あれからというものシャンプーを含めて四人の「死の接吻」を受けた私の様子を見に来てくれた早乙女君達と一緒に天道道場に向かう途中、殺気を感じて足元のマンホールを盾代わりに蹴り上げる。
電柱の上に立つ人を見る。
シャンプーだね。
「
そう勇ましく飛び降りた彼女は鉤縄を使い、軽やかに着地するなり素早く抜き手の連打を繰り出してきた。いきなり攻撃してきた彼女に驚くこともせず、抜き手を放つ手首を竜頭拳で迎え撃つ。
交差法に秀でた関節破壊の破傀拳に対して、ただの抜き手は無意味な攻撃だと思う反面、私の間合いを軽々と踏み抜いたシャンプーにヒヤリとする。
「やめろ!ぐへっ!?」
「乱馬!?」
「早乙女君、割り込み注意だよ」
私とシャンプーのパンチを顔で受け止めた早乙女君は白目を剥いて倒れてしまい、おろおろと焦るシャンプーの肩を優しく叩き、背負うように伝える。
「まずは、安全な場所に行こうか」
「分かたね」
コクリと頷いた彼女と一緒に歩きつつ、女傑族の掟で私を狙うのを止めて欲しい事を言ってみたものの。長老、族長の許可無しに決める事は出来ないそうだ。
あの三人組は九能先輩に張り付いている。
不満は無いけど、不服だ。
「
「早乙女君の下宿先、居候している家かな」
そう言いながら路地を歩く私達の目の前に早乙女玄馬と顔にお札を貼った人間が現れ、また何処かに消えて行ってしまった。
キョンシー……っぽいヤツだった。
ああいうのもいるのかな?と考えつつ、天道家の門を開けて、中に入ると庭先で呼気を高める作務衣の上着を脱ぎ捨てた天道早雲の異常に発達した打撃用広背筋に思わず見惚れてしまう。
「あいやぁ」
「着痩せするタイプなのね」
「あ、ああ、失敬」
慌ただしく作務衣を羽織る天道早雲に勿体無く思う。まあ、既婚者の彼に一瞬とはいえ見惚れてしまった私が悪いのだから仕方ないかな。
「乱馬っ、どうしたの!?」
「私達の勝負に巻き込まれたの。ごめんなさい」
「……ビンタの痕がある」
「それはシャンプー、この拳が私のだね」
「違うね。意識を断ったのは
まるで、私が悪者のように言うじゃないかと驚きつつ、早乙女君を天道早雲に預け、じろりと睨み合うあかねさんとシャンプーの肩を掴み、喧嘩するときは迷惑を掛けない道場にしようと提案する。
それにしても、私とシャンプーの攻撃を受けて気絶するだけで済むなんてどういう鍛え方をしているのか。早乙女流に興味が出てきたかな。