『剛の秘打法”覇竹”』
誠が転生する前に愛読していた野球漫画の主人公が愛用していた技で、投げられた球がミットに収まる直前までボールを引き付けて超速で振り抜くことであらゆる変化球に対応できる。本来は軽い木製バットで扱うが釘バット化しているので金属バットを用いている
「まずは1匹!」
吹き飛ばされた場所はボウリング場で周囲にはピンやボウリングの玉が散乱している。激突の前に大型犬のようなシルエットが見えた。多分ロリっ子の仲間だと思われる。向こうはこっちを敵として認識している
「(せめてタイマンに持ち込まないとアカン)」
無論1対1に持ち込んだとしても勝てる見込みは低い、ケモ耳ボインちゃんとの戦闘からレベルアップしているとはいえ相手の能力は未知数だ!しかも興味が沸かないロリっ子である。
「(”話し合いで解決しましょう”ってあるが無理だよな、綺麗事で全部が解決したら戦争なんて起きない)」
頭の中で生き残るための戦闘プランを組み立てる。五体満足で帰ってプレシアの作る晩御飯を食べて寝るんだ!出来れば今日も一緒にお風呂を…
本能と煩悩が1つとなり全身に喝を入れる。右手に持った金属バットを強く握り締めると空に浮かぶゴスロリ娘を強く睨み付けた
「…っは?」
突然のことに驚いた!瓦礫に沈む対象にシュワルベフリーゲンを打ち込んで反応を確認しようとしたが気付いたときには隣にいたザフィーラが吹き飛ばされていた。
「(砲撃魔法?……違うあたしのヤツを打ち返しやがった!)」
昨晩より楽に終わると思っていた。管理局側に気付かれる前に仕留めて対象から魔力を奪うつもりで不意打ちを仕掛けた。しかし倒れているのは仲間のザフィーラだった
「ふざけやがって」
やがて激昂と叫び怒髪天のように怒りを露にすると、空に浮かんで睨みつけてくる少年を見下ろした。今度は手加減なんかしない早く終わらせて優しい主の作るご飯と食後のアイスが待っている
「あれがデバイスか」
浮遊するチビっ子の持つハンマーを見つめていた。プレシアの授業で大まかなことを理解していたが彼はそれを所持していない
「(魔導士と呼ばれる奴等はデバイスに依存している。つまり壊すか手放させるだけでも無力化が出来るはず)」
「オイ!テメェ、あたしを見くびっているのか?」
「あいにくチビロリは対象外なんだよ!バスト85以上かヒップ90以上になったら襲ってきな」
「んだと!テメェもあいつ等みたいな胸が…」
どうやら身体的特徴を揶揄されて怒っているようだ。大きな胸に包まれたいが小さい胸を包む趣味は持ち合わせていない、尻だって揉み心地がなければ存在価値などない、しかもただ大きければ良いという訳ではなく脂肪と筋肉の黄金比6:4が彼の好みである。クーパー靭帯が切れてダランとした胸に下半身は熱くならない
「それで何の用だ?ツルペタ娘にいきなり襲い掛かられる覚えは無いんだけど」
「…ツルペタ」
普通に悪口だが案外効果がある。頭に血を上らせて冷静な判断をさせないつもりだ!それに誠のボキャブラリーは豊富にある。自慢じゃないが口喧嘩と屁理屈は得意分野だ
「なぜデバイスを出さない?」
「持ってないんだよ!ペッタン娘」
少女と同じ位置まで上昇し見つめ合う。怒りに満ちた顔で冷静さを失っているように見える
「お前も白い奴の仲間か」
「半年前にも聞かれたが誰だよ白い奴って?」
「まぁいい、テメェの魔力をいただくぜ」
「(魔力をいただく?いったい?)」
聞きなれないことに思考が鈍り距離を詰められてしまった。振り上げられたハンマーをアッパースイングで対処するが加速と体重が加算され押し負けている。ヤクザキックで間を開けようとするが反転されて躱された
「(薬莢?あのハンマーって銃みたいなことも出来るのか)」
排出されたモノを見て舌打ちをした。恭也が口にしていたことだが”思考外の攻撃”に気を付けろということを思い出していた。近接戦闘ばかり気をとられると視野が狭くなってしまい予想外の攻撃に対して後手を踏むことになる
