「「「食べろーっ!!」」」
「えぇいっ!!止めんか僕は婚約者がいるのだ!確かにアプローチを仕掛けていた僕が悪いのも分かるが、四人同時に愛せる自信もあるが!切君を裏切るなど僕には出来ないのだぁーっ!!」
三人の繰り出すお箸の突きを頭だけで避ける九能先輩はお庭に逃げ出し、追いかけた先に立っていたサスケの用意したトランポリンで跳び上がる。
「愛されてるわね」
「そうかな?うん、そうなんだよ」
「ヘッ。惚気てますわね」
紅茶を一口飲んだ小太刀さんはリボンを取りだし、九能先輩の右足に巻き付けると勢い良く地面に叩きつけ、「オホホホホ!ごめん遊ばせ、お兄様!」と高笑いを披露しつつ、カメラマン達の前を通りすぎていく。
流石は聖ヘベレケ女学院の生徒。
こういうところでの魅せ方を熟知している、そう感心していると何人かが私の事を見て、なにかをヒソヒソと話しているのが見えた。
「失礼。貴女のお名前は?」
「名前は教える気はないかな」
「ですが、その顔は、まさか女性陶芸家のっ!?」
「はい、ストップ。アンタ達は格闘出前レースの放送でしょ?ウチのお嬢様に話し掛けるなら本家を通して貰わないとアンタらの局を買うわよ」
「姉ちゃん、圧が強いぞ」
小鎌さんと句君のおかげで目立つ事はなかったけど。お父さんが、この町での三年間の学びを許してくれた理由がなんとなく分かってきた。
ここは兎に角色々と目立つんだ。
「最後に九能氏とのご関係は」
「そ、それは、恋人かな」
少し照れながら伝えると逃げ回っていた九能先輩の動きがカチコチと鈍り、早乙女君のラーメンが彼の口の中に差し込まれ、ゴクンと飲み込んでしまった。
「うむ、中々に美味であるっ!!」
クワッと笑みを浮かべて答える九能先輩を見上げつつ、いつ屋根の上から降りてくるのかと考えていた刹那、九能先輩に向かって無数の手裏剣が九能先輩に降り注ぐ。
近くにいた早乙女君は頭に刺さったらしい。
「甘いわ!」
「いってぇーっ!?」
糸逢家の忍びかな。
お父さんが私の護衛に、あるいは許嫁と会うまで監視するために準備していたんだろう。
しかし、そこまで九能先輩との恋仲を邪魔するということは、少なくとも糸逢家より立場は上か糸色本家のように長い歴史を持っている相手ということなのかな。
もしも、そうなら私は対抗手段がない。
「九能先輩、あーんしてやろうか?」
「待つね!まだ食べ終わってないある!」
「乱馬、避けて!」
これは、まだまだ続くみたいかな。