TS憑依禪院直哉~甚爾君のお嫁さんになれなかったから恵君を食おうと思う~   作:八握剣異常性癖魔虚羅

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4話目

「星漿体の護衛?」

 

「ああ。天元直々の依頼だ……禪院に話は来なかったがな」

 

 SSR確定演出からのウチやよ。禪院家次期当主、禪院直哉や。

 

 今オトンと話してるのは……懐玉・玉折編の始まりの合図やね。まあ最強の五条悟のところに当たり前のように持ち込まれるんやけど。最強なのと、六眼を持ってるからもあるんかいね。因果で繋がっとるとかなんかあった気するし。

 

「そんで? 五条悟に任せとったらええやん。いくら手柄持ってかれるのが悔しくても流石に妨害出来ひんやろ?」

 

 五条悟に勝てないという意味でも、天元の同化を邪魔できないって意味でも。まあウチは同化に失敗しても特に問題起きひんことを知っとるけど。

 

「まあその通りだがな。厄介なことに盤星教が刺客を雇ってな」

 

「ああ、あの宗教団体? でも五条悟に勝てる刺客なんておらへんやろ?」

 

「……甚爾がな」

 

「あー……分かったわ。甚爾君なら勝てる……かは分からへんけど、暗殺は出来そうやもんね。それで? 高専にでも伝えとくん?」

 

 まあ十中八九そんなことはせんやろね。万が一甚爾の星漿体暗殺が成功して、万が一元禪院家の人間だと知られたら……良くて御三家から除名ってとこかいね。

 

「いや。そんなことをしても旨味が無い。刺客一人の情報を提供したところで何の貢献にもならんし、精々が甚爾の始末を押し付けられるだけだろう」

 

「嫌やねぇ政治って。長生きしてな? オトン」

 

「お前もそのうちやることになるぞ?」

 

「嫌や~」

 

 五条家が羨ましい。好き放題出来る強さあってのことだから仕方ないけど。どうにかアッチ側に行きたいもんやね。

 

「ほんで? 結局禪院家としてはどうするん?」

 

「恩を押し付ける。情報を売るぞ。精々高値が付くことを祈るとしよう。なに、失敗してもお前が苦労するだけだ」

 

「クソ親やんけ~」

 

 プラスで考えればそれだけ評価してくれてるってことなんやろうけどね。暗躍とかそういうのウチは向いてへんからオトンに出張ってもらいたいわ。

 

 

 

 

 

 星漿体を狙う組織は大きく二つ。宗教団体の盤星教と呪詛師集団の『Q』。直接的に厄介なのは武力のあるQの方やけど、五条悟が居るからそっちはゴミクズみたいなもんやね。盤星教が『術師殺し』……要するに甚爾君を雇ってる方がよっぽど怖いわ。

 

 ほんでとりあえず東京に来たはええんやけど……星漿体の子ってどこにおんの? 確か学校には通ってたよな? 

 

「こういうところの連絡こそしっかりやって欲しいんやけど……どうせ酒飲んどんのやろなぁあのオヤジは……」

 

 仕方ないから呪詛師御用達のサイトを開く。ここに星漿体の居場所が載っていればそこへ向かう。まだなら高専に連絡をとればいい……はず。削りの為に呪詛師を集める以上、甚爾君はちゃんと場所を更新してるやろうしね。

 

 結論から言うと、サイトにご丁寧に居場所が載っていた。なんなら通っている学校の名前やら自宅の場所やらも。とはいえ今必要なのは現在地──更新された時の、だが──だけ。術式も使ってそこへ向かう。すると。

 

「失敗!」

 

 紙袋を被った大男が殴り飛ばされている現場やった。そんな術式なのになんでそんな弱いのって言われてた人やね。というか五条悟が赫に成功してたらあの人、木っ端微塵に死んでたんちゃう? まあそうなっても別に構わヘんけどな。

 

「……そんで、お前も呪詛師か?」

 

「ちょい待ち。味方やで」

 

 怖すぎやろ。なんでこんな距離あって気付けんねん。抱えられてる女の子なんてウチが出てくるまでなんも分かってへんかったのに。

 

「禪院直哉。星漿体の護衛に行ってこいってパシられた可哀想な女の子やよ」

 

「禪院? うわ、いらねー」

 

「酷ない? って普通なら言うんやけどね。悟君には言われてもしゃーないわ」

 

「分かってんなら京都に帰れよ。俺達だけで充分だっての」

 

「まあ待ちや。ウチが持ってきた情報聞いてからでも遅くないで?」

 

