心配性の実力者は今日も鍛え続ける   作:大気圏突破

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昨日の夜10時以降のグラフの伸び方とお気に入り登録でビビった

本当にありがとうございます


次回…仮面の男けっこうヤバイことになる

「なんで?ロクゴウ君が」

 

 少し時計の針を戻そう。アースラの医務室でモニターを凝視する高町なのはの目には信じたくない光景が映し出されていた。昨晩に自分を襲った紅い服を着た女の子がクラスメイトを攻撃していることもそうだが、彼が自分と同じように魔法を扱っていたことだ

 

 既にクロノと友達が使い魔と共に救援の為に現場に向かった。しばらくすれば彼もここに訪れるだろう。その時にジュエルシードのことを聞こうと思っていたが

 

 

「アルフさん!クロノ君!」

 

 

 いきなり使い魔が誠に襲い掛かりクロノも杖を向けたことで戦闘になる。しかし執務官の彼なら上手くやってくれるだろう。荒事なら自分よりも経験豊富である。だけど現実は違った

 

 モニターにはクロノの無毛な下半身がアップで映し出され彼女は赤くなりながら手で目を覆った。そしてリンディ艦長が誠に話し合いの場を持ち掛けるが決裂してしまい

 

 

「フェイトちゃん!」

 

 大切な友達が連れ去られてしまった。慌てた彼女はすぐに医務室から飛び出そうとしたが医師に止められてしまい結局のところリンディと話せるようになったのは連れ去られてから3時間以上過ぎた後だった

 

 

 

「クラスメイト?」

「はい…それにロクゴウ君は残りのジュエルシードを持ってます。だから行かせてください!」

「なんですって!」

 

 彼女から聞かされた事実にリンディは立ち眩んで傍にあった白い緑茶の入った湯呑みを落としてしまった

 

 

「なのは住所を教えてくれ、すぐに部隊を」

「いけません!」

「艦……ちょう」

 

 股間に氷嚢を当てながらガニ股で迫ってきたクロノは自身の案を却下され詰め寄ろうとするが声と足に力が入らない

 

 

「先に手を出してしまった無礼を犯し、あまつさえ住処に武装した局員を送り込んでしまったらフェイトさんは確実に無事では済まないでしょう」

「そんなフェイトちゃんが」

「向こうの要求通りに従います。手を取り合うことが不可能でも敵対しない状況が必要です!」

「ですが……相手はジュエルシードを!」

 

 なおも食い下がろうとするクロノに彼女は

 

 

「ハラオウン執務官!何故あなたは彼に杖を向けたのですか?戦闘映像でも話し合いの余地はまだあったはずです」

「か……母さん」

「アルフさんが襲い掛かって彼がこちらに猜疑心を浮かべるのは当然のことですが、先に頭を下げていれば痴態を晒すことは無かったのでは?」

 

 

 下半身に人差し指を向けていた。息子に罪を擦りつける訳ではない。戦闘後に自分が降りていたらフェイトは人質にはならなかった。もしかすると心の底で指摘されたように見下していたのかもしれない

 

 最初から自身が顔を出して交渉していれば違った未来があったはずだ!手札は揃っていたのに使い方を見誤ってしまい最悪に陥っていた。なら責任者として尻を拭く必要がある

 

 

「話し合いの席には私1人で向かいます。全員アースラで待機!これは艦長命令です」

「リンディさん」

「なのはさん…フェイトさんを助けたい気持ちは十分に理解してるわ、私のことを信じて!」

 

 ゆっくり頷くなのはを見て安心した彼女は謝罪に必要な品を揃える為に局員をデパートに向かわせた

 

 

 

 

 

 

「…母さん」

 

 フェイト・テスタロッサの頭の中はぐちゃぐちゃで思考が纏まらなかった。目の前には時の庭園で虚数空間の闇に落ちたプレシア・テスタロッサがエプロンを身につけて立っている。自分は夢を見ているのだろうか?きっとそうだ!クロノが泣きながら下半身を露出して負けてしまったんだ