「(あの大型犬が復活したらヤバいな、コンビネーションで迫られたら2対1より厄介だ!……?大型犬ってことは)」
金属バットを取り出した時にもしもの為にポケットの中に入れていたモノを確認した。常人でも泣き出してしまうほど辛い拷問だ!例え異質な存在でも嗅覚の優れる”犬”なら
「あいつザフィーラを」
高度を下げた獲物を見て彼女は奥歯を強く噛んだ。視線の先には未だに地面で伸びている仲間がいる。トドメを刺すつもりか人質にする可能性がある。本来なら倒れているザフィーラから距離をとって戦闘するつもりだったが頭に血が上っていたせいで見落としていた
しかし焦りの顔は笑みに変わった。思念通話で彼が倒れているフリしているのが伝わった
「(俺が取り押さえる。その隙に)」
「(分かった)」
「やめろー!」
我ながら酷い演技だ。アイゼンの方がもっと上手く話せるが仕方がない、わざと追いつかないフリで接近しながら蒐集の準備を始める。あとはザフィーラがやってくれるのを…しかし
「ああああああっぐぅ‼!??%&$あががg」
突如としてザフィーラが苦しみ呻きだした。獣から人型になり手で顔を押さえて地面をのたうち回っている。足をばたつかせ必死の形相を浮かべ何かを訴えようとしているが口から泡を噴いてしまい白目を剥きだした。思念通話に雑音のようなノイズが流れ込み頭痛がする。
「あっぶね~こいつ変身するのか」
鼻を摘みながら素っ頓狂な声をあげている奴を見て頭の血管がきれた彼女は突撃しようとするが
「時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ!昨日に引き続き今日も現れるとは、武装を解除して投降しろ!」
「ちっ……こんな時に」
目の前には忌々しい管理局の人間にシグナムと戦っていた金髪が使い魔に抱き寄せられる形で浮いていた。獲物を仕留めることが出来なかった苛立ちに仲間を倒された怒りが心を支配する
「アイゼン!」
近くある壁を叩いて閃光魔法を発動して逃げようとするが
「
自身の手元にあった相棒が見えない力に引っ張られ奪われてしまった
「これがデバイスなんだゲートボールのハンマーみたいだな」
「返せ!それはあたしの」
「(退くぞ!)」
意識を取り戻したザフィーラからの思念通話が入り彼女を抱き寄せて目眩ましの魔法を発動し結界を解いて逃亡した。乱入してきた面々は佇む誠を見つめていたが1匹だけ敵意を剝きだしている
「シュールストレミングって万能兵器だな!犬なら効果抜群ってことか」
彼はザフィーラにこれを嗅がせるつもりだったが、相手が目を覚まして襲ってきたので投げつけて魔力弾をぶつけて中身を飛散させた
「しかし上手くいったぜ」
その手にはゴスロリ娘が使っていたデバイスのハンマーが握られていた。鍔迫り合いをしていたときにバットと接触していた部分に纏わせていた。相手からはそれが見えないのだ!プレシアとの特訓で『バンジーガム』に限り視覚のON/OFFが出来るようになった
彼はそれを『四次元マンション』の中に入れると自身も中に入ろうとしたが
「貴様!よくも」
「あらお久しぶり」
かつて自分を襲ってきたボインちゃんが再び牙を向けてきた。しかし誠にとってそれは0.75倍速程度に過ぎなかった。人外と呼ばれる高町家のバトルジャンキーたちと鍛練を積めば自身もまた人外に近づく
自分に迫ってくる拳にカウンターを入れながら時折アッパーを叩き込むフリをして胸の感触を確かめる。半年前まえより柔らかさが増している
「てめぇ、また」
「遅いよ」
脚に魔力集中し一気に爆発させると、彼女の背後に回って肩から先をダランと脱力させて尻を鞭のように振り抜いた。本家には全然劣るが空道の『鞭打』で、もちろんインパクトの瞬間にヒップを揉んでいる。もちろん合格点だ
「アルフ!」
「そいつを捕まえろ重要参考人だ!」
