心配性の実力者は今日も鍛え続ける   作:大気圏突破

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スカさんの中身改変されているような気がする
前回も多くの感想ありがとうございます


変態が語り合う世界の未来

 ゲンヤ・ナカジマ三佐が副隊長に就任してから細々な出動があり機動六課の落ちた信頼も僅かながら回復した。全体をまとめる八神はやては自身の考えを彼に述べて指摘されたところを改善しながら成長しているが、スライムがスライムベスになった程度であり道は長い

 

 なおスバルは勤務時間中に『副隊長』ではなく『父さん』と口にしてしまい、彼と自宅に忘れた愛妻弁当を届けにきたクイント・ナカジマからのダブル拳骨を食らいノックアウトした。ルーテシアが木の枝でつついていたが起き上がることはなかった

 

 

 

 

「チーズケーキとモンブランにコーヒーはブラックで」

「かしこまりました!」

 

 監視官の誠は休みを取得していた。前回のレリック事件からの対応もあり勤務が続いていたのでジャックドールのフルメンテも兼ねての休日になった。『四次元マンション』に住むディアーチェたちにも暇を与え久々の1人である

 

 行きつけの喫茶店でお気に入りのメニューを頼むのが彼のルーティンだった。書店で購入した週刊誌に目を通していたら

 

 

「すいません!遅くなりまして」

「休みだから問題無い」

 

 彼の対面には管理局を懲戒免職処分となったグリフィス・ロウランが座った。髪の毛は整えられいるが最後に会った時よりも頬はゲッソリとしている

 

「あれからどうしてる」

「貯金を切り崩しながらアルバイトを探しているのですが」

 

 懲戒免職の文字がデジタル化された履歴書に残っているので職にありつくことができない、管理局で准陸尉を務めていた人物がラーメン屋の店員や刺身の上にタンポポを乗せる仕事に従事できるとは思えない

 

「八神は何もしてくれなかったのか?」

「寸志の形で包んでくれましたが…生活するには」

 

 自分で蒔いた種が原因で、後見人の息子の人生を潰しているのに金だけとは地球の恥を晒しているようで頭が痛くなる。今回はそれを見越してグリフィスのことを呼んだのだが

 

 

「秘書の仕事はできるよな?」

「一応…最低限のことは」

「それなりに顔は広いから、求めている知り合いがいる」

「いいんですか?でも」

「構わん六課の事情を知ってる人だ!問題無い」

 

 その言葉を聞いて彼は深々と頭を下げた。畑違いの職場ではなく六課の副官としての経験が活きる仕事を斡旋してくれる誠のことを神のように崇めている

 

「こっちの頼みを1つ聞いてほしい」

「なんですか?」

「クロノ・ハラオウンって知ってるか?」

「確かリンディさんの息子で執務官だった」

 

 頼み事はクロノがどこにいるのかを捜すこと、別に探偵のように足を使って見つけてこいという訳ではなく、管理局の人事を担当しているレティ・ロウラン提督…つまり彼の母親から情報を聞き出してほしいのだ

 

 

「なんで彼のことを?」

「また落ちたんだよ!」

「落ちた?」

 

 今年もエイミィは昇進試験に落ちてしまった。不合格通知を受け取った彼女は泣き叫んで部屋を荒らしてしまい確認に訪れたフェイトと誠をドン引かせた

 

 2人で相談した結果、エイミィの原動力になっているクロノと合わせることで意識を切り替えてもらうつもりだ!荒療治だが彼に助けを求めるぐらいのことしかできない

 

「分かりました。やってみます」

「上手くいったら報酬も出す」

 

 とりあえず話がまとまり、野郎2人で甘味を味わい互いのこれからを健闘した。今日のグリフィスは久しぶりにぐっすり眠ることができると実感するのであった

 

 

 

 グリフィスと別れた後は映画を観たり、整体に行って腰や肩の凝りをほぐしてもらい背骨をボキボキ鳴らしてもらった。やはり激務が続いていたのか整体師の先生も驚いていた

 

 夕陽が沈む頃になって彼が訪れたのは狭い通路に飲み屋が密集した横丁だった。おでんや揚げ物の匂いが鼻と胃袋を刺激して腹の虫も催促の音を鳴らした

 

 

 

「チーズ竹輪とアジフライの盛り合わせにジンジャーエールで」

 

 ミッドチルダでは18歳から飲酒可能だが緊急要請を考慮してアルコールは控えた。1年前にシグナムとフェイトの3人で飲んだ時に真っ先にダウンしたのはシグナムだった。しかも1杯のカシスオレンジが原因で誠に抱き着いてしまい引き剝がすのに苦労したが、大きな双丘の感触は今でも覚えている

 

 

「(帰りに差し入れでも買っておくか)」

 

 ジンジャーエールの入ったジョッキを空にして、鶏の唐揚げを頼んでレモンを掛けようとすると

 

「ここのはレモンじゃなくて辛子だ!」

 

 近くでビールジョッキを持った男性に声を掛けられた。こういった店は客との壁が無く絡まれることが日常茶飯事だが、彼はこういった店の雰囲気が好きだ

 

「オッサンそれマヨネーズだよ」

「どっちでもいいじゃないか、ここのは何をかけても旨い」

「常連さん?」

「いや…私もここは初めてだ!」

 

 誠は待っていたのかもしれない、互いの素性を知らず気兼ねなく話せる相手の存在のことを、機動六課の監視官になってから形容できないストレスの日々に疲れていたのだ

 

 

「娘たちが煩くて大変で」

「こっちも女性の多い職場だから分かる…分かるって」

 

 椅子を近付け名を知らぬ男と意気投合する。家庭と職場の違いはあれど家族と他人でも異性に悩まされるのは万国共通で男の辛いところである

 

 

「君は独身かい?」

「独り身ですよ」

どんな女性が好みだ?