 

 彼女は夢から目覚める為に思いっきり頬を引っ張ったが

 

「いふぁ…い」

 

 痛覚が生じ現実であることを教えてくれた。赤くなったところを押さえ涙目になりながら頭を抱える母親のことを見つめていた

 

 

 

「(どうしてこんなことが)」

 

 頭痛薬と胃薬が欲しい!出来ればアルコールで流し込みたい、アリシアと一緒にアイスを食べている弟子に軽く視線を向けて深い溜息を吐いた

 

 

「フェイト……その」

 

 二の句が継げなかった。彼女を道具のように扱って見放していたのにフェイトはそれでも自分に笑ってほしかった。幸せになってほしかったと告白してくれた。しかし闇に落ちる前に手を掴むことが出来なかった。そして今の自分はどうだ?

 

 弟子の持っていたロストロギアのおかげでアリシアは息を吹き返し、残っていたジュエルシードを使って不治の病が治った。本来は誠が自身の為に使わなければいけないのに私たちの為に使ってくれて止まっていた時計の針を進めることが出来た

 

 

「(気付くのが遅かった……だけど今は!)」

 

 プレシアはフェイトを抱きしめた!

 

「かっ母さん?」

「ごめんなさい、許してほしいなんて思わない…だけど謝らせて!罵ってくれても構わない、だけど頭を下げる赦しをちょうだい」

「許すも何も私は母さんの”娘”だから」

「……ふぇいと」

 

 涙を零し娘を強く抱き締める。彼女が自分の幸せを願ってくれたのならプレシアはフェイトが笑顔になる為に全てを捧げると心に誓った

 

 

「アリシアってお姉さんがいたんだね」

「いないよ!だってママに”妹がほしい”って言ったもん」

「年上の……妹?」

 

 彼の頭の中では顔がアンパンのヒーローに出てくるメロンパンとロールパンの姉妹が思い浮かびテスタロッサ家が複雑な家庭なんだと感じてしまった

 

 

 

 

「あなたは管理局の人間という訳ね」

「嘱託魔導士として」

 

 四次元マンションの外で4人は食卓を囲んでいた。なお外部に存在がバレないようにプレシアが遮断魔法を発動し管理局側がフェイトの魔力を探知出来ないようにした。『四次元マンション』を見て開発したのだ!そして彼が2人を治したことを知ると

 

 

「ごめんなさいアルフが2回も」

「しかしこれを集めていたとは……ちょっと待てまさか高町なのはも」

「なのはを知ってるんですね?」

 

 あの時に自分の作品を持ち去ろうとした意味を理解した。向こうはこっちのことを一般人だと思ってる。確かにこんなモノ持っていてはいけない代物だ

 

 

「あいつのことだから今から突撃して来るんじゃないか?」

「今のところ探知には引っ掛かっていないわ」

「ところでアリシアは姉・妹どっちになるの?」

「…えっ?」

 

 ハンバーグのソースで口の周りを汚す彼女を見てテスタロッサ家の2人は歪な家族構成について誠に説明をするのであった

 

 

 

 プレシア・フェイト・アリシアは3人で湯船に浸かっていた。フェイトの過去や時の庭園での出来事を伝えると戦闘の疲労もあって誠は頭から煙を噴き出してソファの上に寝転んだ

 

 

「(家族か)」

 

 離れて暮らすより3人が一緒に過ごせるのが良い、フェイトの話ではプレシアたちは書類上死亡扱いになっている。あっちの法律は分からないが死んだ人間を裁くのは文明社会ではタブーだ

 

 艦長と呼ばれた人と上手く交渉出来るか?管理局にとって最低限は自分と敵対しないこと、最高は戦力として引き入れること、手持ちのカードは自身とジュエルシードに奪ったデバイスである。馬鹿正直に3つを差し出して“プレシアたちの身分や生活を保障”してほしいと頼んでも反故される可能性もある

