「来たね、
「家の前に居たら来るかな」
ニコニコと笑顔の咲くシャンプーを見る。この前みたいに武器を持っている様子は無いけど、何か用件があるのかと彼女の後ろを着いて歩く。
「私、考えたよ。
「いきなり過ぎない?」
ちょっと急展開過ぎる彼女の言動に困惑しながら、空き地に入ると振り返って獰猛な笑顔を此方に向ける彼女は地面に手を突き刺し、槍を取り出した。
あくまで槍による勝負を挑むわけか。
そういうのは嫌いじゃないけど。
チラリと私達の後ろを隠れて着いてきている早乙女君達と小鎌さん達に視線を移し、こらは仕方ないかな?とスカートの裾を少しだけ託し上げ、懐剣のように収縮した如意棍槍を取り出す。
「…ちょっと戦う前に聞くけど。女傑族の掟ってこの勝負に適応するのかしら?」
「何を言てるか」
「流石に違うわよね」
「当然ね!!」
そう当たり前のように言ってきたシャンプーは嬉々として槍を突き放ってきた。いや、槍というより方天戟(穂先の左右に月牙を付けた物)に近い。
────けれど、付け焼き刃の技は私には通じない。
「覇極流 千峰塵っ!!」
正確無比の突きをカウンターとして打てば鈍い音を立てて方天戟は砕け散り、シャンプーは軽く舌打ちをしながら柄の半分まで砕けた方天戟を捨てて、緩やかに両手を左右に大きく広げて構える。
「これが天を落とす一撃よ!!」
空気の流れが変わると同時に私の身体を突き抜けるように突風が吹き荒れ、私はコンクリート塀に背中を打ち付け、コンクリートを砕く。
「ヌゥッ。ま、まさかあの技は!?」
「お父さん知ってるの?」
「女傑族は中国にてあらゆる武術を吸収してきた戦闘部族と聞く……しかし、あの年で使えるというのか中国拳法史上最も奇怪な拳と言われた南朝寺教体拳を!その奥義たる天稟掌波!!」
なんちょう。
……ああ、南朝寺教体拳か。確か中国に渡った糸色家の人が目撃し、伝書を譲り受けたというのは聞いたことあるけど。私も戦うのは初めてだ。
天道早雲のおかげで大体の見当は思い浮かぶ。
「参ったか?
「冗談じゃないかな。勝つのは私だよ、句君」
「なんだ?」
槍を地面に突き立てて句君を呼ぶ。
「鎖分銅貸して貰える?」
「分かった」
私の身の丈より長い鎖分銅を投げ渡してくれた句君にお礼を言いつつ、両腕に鎖を巻き付け、肩に羽織るように鎖を固定して分銅を振り回す。
さてと、試してみようかな。