心配性の実力者は今日も鍛え続ける   作:大気圏突破

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なのはシリーズの年表を読み間違えてしまって、ゼスト隊の壊滅が原作よりも2年後になってますので許容していただけるとありがたいです

しかしフェイトやなのはの階級(ストライカーズ編)高くない?


ルーテシア・ナカジマ誕生

 地球を離れ13歳で時空管理局へ入局した誠は研修を終えて地上本部の武装隊へ配属された。今までの戦闘経験や魔力量にスキルの有用性を踏まえていきなり『一士』として扱われることになった。本来なら海である『次元航行部隊』への配属が既定路線だったが、海側の上層部が陸の口を封じる為に地球からやってくる魔導士の中から彼を人身御供にしたのである。

 

 云わば高ランクの魔導士を提供するから余計な口出しをするな!という無言の圧力ではあるが、陸側も喉から欲しがっていた能力に長けた魔導士を得られたことに満足している

 

 

「うぬよ!今日は休みであろうな」

「遊びに行こうよ!今日は鈴木爆発の発売日だって」

「お疲れのようですね。休養することを提案します」

 

 

 当然のようにレヴィたちも彼と一緒に移住し周囲を飛び回っている。『四次元マンション』の中で好きに暮らしながら有事のときは手伝ってもらっている。隊でもマスコット的な人気を集め特にディアーチェに罵られたいという変態が多い

 

 

 

 

「しかし何故こうも荒れておるのだ?管理局は無能の集まりか」

 

 地上の犯罪率は高く毎日のように出動要請のアナウンスがスピーカーから流れる。しかも現場で動ける人材が足らず、誠のように単騎で他者を圧倒出来る局員に著しい負担が圧し掛かる

 

 

「今日ぐらい暇で終わってほしいよ」

 

 流石に13歳の未成年に連続勤務を押し付ける罪悪感は持っているようで休みを与えられたが、ワーカホリックだったせいで休みの使い方が下手になっている

 

「僕知ってるよ、それってフラグだって」

 

 天真爛漫な笑顔で板チョコを食べるレヴィは自信満々で知った知識を披露した瞬間に緊急のアラートがデバイスから鳴り響く

 

 

「ジャックさん繋いで」

【着信拒否にすることも出来ますよ!】

 

 素敵な提案だったが良心が勝ったことで通信画面を開くと目の下に濃い隈を作ったオペレーターが顔を出した

 

『六合塚一士…出動要請です』

「今日は休みなんですが」

『近くで動けるのは一士だけなので…すいませんが』

 

 休日でも呼び出されることが多々ある。申請すれば振替休日となって特別出動手当が給料に加算されるが使う暇がない、ブラック労働ここに極まれりである

 

「内容は?」

『首都防衛隊のゼスト隊からの応援要請になります。死傷者多数で現在も増え続けています』

「ゼストって…あのストライカー級のゼスト・グランガイツ?」

 

 面識こそないが世間に名の知れた魔導士で市民からの人気は高く実力者である。そんな彼の部隊が苦戦すると到底思えなかった

 

『現場までの飛行許可は下りました』

「医療班の待機とクラナガン総合病院に話を通してください」

『了解!』

 

 

 モニターを消すと3人を『四次元マンション』の中に収容し、街中で変身すると地面を蹴り上げるように上昇し彼等は現場に向かった

 

 

 

「酷い有様だな」

「死の臭いで溢れてますね」

 

 たどり着いた現場は悲惨としかいえない状況だった。あちこちから煙が上がり倒れている局員に呼びかけるが返事がない、彼が降り立つと責任者らしき人が近づいてきた

 

「緊急出動に感謝します」

「ゼスト隊長は?」

 

 その言葉に彼は声を出さずに首を横に振る。帰還していないということは最悪な事態に陥った可能性であることを示唆している

 

 

「突入して中間地点を作ります。救護班を送り込んで生存者を救い出します」

「既に人員の選定は終わらせました!」

 

 取り残された隊員の救出と医療施設への輸送をこなさなけばならない

 

 

「ディアーチェ!」

「分かっておる」

 

 彼は『四次元マンション』からディアーチェを呼び出すと体内に入り込んで融合した。彼女に広域探知(HUNTERXHUNTERの円のようなもの)をしてもらい生存者を探す

 

 

『死体は後回しだ!』

【マスター準備完了です】

 

 突入した彼は複数の入口を作り局員たちを中に搬入する。彼は加速し更に奥まで進むと両腕にタイヤのようなグローブを装着した女性を発見した

 

 全身から出血し右腕は明後日の方向へ折れ曲がっている。心音と口から呼吸音が聞こえるが予断を許さない状態だ!

 

「ギン…ガ、スバ……ル」

 

 誰かの名前をうわ言のように口し、彼は簡易的な応急処置を行い『四次元マンション』の中に入れて駐留している救護スタッフに対応を頼んだ

 

『我々の求めている反応は存在しない!撤退するぞ』

「了解」

 

 もう生存者は存在しない、戻った誠は重傷を負った隊員たちを総合病院まで輸送し最悪な休日出勤を終わらせるのであった

 

 

 

 

 翌日は午後から出勤し、前日の報告書を上司に提出すると別室に案内された。そこには初老の男性が座っていて彼に気付くと立ち上がり

 

「家内を救っていただきありがとうございます!」

 

 

 時空管理局陸上警備隊のゲンヤ・ナカジマ三等陸佐は深々と頭を下げて誠に礼の言葉を述べた。どうやら最後に救った女性局員の旦那さんのようだ

 