視線の先にいる男女がそれぞれ声をあげる。自分を捕らえてどうするつもりか?というより男の方を見て誠はイラついていた
「(女に命令して高みの見物…クソ野郎が)」
かつて自分の上司は成功すれば手柄を独り占めにして失敗は他人に押し付けてきた。顔や姿は違うが彼にとってダブって見えてしまう
「捕まえたよ!」
ベアバッグで拘束され背中に胸の感触が伝わる。もちろんワザとだ!押し付けられる2つの丘は変形しながら先端の突起も同じように存在感を示している。たっぷり感触を味わった彼は身体強化で抜け出そうとすると自身の周りに青色のリングが現れたのが見えたが
「抜けただと」
「拘束魔法ってやつか、野郎に縛られる趣味なんて持ってないんだよ」
力任せに一気に抜け出して黒服を纏った男の前で”ウゲ~”っと声をあげながら舌を出している。下ではボインちゃんが縛られ金髪の女の子が近寄った
「同行してもらおうか」
「拒否権は?」
その質問に彼は無言で機械的な杖を構えて再び誠を捕縛しようとしてきた。もし彼等が好戦的な態度を取らずに今回の出来事を誠に伝えていたら話ぐらいは聞いたと思う。アルフと呼ばれたボインちゃんが襲ってきたことで状況は最悪な方へ向かってしまう
「スティンガーブレイド!」
魔力で編まれた無数の刃が四方八方から襲ってくる。誠はそれをフィギュアスケートの選手のように回転しながら避けて金属バットで数発打ち返した
「こいつ滅茶苦茶な」
「俺と同じぐらいの小学生なのに凄いね」
「僕は14だ!」
どうやら彼の地雷を踏みぬいてしまったようだ!顔を真っ赤にさせて怒り突進しながら杖を振ってくる。カウンターで応戦するようにバットを振り上げるが粉々に砕けてしまう
「なっ」
「ブレイクインパルス…振動を送り込むことで対象を粉砕する。さぁ大人しく」
「管理局の執務官パンツって意外に地味なの穿いているな」
「っえ?」
その手には見慣れたズボンが握られていた。そして下半身がやけにスースーするのは何故だろう?恐る恐る視線を下げると肌色が見えている
「ほほ~剃っているわけじゃなくて生えていないのか」
「うあああああAAAAあああぁぁぁぁぁ!」
下半分がスッポンぽんで前も後ろも露出している。前を押さえれば尻が目立ち後ろを隠せば大事なモノが見えてしまう。
「そんな汚いものを女の子たちの前で見せつけるなよ気持ち悪い」
「かっか…えせ!」
「いいよ!受け取りな」
ズボンとパンツがバラバラに宙を舞った彼は急いでキャッチしようとして誠から視線を外してしまった。そしてその瞬間に負けることが確定した
”パンッ!”
先にズボンを掴んだ彼は自分の股間に何かが当たったことに気付いた。しかし衝撃による痛みは無い、感覚的にはゴムボールような柔らかいモノが当たったが次第に熱を帯びるように熱く…そして
「!#%%&%%アッaaakuががっがくアツっがああああああ」
まるで熱せられた火が大事なモノをバーナーで炙ってくるような……いや違う、風に舞った香辛料が目に入ったような痛みに襲われている。涙を流し空中で叫びながら持っていたズボンが落ちてしまい手を伸ばそうとするが全く届かない
「戻れ!」
ポケットの中に手を入れていた誠が手のひらにボウリングの玉を乗せていた。ヴィータに吹き飛ばされた時に使えるかもしれないと思って『縮小』を使って入れていたモノである。しかしそれを投げつけるのではなく手のひらを逆さにして落としてしまった。誰もが変だと思った瞬間
「
その言葉と共に落下していったボウリングの玉が高速で上昇し……
”ゴチン!”
「あっ!」
露出して真っ赤に腫れあがった彼の下半身にある大事な…それは男にとって大事な大事なモノに直撃した
「珠金剛散弾の戦法ってね」
これを見ていた男性局員は全員自身の股間を押さえるのであった
珠金剛散弾の戦法については次話ぐらいで説明しますが、アレの亜種です
感想ありがとうございます(おまちしてます)
お気に入り登録もありがとうございます