心配性の実力者は今日も鍛え続ける   作:大気圏突破

1 / 63
なのはシリーズにチャレンジ


トレーニングの基本は体力作り

「はぁッ……‥はぁはぁ!」

 

 まだ朝日が顔を出す前の頃だった1人の少年が一定のペースで走ってる。心拍数を確認しながら呼吸が乱れないように淡々とラップを刻み10キロ先の目的地まで向かっている。

 

「(少し遅いな)」

 

 彼の名前は『六合塚 誠(くにづか まこと)』で転生者である。サラリーマンだった彼は休みの日に上級国民が運転する暴走車に轢かれた。しかも当てられた後に再度タイヤで踏み潰される苦しみを受けて他界した。本来なら彼の死はもう少し先で天国は既に定員オーバーだった。

 

 

 

「じゃあこの世界に送るか」

 

 天界の人材不足や寿退社で魂の管理が杜撰となりイレギュラーで送られてくる魂が多く、苦肉の策として別世界に転生させるのがルーチンワーク化していた。彼以外にも更にもう1人いたので別々の世界に送り込もうとしたが名前が似ていたせいで本来の送り先とは別の世界へ間違えてしまった。

 

 

『その世界は実力が無いと死んじゃうから頑張って鍛えてね♡ byゴッド』

 

 目覚めた誠は机の上に置かれた手紙を読んで絶望した。転生モノの作品は小説サイトで読んだことがあるので事実を受け入れることが出来たが

 

「PCのエロファイルどうしよう」

 

 割とどうでもよいことでムンクの叫びのような顔を披露していた。しかし彼にとってエロは心の原動力だから男の読者がいたら理解してほしい、死後にそれを家族に見られてしまう恐怖を!

 

 

『とりあえず勝手にスキルは付与したから確認してね。ついでにアフターサービスで保険もつけておいたから』

 

・成長力∞

・魔力持ち

・四次元マンション

・命の珠×2

 

「四次元マンションってアレだよな、それに何だ?命の珠って?」

 

 アフターサービスに関する説明や記載は何も無かったので、彼はとりあえず試しに念じてみると手首に車のキーのようなものが巻きつき壁に向かって手をかざすとハンターハンターのアニメで見た光景が広がっていた。なお生活に必要な資金は手紙の横に通帳とカードが置かれていて毎月一定額が振り込まれる

 

 

「(実力が無いと死ぬってどんな世界だよ!)」

 

 四次元マンションの中で座ってツッコんでいるが彼の頭の中では明日からの行動が決まっていた。普通の転生者なら「好き勝手やるぜ!ヒャッハー」となってしまうが、こいつはA型の心配性だった。ポケモン赤・緑ではクチバジム手前で御三家を最終進化させ、PS版のドラクエ7ではダーマ神殿攻略後に主人公たちをバトルマスター・海賊・賢者の上級職にさせていた。

 

 

 

「限界まで鍛えよう!」

 

 コンビニのATMで生活費を引き出すとドンキホーテでプロテインと可変式ダンベルを買い占め四次元マンションの中へ放り込むと翌日から生き残る為のトレーニングが始まった

 

「EAAは寝起きでトレーニング後30分以内にプロテインを20グラム摂取して」

 

 生前に某筋肉芸人のYouTubeを見ていたから最低限の知識は有している。魔力・魔法よりも土台となる肉体を鍛えることを最優先にしているが決して他を疎かにはしていない、四次元マンション内でドラゴンボールのかめはめ波のポーズで魔力を溜めるイメージで集中すると次第に球体状に集まってくる

 

「波ッ!」

 

 ソフトボールサイズの魔力が一直線に飛んで壁を破壊する。自身の魔力が尽きるまで連続で行い1日に放てる数を少しずつ増やし試行錯誤しながら威力や大きさを調整していく

 

 

 

 

「今日も頑張るな誠」

「恭也さん、おはようございます!」

 

 

 丘の頂上で息を整えていると後ろから声を掛けられ挨拶をする。高町恭也はこの近くに住む大学生であり、誠と同じ学校に通う高町なのはの兄だ

 

 

「しかし小学生が朝早くから外に出るのは感心しないな」

「早寝早起きが身についているので」

「その言葉をなのはに聞かせてやりたい」

「昨日は凄い寝癖で登校してました」

 

