スカリエッティのアジトで昼飯を食べた誠は14時前には機動六課に帰還した。彼女たちには朝から所用で出掛けると言ってあったので特段怪しまれていない
「誠…どうしよう」
「どうするもこうするも受けるしかないだろ!」
「でもこんなことって」
六課の中は彼の放送のせいでパニックに陥っている。スバルたちの訓練も中止となり自室で待機扱いだ
「フェイトすまないが隊長と副隊長たちを集めてくれないか?」
「何か方法があるんだね?」
「策と呼べるものじゃないよ」
彼の言葉を聞いた彼女は念話と館内放送を使って、スターズ・ライトニング・ロングアーチの…つまりはいつもの面々をホールに集合させた
「ロクゴウ君どこ行ってたの?一大事なんだよ!」
「アコース査察官と秘密のお仕事だ!まず良い知らせだが戦闘機人はもう出てこない!」
彼の言葉に全員が顔を上げて反応する。その殆どが呆けた顔で彼が口にした意味を理解出来ないでいた
「誠どういうことだ!」
「そうだよ、冗談だとしてもそんなこと」
シグナムを筆頭に抗議の声が上がるが彼は壁に手をかざして『四次元マンション』の入口を作ると中から亀甲縛りで口にギャグボールを装着されたトーレを外に出した
「えっ?」
「とりあえずあと9人いるから」
彼は次々と戦闘機人をマンションの中から運び出して全員に披露した。トーレと同じように縄や鎖で縛られ銀髪のロリっ娘は黒の油性マジックで顔に『R―田中一郎』と書かれ、他にも『地味』や『スバル2Pキャラ』と落書きされている
「ロクゴウ君?ねぇ…これって」
「秘密のお仕事の戦利品」
数秒の間を置いて、その場にいた全員が驚愕の声をあげてしまい六課の隊舎は震度1を記録した。ようやく落ち着いたところで彼はゼストとの出会いや午前中にやってきたことを報告する
「今からアジトに乗り込めば」
「世間から相当叩かれるな、スカリエッティたちの覚悟を踏みにじった愚か者として後世に語り継がれる。しかも流れた映像のせいで管理局の通信システムがパンク状態だ!」
もう彼女に残された手段は挑戦を受ける以外道はない、しかも管理局という正義の味方という立場なのに観客からブーイングの嵐をもらってしまう
「あと1つだけ制限解除の権限が残っていたな、よかったな全力で挑むことが出来るぞ!」
「誠…くん」
「言っておくが俺は観客席でポップコーンを食べる仕事がある。あとルーテシアの母親も向こうにいたぞ!」
その言葉に再び全員が驚いてしまった。ルーテシアの母親であるメガーヌ・アルピーノは液体の満ちたカプセルの中に保管されていた。そして八神たちが勝てば解放される。正義の味方なら悪人の手に落ちたヒロインを助けないと物語は進まない(熟女でも立派なヒロインだ!)
「汚名卍解……いや汚名返上しないと」
「…でも……どないしたら」
底辺まで下がっている評価を上げるチャンスが目の前にあるのに、彼女は未だに渋っている
「この先の人生ずっと後ろ指を突き付けられて生きていくつもりなら逃げてもいいが、今までのような暮らしは出来なくなる」
「それって?」
「アコース査察官からの裏情報だが八神…お前の左遷がほぼ確定している。しかもミッドチルダから遠く離れた星だ!ここに戻ってくるのは不可能だな」
高ランク魔導士を優遇したことで組織の在り方や『心』が育っていないことが露呈した。脳筋が指揮官になれば作戦成功率は極端に落ちてしまう。部隊を身内だけで固めたことで改めて六課は問題視されてしまった
「そん……な!」
「本当なのロクゴウ君?」
「嘘を口にしたところで俺にメリットは無い、高町も俺が推薦した特殊部隊へ行くのが内定している。サミー・リー隊長は厳しい人だがら」
バリアジャケットやパワードスーツを着用した局員たちを徒手空拳と空中殺法を組み合わせた独自の戦い方で圧倒した。本人は「これも技術のうち」と言っていたが、そんな技術があってたまるかと思っている。多分あの人も生身でガジェットや戦闘機人と渡り合えると断言できる
「これが最後のチャンスだ!八神」
「……分かった!…なぁ1つ聞かせてほしいんや、誠君は私たちの味方なんよな?」
「俺は俺自身の味方だ!今回の勝負に勝ちたいのならフィールドに来い、運動不足のデスクワーク女をゴリラを素手で倒すシンデレラに変貌させてやる!」