 

「迅速な処置と素早い搬送のおかげで、一命を取りとめることが出来て娘たちも安心しています」

 

 彼の奥さんを助けた時に口にしていた2つの名前は娘のことだった。あんな状態でも子を思う気持ちに親の偉大さを知る

 

 

 

「こんなところで言葉を述べるよりも奥方の傍にいるべきであろう。何歳か知らぬが子供たちだけでは不安に陥るぞ」

「ユニゾン……デバイス?」

 

 肩に乗っていたディアーチェが彼に対して率直な感想を口に出していた。ユニゾンデバイスを目にするのは初めてなのか驚きの表情で見つめている

 

 

「家長であるべき者はどっしり構え家族を安心させよ!それが貴様の使命であろう」

「ディアーチェ!」

 

 王たる威厳を示し偉そうな態度をしているが、根底は家族の為に不安な顔を作らず笑顔を見せて生きていることを実感させよ!というメッセージである

 

「おっしゃる通りで」

 

 彼は再び頭を下げると部屋から退出し、奥さんと子供たちがいる病院へ向かった

 

 その後のことは上司から伝えられたが、奥さんのクイント・ナカジマは負傷の度合いが激しくリハビリをしても前線の復帰は難しいようで引退を余儀なくされ、彼女はゼストと共に帰還することが出来なかった同僚の娘を引き取った

 

 また今回の任務にて昇進が決まり給料も上がった。しかし人手不足は解消されず忙しい日々が続くが、彼のデスクにはクイントの子供たちから贈られた折り紙のメダルが置かれるようになった

 

 

 

 

 

『稀代のエース!六合塚誠』

 

 ゼスト・グランガイツ隊の壊滅で、暗い話題の尽きない地上本部だが彼に代わる護り手が誕生した。八面六臂の活躍で事件解決や人道支援や災害救助の現場に現れ『四次元マンション』というレアスキルで人々を救う姿に市民は期待を寄せている。先日行われた首都航空隊のティーダ・ランスター空尉を含めた7対1の模擬戦にも圧勝し、これからの活躍に目が離せない

 

 ただ15にも満たない少年には苛烈な労働環境は酷であり、上層部も頭を悩ませているようだ!優秀な魔導士が次元航行部隊に流れる状況を顧みて環境改善や新たな人材登用・技術革新が行われることに期待したい

 

 

 

「…ロクゴウ君」

 

 中学の制服に身を包んだ高町なのはミットチルダで発行された週刊誌に目を通し溜息をついた。周りのせいで予定を早く繰り上げた彼の活躍は魔法少女たちの耳に入ってくる。家族に誠が頑張っていることを伝えたら喜んでいたが作り笑顔であることがバレバレだった

 

 特に親しかった恭也は”今度いつ帰ってくる”としつこく聞いてきた。任務で管理局に訪れたときに彼のいるところまで足を伸ばしてみたが多忙で会うことが出来ず、通信をしても繋がらないことがある

 

 

「こんなところにいたんだ」

「フェイトちゃん」

 

 吹いてくる風が彼女の髪をなびかせて金色のロングヘアが揺らめく、なのはの隣に座った彼女は持っていた週刊誌に目を落として大体のことを理解した

 

 

「頑張っているよね…誠は」

「うん」

「アリサたちも会いたいって」

 

 彼の移住にバニングスは怒髪天を衝くレベルで激昂したが、月村が手刀でうなじを叩いて鎮静化させた

 

「あのね…母さんのところに毎週メールが届いて元気に暮らしているのは分かるんだ」

「プレシアさんに?」

「うん、少し前に私だけの任務があったでしょ?そのときに母さんが大量に作った料理を持たせて届けたときに顔を合わせたけどレヴィたちも元気だったよ」

「会えたんだ…フェイトちゃんは」

 

 

 離れても師弟の絆は強かった。彼もプレシアの言うことなら素直に頷き、家族として過ごしてきたアリシアのお願いに耳を傾ける。フェイトとの付き合いは2人に比べると短いが心を許している

 

 別に線引きやランク付けをしている訳ではないが、無意識に高町家や月村にバニングスと距離を取っている状態だった

 

 

「フェイトちゃんの方から頼んでみてくれない?」

「帰ってこれるかな?シグナムやはやての話だと申請が通らない可能性があるって」

「そうなんだ」

 

 周りが彼に依存してしまい積もっていたものが許容範囲を超えてしまった。魔法は便利だけどそれだけに頼ってしまった。

 

 甘えてしまったことを謝りたい!彼女の場合はチャンスに恵まれているが魔力を持たない面々が彼に頭を下げて言葉を述べる日はやってくるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして誠は

 

 「(圧迫祭りだ!)」

 

 ソファと女性の尻の間に顔が挟まれていた

 




年表を読み間違えてすいません(土下座)
ゼスト隊の壊滅って、なのはが撃墜された時でした
クイントさんは生存ですが前線を退いてルーテシアを家族として迎え入れました
つまりキャロは…(ストライカーズ編になると良い具合に暗黒成分が煮詰まるので)


原作にある「質量兵器一切の破棄」の文面の理解が難しくて、知恵袋を漁っていたら「火薬や化学など魔力によらず大量破壊を生み出す兵器」とあったので

例えばドリル(ストライカーズで洗脳されたギンガが使っていたもの)を魔力で駆動させて回転のダメージで相手を昏倒させるならOKという認識(殺傷設定のON/OFFが出来る)で良いですかね?ちょっと地上の戦力不足を解消させようと思います


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