「格闘出前?」
「此処を目指しているらしいわよ」
九能先輩の注文してくれた出前達を運ぶ女の子達の中に早乙女君やあかねさん、シャンプーの姿もある。どうやらまたお婆ちゃんの策略みたいだね。
「そういえばさ。切ちゃん」
「なに?句君」
「うなぎって精力つくらしいぞ」
そう言いながらうなぎ屋さんのメニューを見せてくる句君の言葉に小首を傾げる。勢力がつくのは良いんじゃないかな?何事も勢いは大事だと思う。
「この愚弟がッ」
「勢力作りは良いことじゃないかな」
「切さん!?……切さん、精神の精よ?勢いの勢じゃないけど、分かっているのよね?」
「違うの?」
私の言葉に小鎌さんは大きく溜め息を吐いて、句君は「糸色家ってソッチ系の知識与えないこと多いよな」と呟く。よく分からないけど、私はうな重を食べた九能先輩の傍に座れば良いのよね。
小太刀さんも私と同じように分かっていないし。多分、小鎌さんより年下だから教えて貰っていないだけで、もうすぐ教えて貰えるはずかな。
「僕は婚姻前の女性に不埒な真似はしない」
「しないの?」
「するかもしれない!」
力強く宣言する九能先輩。その様子に小鎌さんは呆れ、句君はケラケラと笑う。小太刀さんは「お兄様ったら相も変わらず変な人ですわね」と呟く。
それにしても、不埒な真似って何だろう?と、そう思いながらお母さんが言っていた事を思い出す。
「男と女は時として化学反応を起こす。何があってもおかしくない」と言って、ついでに恋人が出来たらベッドや本棚の参考書を調べるように言っていた気もする。
「切君、どこへ?」
「お母さんの助言を確かめたいんだけど。九能先輩ってベッドだよね?」
「いや、敷き布団だが?」
「じゃあ、本棚か箪笥に……」
「切さん、それはダメなヤツだから!」
「そう、なの?」
「そういうものなのよ!」
小鎌さんの焦り様からして、すごくダメなものなのはわかった。大人しく出前の到着を待とうとしたそのとき、地響きと唸りを纏って早乙女君やあかねさん、シャンプーが九能家にやって来た。
出前の勝負を決めるつもりかな。
「九能先輩、食え!」
「食べるよろし!」
「九能先輩、此方が先よ!」
「なにっ!?」
うなぎ、ラーメン、炒麺の三竦み。
しかも女の子の「あ~ん」つきに九能先輩は口を開きかけ、グムグムと変な唸り方をしたかと思えば私のほうに近付き、おもむろに肩を掴んできた。
「僕は
九能先輩、なに言ってるんだろう?