TS憑依禪院直哉~甚爾君のお嫁さんになれなかったから恵君を食おうと思う~   作:八握剣異常性癖魔虚羅

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みんな構築術式の使い方考えるの好きすぎじゃん。アタシも好きよ


7話目

 構築術式のいい使い方なんて結局思いつかへんかった。どうも禪院直哉です。

 

 そもそも領域展開できて宿儺とまともに戦えるレベルの術師が燃費に悩むような術式でどうせいっちゅうねん。本人の呪力量が宿儺並にあるか六眼でも持ってないと無理やで。

 

 大体こういう物を造る能力って物量で攻めるか質で攻めるかのどっちかは出来るもんとちゃうんかい。なんやねんキンケシ一個作るか特級呪具作る代わりに死ぬかって。こんなんなら純金作って売るのをコツコツ繰り返してた方がマシや。我が家は無駄に金持ちやし、山岡はんの鮎よりもカスかも分からんね。

 

 なんとかしよ思たら縛り付けるのが現実的なんやろうけど、下手なもん付けたらそれこそ役立たずのカスや。いっそ呪詛師相手に絞るんなら毒ガスでも作んねんけどな。現代兵器は呪霊に効かへんのが悩みどころや。

 

 強いて言うなら構築術式で作り出したもんは呪力を通しやすいってのがメリットなんやけど……やったら普通に呪具使うわな。『術師が使い込んだ武器』は歴史の長い上に武闘派な禪院家にはようけあるし。

 

 まあなんというか、結論から言ってしまうと、構築術式なんて持って産まれてきた時点でもう『見下され役』が決まってもうたってことやね。それもこれも現代兵器のことすら馬鹿にしよる禪院家が悪い。銃の何が悪いねん。呪具だろうが銃だろうが使えるもん何でも使って、呪霊を多く祓う奴が一番偉いに決まっとるやろうが。意外とおらんねん。同じ考えの奴。

 

「どう思う? 真依ちゃんは」

 

「……自分の才能の無さはとっくに理解しました」

 

 そやないんやけどねえ。ちなみに真依ちゃんは敬語いらへんって言っても抜けへんかった。真希ちゃんとは性格が大違いやね。

 

「構築術式なぁ……縛りを付けたらなんでも作れる利点が消える。真面目に運用したら呪力消費が激しすぎ。なんやねんこれ」

 

「すみません」

 

「ああ、いや。真依ちゃんを責めてるわけやあらへんよ」

 

 死亡フラグを立てる気はあらへんよと言い換えてもええ。変な虐めをしたせいで音MAD素材にされるのは嫌や。嗜虐心はそそられるけど我慢や我慢。

 

「いっそ真希ちゃんと一緒に身体鍛え……そんな絶望した目で見んといてや。確かに躯倶留隊に参加するのは無茶な話やな」

 

 というか刀振れるんか? この子。躯倶留隊になんか入れたら慰み者にされるのがいいとこちゃう? 真希ちゃんは出来損ないとはいえフィジカルギフテッドやから抵抗も出来るけど。取り柄のお顔が逆効果や。せめて護身の方法を──

 

「そや。銃持とうや。オトンに頼んだら手に入るやろ」

 

 こういう時知ってるって言うのは便利やね。というか本来はどういう流れで銃持つことになったんやろ。得物持ち歩くことすら馬鹿にするような家なのにな。

 

 

 

 とりあえずってことで手に入った拳銃を渡したんやけど、なんでこの子は拳銃で狙撃ができるんかいね? この方面には才能があるんかいな。ワンホールショットとか出来そうやね。

 

 

 

 

 

「や、恵君。元気にしとった?」

 

「直哉さん。……まあ、それなりに」

 

 早いもんで気づけば恵君も中学生。もうすぐ高専に入って本格的に呪術師として活動してくことになるわけやね。ちょっと前までランドセル背負ってた気するけど、子供の成長は早いなぁ。

