のび太のバイオハザード ~第三次世界大戦~ 作:ネトウヨクリーパー
20XX年、バイオハザードで世界は危機に瀕していた。
アメリカの地下シェルターにいたのび太とジャイアンは、スネ夫、聖奈と再会したが…
「のび太、聖奈さんが怪我をしている。直ぐにシェルターに頼む。」
「もちろん!」
のび太とジャイアンは、緑川聖奈、骨川スネ夫を連れシェルターへと戻った。
聖奈は足を負傷していたが、軽傷で直ぐに治りそうだった。
「スネ夫、よく来たな!」
ジャイアンがスネ夫の肩を叩くと
「あ、当たり前さ。それよりはのび太の癖に生き延びてたんだな」
「す、スネ夫、まだそういうこと言うのか!?」
「冗談冗談w」
子どもの時のような…いや、バイオハザードがのび太の町で起きる前のような会話だった。
懐かしいながらも、のび太は内心心細かった。
そう、静がいないからだ。
「のび太さん…悲しそう…」
聖奈が呟いた。
「ああ。悲しいさ。でもいつまでもそんなこと気にしてられないからね。」
「のび太、大人になったな!」
「あははは…」
四人はこの絶望的状況で、少しだけ幸せを覚えた。
奪還軍に召集がかかったのはそれから二週間後だった。
シェルター最大のホールに、奪還軍の全軍つまり、四万人が集まった。
シェルターには約七万人が収容されていることを考えると、奪還軍はかなりの人数と言える。
召集の時点では目的が発表されていなかったため、ホールはかなりざわついていた。
『鎮まれエエエ』
その声でホールは沈黙に包まれた。
『私は奪還軍最高司令官、ジーク。』
ジークと名乗るその男はアメリカ人のようで、英語を話していたが、耳に埋め込まれた同時翻訳機によって母国語…つまりのび太達の日本語に聴こえるようになっているのだ。
『これより、地上奪還作戦ブリーフィングを始める。』
再びホールがざわつき始める。
奪還作戦はまだ先だと考えていた人が大半だったからだ。
「いよいよか…のび太、頑張るぞ!!」
「はあ」(だりぃ)
「のび太さんも頑張りましょう♪」
「は、はい!」
そんなことを話しているうちにブリーフィングが開始された。
『まず始めに、作戦参謀長官のオスカー、作戦概要を説明しろ。』
『はっ。我が軍はアマゾンの水資源とジャングルの木材等の資源を求め、ここ、ワシントンから南下します。
具体的には、フロリダ半島まで南下しそこから島伝いに進み、南アメリカ大陸に上陸。アマゾン盆地を制圧、そこを拠点にし南アメリカ大陸全土を奪還します。』
『だ、そうだ。質問は?』
ホールがざわついたが、そもそも地理を理解していない者の方が多く質問のしようがなかった。
「それには反対です。」
ホール全体にキリッとした声が響いた。
『誰だ!このオスカーの作戦に文句を言ったやつは!』
「私です。」
その場で起立した男の顔を見て、のび太は何か見覚えのある気がした。
そしてそれは正しかったと確信する。
『お前は…英才か。』
のび太達四人は顔を見合わせた。
「確か出木杉って…」
「英才だったよな。」
そう。彼は紛れもなく出木杉英才だった。
「でもあいつは八年前に…」
「そんなこと良いじゃないか。仲間とまた再会出来たんだから!」
『英才。批判するなら、何か代案があるんだろうな。』
「当然です。
まず、私は北上をします。五大湖にて水資源を確保、そしてカナダのオタワを拠点として北西に進み、豊富な鉱産資源を入手します。北は寒いですが、そのぶん動物が少なくBOWの脅威は少ないと考えます。」
『何だと!寒かったら兵士の士気が落ちるだろうが!』
「ジャングルという薄暗く動物も多い場所よりは、精神的苦痛は少ない。」
さすがにめんどくさく思ったのか、ジークが仲裁に入った。
『いい加減にしろ。見苦しい。』
『「すいません。」』
十秒ほど考えた後、ジークは決断した。
『軍をアルファ、ブラボーに二分せよ。アルファはオスカー、ブラボーは英才。それぞれ指揮を執り南北同時に攻略だ。』
「しかし、それでは戦力不足が…」
『お前は自分の作戦に自信があるのだろう?ならやって見せろ。』
「…了解しました。」
出木杉は条件を渋々飲み、まもなくこのブリーフィングは終了した。
のび太達四人は出木杉のブラボーチームに配属された。
その後、のび太は軽快な足取りで出木杉のいるという部屋を探して行ってみた。
コンコンと扉が鳴った。
「どうぞ。」
のび太は中に入った。
「出木杉!!」
「やっと気づいてくれたかい、僕の事。」
のび太は「やっと」という言葉に疑問を覚えた。
「どういう事?」
「僕は君たちよりもっと前からここにいたんだよ。最も、研究室に籠ってたんだけどね。」
「研究か…でも北上作戦では出木杉が指揮するんだろ?」
「構わないだろ?一応訓練は受けてある。」
「ああ!よろしく!」
天才との再会は、のび太に大きな安心感を与えた。
長かった…
次回もがんばります。
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