 

「(出たとこ勝負は嫌だな)」

 

 浴室から出て来た上半身に何も身につけてないプレシアの胸に、自身の使っていたタオルを巻きつかせて下着姿のフェイトが叫んでアリシアが笑っている。もしフェイトが成長したら母親のような際どいファッションで空を飛ぶのを妄想しながら恭也に明日休むことを伝えるのであった

 

 

 

 

 

 土曜日の朝、高町なのはは陽が昇らない時間から外に出て待っていた!リンディ提督が彼の家に向かうことを禁じたのなら、トレーニングに訪れる場所で待ち伏せれば良いと短絡的に考えていた。家族の誰よりも早くに起きて音を立てずに外に出て寒空の下でベンチに座っていたが、誰もやってこない

 

「(お兄ちゃんも来ないなんて)」

 

 彼女は知らない。今日が休養日になったことを…高町なのはは知らない。自分が無意味な努力をしていることに……そして悲観する。近くのトイレが故障していることに気付くまであと30分

 

 

 

 

 

「5分前か」

 

 パイプ椅子に座る誠は携帯の時計を見て訪れた女性のことを見ていた。彼は指定された時間の20分前に到着している

 

「フェイトさんは?」

「無事だ!話し合いが終わったら返す」

「今ここでは………無理でしょうね」

 

 その言葉に誠は頷いた。彼は『四次元マンション』からもう1つパイプ椅子を出して座ることを勧めたがリンディは拒否をして立ったままだった

 

 

「それで何を聞きたい?1時間ぐらいで終わってくれると助かる。見たいアニメがある」

「まずは無礼をお詫びします。至らぬ息子のせいで不快な思いをさせてしまい申し訳ありません」

「別に構わない。弱い者イジメをした自覚もあるし」

 

 息子であり部下の執務官を弱い者と言われて唇の端を強く嚙んだ彼女は一瞬だけ険しい表情を浮かべるが元に戻す

 

「高町なのはさんをご存知ですね?」

「クラスメイトだ。その辺はフェイトから聞いている。もちろん集めていたモノも」

「ジュエルシードを渡していただけないでしょうか?あれは危険な代物で管理局が」

「落とし物には謝礼が必要では?」

 

 少し魔力を放出し威圧するが彼女はたじろぐことなく誠のことを見つめている

 

「なにをお望みで?」

「欲しいモノは特にないよ、デバイスだって手に入れた」

 

 主導権は渡さない!場を支配するのは自分であること、ここからは転生前に培った経験が頼みの綱である

 

 

「あの騎士たちは危険な存在です。私たちと協力関係を結びませんか?」

「俺より弱い奴が部下なのにか?」

「ですが!」

「………伏せろ!」

 

 

 

 彼女の叫び声が夜空に響いた瞬間だった。突如として2人のいた空間に砲撃魔法が打ち込まれた。彼はリンディの前に立って全てを防ぎ上空を見上げると仮面を装着した人物が浮かんでいた

 

「誰だ!」

「貴様には知る必要のないことだ」

 

 

 自分に対して敵対心を持っているみたいだが後ろにいる彼女にも攻撃をしてきた。彼の頭の中ではアレがゴスロリ娘の仲間であることを認識し臨戦態勢になると

 

「入ってろ!邪魔だ」

「えっ!ちょっと」

 

 リンディの魅力的な尻を押し込んで『四次元マンション』の中に放り込んでしまった。釘バットを構えると仮面の男に対してヘッドを向けて言い放つ

 

 

「部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする心の準備はOK?」

 

 

闘争の始まりだ!




四次元マンションで一緒に逃げれば良いじゃんというツッコミは無しでお願いします

タイトル通り次話はCV檜山さんの仮面の男が悲惨な目に遭います

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