 

 アルコールを飲んだ訳ではないが店の雰囲気に酔ってしまったのだろう。仕事のことは口に出せない分プライベートなことを発してしまう

 

 

「年上で背が高くて胸が程よく大きくて太ももがムチムチして」

「欲張りだな君は」

 

 理想を追い求めて何が悪い好みや趣向を妥協したら世界から夢や希望が無くなってしまう。彼は欲張りなのだ!

 

「娘さんとの関係は良好なんですか?」

「もちろんさ、長女と四女は仕事のことを理解してくれて助かる。娘たちは分け隔てなく平等に愛しているさ」

「大家族のお父さんって訳ね」

「ところでどんなジャンルが好みだ?」

 

 

 

 誠が休みということは六課の監視は地上本部から派遣された人物が代打として起用される。今回もオーリスが選ばれスーツを着こなし眼鏡のレンズをキラリと光らせている。前回とは違い弛緩した空気ではなく各々がやるべきこと考えキビキビ動いていた

 

 ゲンヤ・ナカジマは局内を常に歩き隊員たちに声を掛けている。それは毎日のルーティンであり顔色が悪かったり普段と違う様子だったら詳細を聞くようにしていた。男性に対して苦手意識を持っている隊員だったら医務室に連絡して医師に対応してもらう

 

 

 

「(高町なのは一等空尉は作られたアイドルだったか)」

 

 調査部の報告は彼女や父のレジアスにも届いている。離職率についても操作されていたことが判明した。オーリスは魔導士ではないが高町なのはが行っている訓練のやり方には疑問を抱いていた

 

「(六課解散後に嵐が吹き荒れるのは避けられないわね)」

 

 間違いなく嵐の中心にいるのは彼だろう。立ち回り次第では将官になる可能性もあるが本人はそれを望んでいない、そして渦中の人物は

 

 

 

 

全裸じゃなくて靴下は必要なんだ!できれば白で

「分かる!全て脱いでしまうとコスチュームの意味がなくなる。私としては黒のハイソックスも捨てがたいが白なら校章が印字されている方が良くないか?」

 

 隣のオッサンと熱い談議を交わしていた

 

「コスプレ系の作品は好きだけど全部脱がすのって邪道なんだ」

「私としてはサイズの合わない服を着させて羞恥心を煽るのも良いと思うが」

「今にも弾け飛びそうなボタンに屈んだら破れてしまいそうなスカート、ウエストがきつくて苦しそうな表情もアリだ!」

「因みに破るはどうだ?」

「力で屈服させる感じがあっていいね、できれば袈裟懸けで」

 

 互いの趣向を口にして肯定も否定もする。知らない関係だからこそ好きなことが言える。それに今日は完全に1人なので口も緩んでいるのだ

 

 

「普通に下着が見えるよりも、スーツを着て浮き出るラインや雨に濡れて透けるブラの良さをミッドチルダの人達は理解してくれなくて」

「そういえば地球という星には性に溢れていると聞いたが」

「俺の故郷は魔境だから、レンタルショップで半日が潰れてるよ」

 

 エロの話は基本尽きることはない、フラっと立ち寄った店で熱く語れる友に出会えるとは最高の休日である

 

 

「ここにいたのですね?」

「あぁウーノか、この若者と世界の行く末について話してて」

「素敵な娘さんで」

 

 薄い紫色のロングヘアの女性は20代の真ん中ぐらいだろうか、仕事が出来る女性のような出で立ちで目元が父親とそっくりだ

 

「連れていきますので失礼します」

「また会おう!誠君(・・)

 

 会計を済ませ娘に引っ張られた彼は店を出ていったが

 

「(俺…名前言ったっけ?)」

 

 何か胸にモヤモヤが残ってしまったが霧散してしまった。誠も会計を済ませると夜空には星たちが輝き帰宅することを促している。最高の休日を満喫した彼の足取りは軽かった

 

 

 

「どうでしたドクター?地上のエースは」

「面白い子だ!トーレを傷物にするのも納得だ」

「その言い方はどうかと思いますが」

 

 変装を解いたジェイル・スカリエッティはウーノが運転する車の後部座席で丸まっていた背筋を伸ばしていた。ドゥーエからの情報で誠が休日であることを知った彼は変装し尾行していた。まさか彼が自分と同じ趣向の持ち主とは知らず、目的を忘れて熱く語ってしまったのは計算外だったが良い時間を過ごすことが出来た

 

「妹たちもそろそろ稼働出来ます」

「あぁ楽しみだ!」

 

 

 闇夜に変態博士の高笑いが鳴り響き、世界がうねるように変革の時期を迎えようとしていた。そして機動六課では

 

「かかってきなマンモーナ!(甘ったれ女)

 

 高町なのはと六合塚誠が対峙していた

 

 

 

 

 

『離職率の調査結果』

 

 離職率についても操作がありました。局内から報じているのは5%ですが実際は17%になります。産休や負傷除隊の制度を使い実際の数値を低く計上していました。高町なのは一尉以外でも同様のことが過去に行われた模様で常態化していたと思われます

 

 流石に全てを調べ終える頃には私の寿命が尽きるのが先になりますので、高町一尉のように海側でアイドル扱いされた魔導士の調査結果を付随します。ただ私の見解になりますが証拠を提示したとこで知らぬ存ぜぬ扱いになる可能性が高く見込まれます

 

 三佐から頼まれた調査はこれにて終わりになりますが、また何かありましたら我々を頼ってください




変態スカ博士ですがドゥーエの「ライアーズ・マスク」を応用した技術で変装しているので誠にはスカ博士だと気付かれていません(コストが高く使い捨て)

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