老人たちが口出しをしてくれたおかげで隊長・副隊長との模擬戦をしても構わない、つまり八神と戦っても問題ないということである。そして彼女は正式に挑戦を受けることを表明し八神一家VSキャロ・ル・ルシエ召喚獣連合の果し合いが決定した
なお誠が確保した戦闘機人だが『四次元マンション』より強固な牢屋は存在しないので引き続き彼が預かることになった。スカリエッティの大事な娘たちだから三食と10時と3時のおやつに昼寝可能というニートなら泣いて喜ぶ条件を提示した
・ジョジョの奇妙な冒険(ジョジョリオンまで)
・世紀末リーダー伝たけし完全版
・ベルセルク1巻~12巻、14巻から最新巻
・ビーストウォーズ(無印・メタルス・リターンズ)
・無敵超人ザンボット3
・コンボイの謎
・遊戯王ー封印されし記憶ー
・せがれいじり
マンションの中で暇にならないように独断と偏見で選んだ多数の娯楽も提供し、運動不足解消の為にトレーニング用品も持ち込んである。当人曰く
「罪人だろうが最低限の娯楽は提供する」
と口にしているが、本音は女の子が好きだからという単純な理由である。もしナンバーズが男だったら3食全部ドッグフードを与えていたはずだ
「遅い!」
メタルシャフトを三節棍状態にしてバリアジャケットを纏った八神に向けて振り下ろす。既に彼女の頭部には無数のコブが生産され更にもう1つ増えた
他の守護騎士たちも同様に隊長やスバルたちと模擬戦を繰り広げ休む間もなく連戦を続けている。出動要請は殆ど無いので全ての時間を特訓に充てることができる
「ちょっとは手加減してや」
「甘いこと抜かすな!それが命取りになる」
彼女に対する日頃の鬱憤やストレス解消も込められ彼の指導は苛烈となっている。こんな甘ったるい奴が六課設立時に地上の現状の災害対応が不十分と言い放っていたと思うと更に怒りがこみ上げてくる
「もし出動要請があったらどないするつもりや?」
「大丈夫だ!第17部隊が対応にあたってくれる。ホテルの件で実力は証明されたからな、そっちが海鳴市へ遊びに行ってくれたおかげで正しい評価をされたからな」
地上が未熟であると証明していたのに、彼女たちの間違った対応のおかげで地上部隊が有能であると知らしめることが出来た!そこに関しては感謝している
「続きをやるぞ!」
ガソリンを浸した野球のボールに火を点けてメタルシャフトで弾き飛ばしていく、もちろん覇竹を使用しているので並大抵の速度ではない
「ひっ…!」
上昇して射程範囲から逃れようとするがマサカリ投法で投げ込まれたコンクリート片の直撃を食らってしまい、垂直落下で落ちながら彼女は火の玉の猛攻を浴び続けるのであった
「それで何の用だ査察官殿!」
決戦まで1週間を切った頃だった。アコースから連絡を受けた誠は六課の会議室に座り対面にいる人物たちへ目を向ける。そこには彼の義姉である聖王教会のカリムと無限書庫に勤めるユーノの姿があった
「久しぶりだね誠」
「大方の予想はつくけど用件を簡潔に述べてくれ!」
その言葉に3人の中央にいたカリムが立ち上がって頭を下げる
「聖王のゆりかごを所持しているとロッサから伺いました」
「アコース!お前なぁ」
「すまない、だが今回のことを隠すことは出来ないんだ」
この優男は義姉に今回のことをゲロってしまった。確かに聖王のゆりかごは個人で所有しても良いモノではない
「私たち…聖王教会に譲っていただけないでしょうか?」
「古代ベルカの遺産は歴史を調べるうえで重要な財産なんだ!理解してくれないか」
正直なところ持て余す代物で処分するにも困った厄介な遺産である。持っていたとしても宝の持ち腐れという表現が的を射ている。ユーノなら新たな発見を見出してくれるかもしれないが………彼の答えは
「だが断る!」
誠ははっきりと拒絶の意志を示した。それを聞いた3人は驚きの表情を浮かべ距離を詰めようとするが彼は机を蹴飛ばし強制的に座らせた
「何故だ!君が持っていても」
「こちらも相応の対価を支払うつもりです」
「分かっているのか、聖王のゆりかごがどれだけ」
ユーノたちはそれぞれの意見を口にしているが誠は聖王教会のことが嫌いである。はやてから聞かされたことだがカリムのレアスキルによって予言された『管理局の崩壊』に対応する目的で六課を設立したが、崩れ去ったのは古い体質に依存する愚か者たちが自滅しただけだ!
