にちの欄を見つめる。
「今日だわ」「今日だな」
「よし、みんなで行こうかな!」
そう言って笑うと句君と小鎌さんは苦笑を浮かべつつ、私の提案を受け入れてくれる。フフ、二人とも面倒だと思っているけど。
本当はお祝い事が大好きなの知っているかな。
「しかし、乱馬も遂に妻帯者か。なびきもいい加減に認めてくれて良いだろう。オレは18歳を越えたのに、なにが不満なんだ」
「強いて言えば身長じゃない?九能君もかっこいい太郎もそうだけど、アンタ等は背が高過ぎるから、ふつうの女の子は畏縮しちゃうのよ」
「そうなのか、切ちゃん?」
「私は帯刀君としかお付き合いしたことないから分からないかな。でも、あんまり強気に出られると女の子は怖くなっちゃうからダメだよ?」
「……そうなのか」
そうなんだよ。
まあ、男の子の句君には難しいかな。
「句君は身体が大きいし、筋肉もあるでしょう。なびきさんは小鎌さんより少し背が低くて細身だから、いきなり抱きついたりしたらビックリしちゃうんだよ」
私の言葉に悩む句君の横を通り抜けて、結婚式のときに身につける着物を箪笥の中から取り出して、襦袢と一緒に身につけていく。
「……?切ちゃん、これなんだ」
「知らないかな」
「そうか」「そうね」
そんなことを話しながら、ご祝儀を包んだものを袖の中に仕舞って天道道場を目指す。その途中で道に迷った響君を見つけて、一緒に天道道場に向かう。
ようやく見えてきたと思ったら、なぜか天道道場は半壊していた。いったい、なにが?と困惑する私達に続いて、ぞろぞろと集まってきたクラスメートと話す。
「ん……すごーく大変だね」
「それですませるの糸色さんぐらいよ」
「んッ。帯刀君も来たかな?」
「うむ!目出度い門出、祝わねばならん!!」
そう言うと帯刀君はお爺ちゃんを殴ったり蹴ったりしている早乙女君に向かって酒樽を差し出した。
「早乙女乱馬よ、浸かるが良い!!」
「「「「それは、まさか男溺泉!?」」」」
「この九能帯刀が直々に用意してやったぞ!しかし、こんな水の何が良いのだ?」
「…帯刀君、これ違うよ。文字が違う」
ふつうに童溺泉って書いてあるかな。
「「「「ぬか喜びさせんじゃねえ!」」」」
「なんだと貴様らぁ!?」
まったくもう仕方ないかな。