 伝えたのはまず呪詛師用のサイトに星漿体の情報が載せられていること。それから『術師殺し』が動いていること。本当に守る気やったらフィジカルギフテッドが狙ってると教えた方がええんやろうけど、それは無し。そもそも五条悟にはここで一回死にかけてもわらなアカンねん。呪力の核心を掴んでもらうために。まあ悟君ならほっといても勝手に掴むかもしれへんけど……そんな博打はする気あらへん。

 

「感謝はしねぇぞ? ま、俺達のためにお疲れ、ぐらいは言っといてやるよ」

 

「可愛ないねぇ。まあウチもそんなん期待してへんからええよ。ただ禪院が協力したって言い訳が立てばええ」

 

「チッ。まあ覚えておいてやるよ」

 

 うーん、態度最悪やね。元々五条と禪院は仲が悪いけど、悟君そんなん気にせえへんタイプやと思っててんけどな。……いや、悟君は自分と夏油君以外見下してるだけか? 

 

「うんうん。ほな帰るわ……って言いたいんやけどね。折角やからウチも護衛に加わらしてもらうで? ま、出番なんかないやろうけど」

 

「よく分かってんじゃん。弁えてるならボコさないどいてやるよ」

 

 味方なんやけどねえ。嫌われたもんやで。悲しいなぁ。

 

 

 

 それから。メイドが誘拐されるトラブルはあったものの、現代最強が出張る以上なんの障害にもなりはしない。あっさり救出を成功させ、沖縄へ。……なんで沖縄なんやろね。まあ考えてもしゃーないことやけどな。多分本州から離れてるからとかやろ。

 

 そこで行われたのは……まあ、建前を取り除いていえば思い出作りやね。沖縄観光と言い換えてもええ。悪態しかつけない以上馴染める気もせえへんかったからとりあえず空港の警備の方に回らせてもらったんやけど、こっちはこっちで悟君の後輩達がおったね。どうでもよすぎてすっかり忘れとったわ。

 

 七海君は業務上の付き合いって感じでよかったけど、もう一人の根明の方がキツかったわ。呪力って負のエネルギーのはずなのに、ああいう根明はどうやって呪力を捻りだしとるんやろね。いざという時に出力が足りなくて殺されたりするんとちゃうか? 

 

 それはさておき。思い出作りの為にギリギリまで沖縄滞在を引き延ばすってトラブルとも呼べないようなことはあったけど、護衛の最終日。高専に戻る飛行機の中で悟君じゃない方の高専生が話しかけてきた。内容としては星漿体が同化を拒んだとしたらどうするかというもの。

 

「そやねぇ……呪術界としては力づくでも天元のところに引きずるってのが正解やと思うけど……わざわざ聞くってことは違う考えがあるんやろ?」

 

「ええ。もし同化を拒否するようであれば……その時は同化はやめようと。悟と話し合って決めました」

 

「二人で決めてええようなことちゃうんやけどね。まあ一般家庭出身のキミにそんなこと言ってもしゃあないやろうけど」

 

「……では、禪院さんは同化を強制すると?」

 

「ちゃうちゃう。いや、『禪院』としてはそうせなアカンねんけどな? 悟君に勝てない以上、ウチが何言ってもしゃあないやろ?」

 

「協力してくれると思っていいんですか?」

 

「黙認、やね。ウチは星漿体の子が進んで同化してくれんのが一番やと思っとるよ」

 

「充分です」

 

 実際、もし同化を拒否して逃げ出そうとしたらどうなるんやろね。天元が許してくれたとしても、面子を潰されることになる上層部はブチ切れるやろ。そうなるとこの二人を呪詛師認定して……うん。悟君が居る方が勝つに決まっとるんやから、呪術界の壊滅やろなぁ。いや、今ならまだ領域を使える術師かき集めたら勝てるか? 使えんのは……九十九特級ぐらいちゃうか? オトンも使えへんし……ウチは使えるけど、悟君に敵対する気無いし。こう考えるとやっぱり勝ち目あらへんね。

 

 そんなどうでもええこと考えつつ一眠りしている間に東京に到着。そのまま高専の結界の内側に入って、護衛任務も一段落。後は天元のところへ送り届けるだけというところで──

 

 悟君の胸を、刃物が貫いた。

 

「──あんた、どっかで会ったか?」

 

「気にすんな。俺も苦手だ。男の名前覚えんのは」

 

「……やったら、ウチのことは覚えとるん?」

 

「ガキは女に入んねぇよ」

 

「いけずやねぇ。覚えてる口ぶりやないの」

 

『術師殺し』禪院甚爾。やっぱりこのタイミングで来るんやね。

 

 ……三千万ウチが払ったら、ウチに雇われてくれへんかね? 万が一にも殺されたくあらへんのやけど。

 

 

 




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