早乙女君と響君の勝負から数日後。
なぜか早朝にやって来た九能先輩に驚きつつ、パジャマ姿を見られた事を恥ずかしく思う。九能先輩も私のパジャマ姿にビックリしている。
「おはよう、ございます」
「あ、ああ、おはよう……すまない」
チラチラと胸を見る九能先輩も男の子なんだなと考えながら差し出された胴着を羽織り、九能先輩を家の中に招き、パジャマから部屋着に着替える。
ぎこちなく、そわそわとしてしまう。
少し過激な水着はセーフだったのに、パジャマ姿を見られたのは想像よりも恥ずかしくて顔が熱くなるのを感じながら九能先輩にコーヒーを差し出す。
「……切君の目、僅かに左目は薄青色なのだな」
「左目?」
そう言われた瞬間に思わず左目を隠してしまった。別に悪いわけではないけど、一番最初のお師匠様の修行のせいで此方は殆んど見えていない。
視力が弱いのは教えているし。多分、その内に話すつもりではいる。でも、あまり酷いことを伝えるつもりも重荷になるつもりも私にはない。
小鎌さんと句君は九能先輩の気配を感じて、とっくに起きているけど。私と彼の会話を聴きながら、静かに見守ってくれている。
「今日は、何の用事かな?」
「今朝の告白の返事をしに来た」
「今朝の告白?」
告白も何もお付き合いしているよ?と不思議に思いながらも九能先輩の話を聞けば、夢の中に出てきた私が結婚できないとさめざめと泣き、何かに連れ去られるという夢を見たらしい。
予知夢か、ただの妄想かな。
それにしては、少しリアルだと思う。
ひょっとして、私の許嫁が何かを企んでいる可能性も捨てきれないわけだ。
「ねえ、九能先輩」
「なんだい。切君」
「私って許嫁がいるの。会ったことも話したことも顔も写真も見たことの無い許嫁、その人と結婚するより、私は貴方と結婚したいと思うんだ」
「僕も君と結婚したい!だが、法律の壁が僕らの邪魔をするんだ!おのれ法律め!」
「……フフ、九能先輩は面白いかな」
クスクスと笑いながら九能先輩と話していたとき、サスケ君と一緒に私の忍びも手紙を差し出してきた。お父さんの手紙じゃない。
初めて見る文字に私は小首を傾げながら、まさかと思い、色々と話していると九能先輩は楽しそうに私の話しを聞いている。
兎に角、色々とあるんだ。
「切君、これは僕のプレゼントだ」
そう言いながら彼は真剣に考えて、手紙を丁寧に仕舞って考える。もしものときは彼に聞いて、新しく入力しないといけない。