前回もたくさんの感想ありがとうございます
四方八方から桃色の光弾がスバルに襲い掛かる。並大抵の魔導士では回避することは出来ない、教科書通りの対処なら防御魔法でダメージを軽減するしかないが彼女は違った
リボルバーナックルからカードリッジが射出され拳に魔力を籠める。迫ってくる攻撃を1つ叩き落としたとしても残りが着弾してしまう。観戦していたフォワードたちや副隊長もスバルがここで終わると思い込んだが
「落鳳破!」
魔力の籠もった拳を地面に殴りつけ、分裂した水色の砲撃魔法が孔雀の羽のように展開し迫ってきた光弾を全て蹴散らした
自分の知らない方法で対処されてしまい虚をつかれた彼女は、上昇しティアナの放った攻撃を躱すが足に掠ってしまう。舌打ちをしてスバルに照準を向けるがウイングロードが視覚の邪魔になってしまい遮蔽物に逃げ込まれてしまった
「なのはさんが翻弄されてる」
「対人に特化した嫌らしいやり方だな、正攻法で戦ってきたなのはの天敵だ!」
攻撃の起点になるスバルの躍動が目立つが、ティアナは相方が動きやすいように援護を行い幻影魔法で的を絞らせないようにしている
「(偽装の弾丸)」
彼女は最大8発の魔力弾を同時に扱うことができる。その中に幻影で作った弾を混ぜてるが4・4の時もあれば6・2や1・7にして相手の思考にノイズを走らせる
これは本物?それとも偽物?僅かな隙を作り出しスバルへのアシストにする。また攻撃力を持たない閃光弾型を組合せることで更にストレスを与える
「コンビネーションの理想だな、今までのティアナだったら自分で仕留めるって肩に力が入っていたけどスバルを活かす戦い方に終始徹底していやがる」
「スバルさんがさっきやった砲撃魔法って」
「防御しながら攻撃も出来る。教えたのはアイツだな」
その後も一進一退の攻防が続いたが勝利の女神はなのはに微笑んだ!しかし肩で息をするほど疲弊してしまいライトニング分隊との模擬戦は取りやめとなる。彼女は教えていない戦法について咎めようとするが、スバルたちは地面にノートを開いて問題を提起しながら改善点を書き出していた
「もう終わったのか?」
地上本部に提出する書類をまとめていた誠が訪れると、スバルたちは駆け寄って模擬戦の映像を投影し彼にアドバイスを求めていた
「ロクゴウ君…なんのつもりなの?」
「若者を導くのは年上の務めだろ」
2人が書き出していたノートを見ながら赤ペンで自身の見解を記載して、それに見合ったトレーニングの仕方を細かく書きだす。それはまさしく生徒と先生の関係に見えてしまい彼女の心が凄くざわついた
「だって指導はできないって」
「これは"指導"じゃなくて"助言"だ!あくまで方法を提示しているだけで直接的な指示はしていない、やるやらないは2人の自由ってこと」
「そんな屁理屈なんて」
「俺の屁理屈は108式まで存在するよ」
小学生の頃から誠相手に口喧嘩で勝つことはできなかった。いつも言いくるめられてしまって負け続けていた
事実だが指導はしていない、彼がやったのは以前勤めていた部署で自身に挑んでくる魔導士との戦闘映像を2人に見せて己の感想を述べただけである。リミッター制限のないSS+の誠で腕試しをするバトルジャンキーは一定数いるので資料としては最適だった
人によってコンバットパターンは千差万別であり、スバルたちは映像を食い入るように視聴し自分の中で活かせるモノが無いかを探しながら落とし込んでいった。当事者が目の前にいるから質問が簡単にできる環境も2人に味方した
「余計なことをしないで!2人は私の」
「自己満足する為の玩具ってところか?」
彼は蔑んだ目で彼女のことを見つめると、調査部に頼んで調べてもらった『教導実績』の資料を突きつけた。エリオたちライトニング分隊やヴィータも同じように目を通す
「オイッ!この数字ってマジか」
「少し前に向いてないって言っただろ、恭也さんからの指導を逃げ続けたお前に人を指導する資格はない」
「こんなデタラメ…嘘よ!」
「地上の調査部を舐めんな、管理局上層部の浮気相手まで見つけることが出来るエキスパートだぞ、その数字に偽りは1つも存在しない」
未だに事実を受け入れることができない彼女は拳を握って震えている。今まで自分のやってきたことが段ボールの張りぼてで作られた虚像であることを突き付けられたのだから心が納得するのに時間が掛かる
「挫折もしないで周囲からもてはやされて天狗になっていた!ガキの時に恭也さんが高町家の木刀を俺に渡した意味が分かったよ、あの人は10年前には気付いていたんだ」
そう言って『四次元マンション』の中から木刀を取り出して見せつけた。高町家の歴史が詰まった伝統は末の妹ではなく他人である誠が引き継いだ
「ロクゴウ君に…そんな、そんなこと言われる筋合いは」
「監視官の業務から逸脱はしてるが若い才能が潰されるのは惜しい」
「おい…言い過ぎたぞ、どうしたんだ?」
2人の間に副隊長のヴィータが割って入り仲裁をしようとする。シグナムほどではないが誠との交流は深いのだが、今までとは違う彼の雰囲気に戸惑っている