 

「それなりでここら一帯の不良全員ボコっとるん? 全力出したらどうなってまうんやろねぇ」

 

「……知ってたんですか」

 

「有名やで。ああ、別に説教する気は無いから心配せんでええよ。なんでそんなことしとんのか気にはなるけど」

 

「別に。ムカつく相手を叩きのめしてるだけですよ」

 

「そうなん? その割に全然スッキリして見えへんけど」

 

 地雷踏んだかな? 露骨に嫌そうな顔しよる。思春期って難しいなぁ。

 

「説教はしないんじゃなかったんですか」

 

「せえへんよ? ただ悩みがあるならお姉さんが聞いたろ思て。関係あらへん人の方が言えることもあるやろ?」

 

 まあ簡単に話してくれへんやろと思っとったけど、予想はいい方に裏切られた。色々溜め込んでたんかね。

 

「俺、卒業したら呪術師ってヤツになるんですよね」

 

「まあせやね。断ってもええけど、君のお姉さんも巻き込んだ上で酷い目に会うと思うで。ウチと悟君も常に守れるわけやあらへんし」

 

「それですよ。俺は……自分が呪術師になるなんて無理じゃないかって」

 

「なんかあったん? 呪霊に襲われた……とかだったらそんな平然としてへんよな。エグい死体でも見た?」

 

「いえ、そんなことはありませんが……その、俺に人を守るなんて無理じゃないかって」

 

「ん?」

 

「悪人が嫌いなんです。更地みたいな感受性と想像力で一丁前に息をする。善人が嫌いなんです。悪人を許すことを格調高く捉えてて、吐き気がする」

 

 思春期やねぇ。ちなみにウチは雑魚が嫌いや。弱い癖に一丁前に息をしてるのを見ると吐き気がする。

 

「俺みたいな奴が呪術師に相応しいとは──」

 

「ちょい待って。もしかして呪術師に夢見とる?」

 

 考えてみれば男の子やもんな。男の子は子供の頃、日曜日の朝にヒーローに憧れるもんや。

 

「呪術師のやることなんて今の君がやってることとそんな変われへんよ? 呪霊って嫌いな奴を祓って、結果的に助かる奴がおるだけ。そんな小難しいこと考えんでええ」

 

 金の為にって言い切る呪術師もおるし。そもそも悟君からしてそんなヒーローみたいな存在ちゃうやろ。アレは強いからなんでもしてもいいの極地やね。ラスボスか? 

 

「助けたい人だけ助けたらええし、嫌いな奴が殺されてから呪霊を祓ったってええ。どうせウチらを裁く法も無いしな」

 

 まあそんな風に割り切れるなら悩んでへんのやろけど。

 

「そんなことで悩むんなら好きな人だけを助けて、嫌いな人を見捨てぇや。ウチらの天秤はウチらが好きに傾けてええんよ」

 

 呪術師はヒーローやあらへん。呪霊かて災害みたいなもんで悪人とちゃうしな。呪詛師? あんなん社会のカスやろ。人間やあらへん。悟君が産まれた瞬間大人しくなったんやから危機感知能力も動物やね。

 

「まだあと何年かあるんやしゆっくり考え。話ぐらいは聞いたるよ?」

 

「……ありがとうございます」

 

 うーん、楽しく話せたんか? これは。過去やと原作知識とか何の役にも立たないから嫌やね。羂索との方がまだグッドコミュニケーションとれそうや。目的とか色々知っとるしね。

 

 ……それにしても恵君、甚爾君に似て来たね。もっと筋トレとかしてくれへんかな? 天与の肉体に近づくまで鍛えるの大変そうやけど。

 

 

 

 

 

 とりあえず恵君が高専に行くまで適当に過ごそうと思っててんけど、我が家で少しだけ騒動があった。

 