 

 1人暮らしをしている彼にとって恭也の存在は頼もしく感じる。家族の居ない寂しさを感じる訳ではないが、相談できる年上の同性が近くにいるだけでありがたい

 

「今日も見ていくのか?」

「はい!」

 

 恭也は肩に下げていた包みを開けると2本の小太刀を取り出して素振りを行う。誠が少し離れた場所に座ったことを確認した瞬間に周囲の空気が張り詰める感覚に陥った

 

 呼吸を全く乱さずにしなやかで流れるような動作で小太刀を振るい空気を斬り裂く、目線や足の動かし方に無駄が無く洗練された太刀筋は芸術のように見える

 

 

「ふっ……はぁ!」

 

 最後は居合いのような動きで落ちてくる木の葉を十字に斬って4つの葉片となって地面にゆらゆらと落ちていった。誠は拍手をして見せてくれたことにお礼を述べる

 

 

「やってみるか?」

「剣道すらやったことないんですよ」

「何事もチャレンジだ!」

 

 練習用の木刀を1本渡されたので生前に読んだ『刃牙道』の内容を思い出し、体を液状化させるイメージで極限までに脱力をする。そして風に揺らめいて落ちてくる葉が目の前を通り過ぎる瞬間に木刀を垂直に振り下ろした

 

 

「ありゃ…外れちまった」

 

 木刀が当たる瞬間に小さい風が吹いて軌道がそれてしまい剣先は土の中に埋まってしまう。恭也は笑いながら近づき彼の頭を撫でながらフォローをして時計の方に指を向けた

 

 

「ありがとうございました!」

「遅刻するなよ!」

「妹に言ったらどうですか?」

 

 誠の姿が見えなくなったことを確認した彼は深く息を吐いた。確かに落ちてくる葉っぱを捉えることには失敗したが妹と同い年の小学生が自分に冷や汗を掻かせる程に圧を放っていたことに驚いていた。もしかしたら彼なら自身の剣技を高めてくれる存在になるかもしれない、若人の成長に期待しながら自身も家族が待つ家路に向かうのであった

 

 

 

「おはよう!ロクゴウ」

「うっす!」

「算数の宿題見せてくれよ」

「先生に怒られてこい」

 

 誠は私立聖祥大付属小学校に通う3年生で恭也の妹と同じクラスであるが交流は基本無い、男は男のグループへ女子は仲の良い面々で集まりコミュニティが形成される。なお『ロクゴウ』と呼ばれるのは六合塚(くにづか)が読み難い結果こうなってしまったが別に虐められているわけではない

 

 

 

「来週の図工では紙粘土で現代アートを作ってもらいますので、必要な材料を持ってきてください!」

 

 

 年齢=彼氏いない歴の担任による帰りのホームルームが終わりカバンを持って教室を出ていく流れに乗った彼は帰宅後のトレーニングについて考えていた

 

「(攻撃魔法のバリエーションを増やしたいな〜、あとやっぱり武器もいるだろうし)」

 

 

 現在使用出来る魔法は界王拳のように戦闘力を1.5倍向上させる身体強化と手に魔力を集束させて放つ波動拳のパチモノぐらいしか出来ない、四次元マンションが扱えるから『窓を開く者(スクリーム)』も使えると思ったがチート技は発動することはなかった。

 

 

「(リーチのある武器で攻撃力の高そうなものって)」

 

 ドンキホーテやホームセンターにロトの剣やエクスカリバーなんて置いていない、小学生が買える刃物はカッターナイフと彫刻刀が限界である

 

 

「そこの小学生!足下のボールを投げてくれ!」

 

 河川敷でソフトボールの練習をしている中学生に声を掛けられ、誠はトルネード投法を真似た投げ方でミットの中に目掛けて投げ込むと帽子を取って礼の挨拶をしてくれた

 

 

「(そうだ!金属バットはどうだ?)」

 

 振り回すことに優れ刃物相手に引けを取らない、ましてや小学生が店で購入しても違和感は抱かれない代物である。カバンを『四次元マンション』の中に放り込むと駆け足で目的のモノを探しに行くのであった




原作アニメをやっていたのが20年以上前なんですよね
7月からもアニメがやるし楽しみだ

感想おまちしてます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。