「あれだけの問題を引き起こしたヤベー団体を信じろは無理だな!」
「それは…そうですが、今はっ!」
「お得意の予言で譲渡を拒否される未来は記されていなかったのか?」
彼女のレアスキルを皮肉るつもりで口にした。ことの発端は彼女の予言から始まったことで雪山から転がる雪玉がドンドン大きくなるように周囲を巻き込んでしまった結果が誠に対する暗殺未遂である
「管理局に渡すつもりなのか?争いの火種になるかもしれないんだぞ」
「それで教会を信じろとでも言うのか?冗談にしても笑えない」
今までだったら教会は管理局を通じて誠の持つ聖王のゆりかごを手中に収めることが出来たが、2つの組織の関係は倦怠期のカップル並みに仲が悪くなってしまい頼むことが出来ないのだ!
「ではゆりかごを見せていただけないでしょうか?」
「そのまま持ち逃げでもするつもりか?」
「そんなことは決して」
「頼む!誠」
何を言ってもこの3人は目的を達するまで帰らないつもりだろう。深い溜息を吐いた誠はマンションの中に手を入れて望みのモノを取り出した
「えっ!これは?」
机の上に置かれたのは確かにミニチュア化された聖王のゆりかごだが下部に4つのタイヤが装着され背中には『スーパーひとし君人形』がポーズを決めている
「僕たちのことをおちょっくているのか?こんな玩具を!」
「え~っとな、端的に言うと落として壊しちゃった!」
その言葉を耳にした瞬間に3人の口から魂が抜けていくのを肌で感じた。聖王のゆりかごはヴィヴィオと遊んでいたレヴィの投げたボールが直撃してしまい床に落ちて真っ二つに壊れてしまったのだ!彼女は泣きながら土下座して自身のお小遣いで弁償すると口にしていた
誠は泣いているレヴィの頭を撫でて怪我が無かったことを確認すると、残骸を整備科に持ち込んで破損した箇所をアーク溶接で繋ぎ研磨機で削っていたが
「あっ!」
片方のウイング部分を切り落としてしまい溶接と研磨を繰り返し修正をしていたら金色の装甲も剥げあがってしまった。タミヤカラーで塗り直しながら日付けを跨いだ頃に修繕を完了することが出来たが『縮小』を解除しても聖王のゆりかごは小さいままだった
「俺も初めて知ったけど『縮小』を使って小さくした物体が壊れると、二度と元の大きさには戻らないみたい」
「じゃ…じゃあこれが…本物の?」
「整備科も出動がなくて暇だったからラジコンにするのを手伝ってもらった」
コントローラーを操作して、3人の目の前にあるコップの間を8の字のように動かして機動性をアピールして壁にぶつけると『スーパーひとし君人形』は黒ひげ危機一髪のように飛び上がった
誰もが探し求めていた古代兵器が子供の玩具に変貌した姿を見て、ユーノは久しぶりにフェレットに変身し口から泡をふいて倒れてしまいピクピク震え他の2人も似たようなリアクションを披露している。人々を傷つけ悲しませる兵器より子供を笑顔にする玩具になった方が世界の為である
そして遂に最終決戦の日が訪れた!
はやての過去が露呈した時にシグナムに対して「手を貸さない」と言ってますが、今までの怨みとストレス解消の為に私恨マックスで八神のことを調教しています。当然のように剣山の上で縄跳びもさせています
ユーノはショックのせいでフェレット状態から戻れていません。聖王のゆりかごは元々破棄(燃えないゴミ)するつもりだったので壊してラジコン化させました。誰が持って碌なことはないので
ちょっと仕事が忙しくて執筆時間が…(とりあえず死ぬ気で頑張ります)
感想ありがとうございます(おまちしてます)
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