 とはいえウチが忘れてた……というか意識してなかっただけで、原作でもあったこと。もったいぶらずに言うと真希ちゃんと真依ちゃんの高専への入学やね。

 

 真希ちゃんは高専で鍛えて次の我が家の当主になるつもりらしいねんけど……せめてウチに勝ってから行けばええのにね。なんて言えてしまうんは高専の教育機関としての役に立たなさを知ってるからか。せめて簡易領域ぐらい教えたればええのにな。ああ、でもシン・陰流ってなんかデメリットあるんやっけ。うろ覚えやね。

 

 まあオトンが結局高専行きを認めた以上誰も止められへん。形としては勘当ってなっとるみたいやけど、だから何? って話。ウチとしては好感度稼げなくなるのがちょっと困るけど。今までの交流でなんとかなってへんかね? 

 

「直哉」

 

「……真希ちゃんやん。高専行くんやってね。そんなに家が嫌やった?」

 

「当たり前だろ。むしろどうやったら好きになれんだよこんなとこ」

 

「強くなったら。あのオッサン共イキっとる癖にウチの前では大人しくなるん、見ててウケへんかった?」

 

「……それは分かるな」

 

 話せるね真希ちゃん。多分原作よりは仲良くなれたんちゃう? 

 

「当主目指すんやってオトンに言ったみたいやけど、ホントんとこどうなん?」

 

「どうって、何が」

 

「ウチに勝てると思う?」

 

 天与呪縛のフィジカルギフテッド……偽物の。本物になりたかったら一番大事な物を捨てなアカン。教えるつもりはないけど。

 

「……いつか勝つ。楽しみに待っとけ」

 

「おお怖いなぁ。ほんならウチは負けた時の為に賞品でも用意しといたろか」

 

 具体的には甚爾君の遺品。天逆鉾は悟君がぶち壊してもうたけど。

 

「ああ、あと真希ちゃん。一つだけアドバイス。他の人が居る時でええから、そのダサい眼鏡外して呪霊を見る訓練しとき?」

 

「は? 見えるわけねえだろ」

 

「見えんでもええ。呪霊以外の全部が見えれば、呪霊が見えてるのと同じやろ? 後は自分で考え」

 

 真希ちゃんは向上心あるから心配いらへんね。当主になるのは無理やろけど。どの道遺言で恵君が当主になるって決まっとるし。悟君が健在ならウチが当主やろけど……あの魔境はもうその時にならんとわからんね。

 

 ……とりあえず真依ちゃんの愚痴聞きに行ってあげよか。高専行くの完全に巻き添えやもんなぁ。双子ってホンマ難儀やで。

 

 まあ真希ちゃんはともかく、真依ちゃんは四年間の思い出作りみたいなもんやろし、ええ友達が出来るとええね。

 

 

 

 




流石に構築術式の感想個別に返信できないからまとめて
・術式反転→万ならいけたかも。真依ちゃんが反転術式を出来る未来…無い(確信)
・毒物、質量兵器の構築→呪霊に毒ガスが効くなら強そう。対人特化は呪術師の本分から外れすぎちゃう
・縛り→同一人物と見做される以上下手すると真希さんまで縛りに巻き込まれる。構築術式に限った縛りにするとしてどこまでいけるんだろ
・人間鉱山→自分がやるなら絶対これがいいけど禪院家絶対金持ちだから小金稼げてもね…自分のお小遣いにするしか

異常性癖魔虚羅的には造ったものが一定時間で消える縛りとか、特定の物しか作らない縛りとか、作る物の構造を知る、素材をある程度用意するとかの縛りとかその辺が現実的かな…って思うマコ。低級呪具と化した刀を効果持ちの呪具に構築し直すとかいけそうじゃないマコか?

本編では一応使い道考えてはあるマコけど、読者的に納得いく展開にできるかは微妙マコね…こんなん有り得んわって罵倒されたら適応に時間かかるから優しくしてほしいマコよ~
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