「高町なのは一等空尉、あなたに人を導くことは出来ません!」
その言葉を口にした瞬間、彼女は握っていた拳を彼の顔面に叩きつけたが…しかし
「弱くなったな…いや弱いままか」
「……っえ?」
なのはの拳は誠の顔にヒットしていたが全くダメージを受けていなかった。血も流れず傷跡すらついていない顔を見て戦慄してしまう
「女の衝動的なヒスぐらいなら受け入れてやるよ、10年前から慣れているから」
「……ごめんなさい」
「謝るぐらいなら証明しろよ、自分のやってきたこと培ってきたことが正しいって!それを正面から否定してやるよ」
彼は訓練フィールドの中央に降り立ちデバイスを展開し
「かかってきな
時間のある局員は観戦席に座り、現場に向かうことができない人たちはモニターに映しだして対峙する2人のことを見ていた。
局員の中にはどちらが勝つが賭けが行われ今のところ6対4で誠が優勢である。本来ならリミッター制限のない彼の圧勝と思われるが公平を期す為に彼女と同様処置を施し、スターズの模擬戦後だった高町なのはには2時間の休養が与えられた
「なんでこんなことになったの?」
「ヴィータ…あの2人に何があった」
急遽駆け付けたシグナムとフェイトは、近くに座る彼女に問いかけるが明確な答えは返ってこなかった。2人も誠が持っていた資料に目を通すと開いた口が塞がらない状態になっている
フィールドに目を向けるとバリアジャケットを纏った2人が対峙し互いを見つめている。彼女はレイジングハートを構えているが誠は無手のままだった
「時間無制限1本勝負…始め!」
審判を務めるヴァイスの叫び声が鳴り響き、海と陸のエースがぶつかりあった
「ディバインシューター」
始まったと同時に彼女は後方に飛んで誘導型の射撃魔法を放った。普段使用しているアクセルシューターでは足を止めてしまうので、弾速は遅いが移動しながら放てるこちらを選んだ!
「(ロクゴウ君なら距離を詰めてくる。一定の間隔を保っていれば)」
彼女の頭の中では未だに彼のことを近接特化型だと思い込んでいる。射撃・砲撃魔法も出来るが自身より不得手であると、魔力弾を操作しながら彼の死角に配置してダメージを与え続ける。教科書の1ページ目に書かれていそうな内容で仕留めようとしたが
「ホーミングスナイパー」
彼の指先から放たれたビー玉サイズの魔力弾が、周囲に浮遊する24個の光弾に直撃し再び指先に戻っていった。信じられないことを目撃したが足を止めずに再び攻撃を仕掛けるがリプレイ映像のように破壊されていく
「つまらん」
耳を澄まさないと聞こえない声を口にしながら誠は腕を組んだまま周囲に魔力スフィアを8個展開させた。彼が射撃魔法主体で戦うのは珍しい、それ故にどんな攻撃を繰り出してくるのか分からない
不気味と思いつつレイジングハートの先を向けて射撃魔法を放つモーションに入ったが彼のスフィアから集束型砲撃魔法が飛来した。自身の得意とするエクセリオンバスターと同等の速度と威力に相当し寸前のところで躱したが
「きゃっ!」
躱した先を読まれてしまい直撃を受けてしまう。しかしギリギリでレイジングハートがオートで防御魔法を展開してくれたが受けた衝撃はかなり痛かった。なおもスフィアからの攻撃は続き完全に防戦一方である
「エグイなあれ」
「うん…集束砲撃だけじゃなくてショットガンのように小さい射撃魔法を混ぜているね」
大きな音を立てて爆発したり、4つのスフィアが菱形のように集まり大規模砲撃魔法で彼女を狙うが、エースオブエースも負けてはいられないとカートリッジを複数射出し一気に距離を詰めた。
「フラッシュインパクト!」
フラッシュムーブの高速移動から圧縮魔力を乗せた打撃を行う近接攻撃魔法で、炸裂時に強烈な閃光によって相手の目を眩ませる。小さい頃に使用していたが近年では殆ど使っていなかった
観客席の面々はその光に目を閉じてしまう。次第に視力が段々と戻りフィールドに目を向けると高町なのはの姿は無かった。フェイトたちは周囲を見渡して彼女を捜していると
「これで終わり!」
【Divine Buster】
天高く舞い上がり最も得意とする砲撃魔法を放つ準備を完了していた。誰もが彼女が勝つと思い誠に金を賭けていた局員たちは頭を抱えた
「ディバインバスタァァァァ!」
斜め右下にいる彼に向けて発射されたが、誠の顔色は1つも変わっていなかった
「フォトンスクリュー」
【OK】
両手で魔力を球体の形に集約し攻撃の体勢を作るが、放つ前よりも彼女の砲撃が直撃するのが先である。やぶれかぶれの行動と思い気や何と彼は
「なんだよ…あれ……砲撃魔法の上を滑ってやがる!」
自身で作った球体をディバインバスターに干渉させて、ヴィータの言うように滑って誠は彼女の頭上に姿を現し驚愕する顔を見ながら勝負を終わらせた
最後の攻撃は悟空のやったアレです。
技の名称はロックマン関連から引用しています。
よくよく考えたら原作アニメの3分の1も消化していない気がします
感想ありがとうございます(おまちしてます)
お気に入り登録もありがとうございます
誤字訂正もありがとうございます