【完結】転生って人の心とかないんか?―有象無象のヒーローごっこ、三歩下がってついといで。   作:まだら模様

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深夜の事務所で一人、新しいノートを広げた。
 
 8年前のあの日、俺は月明かりの下で「頂点は俺や」と宣言したわ。
 あの時の俺にとって、頂点とは「景色扱いされる側」から脱却し、誰よりも強くなって、甚爾くんが見ていた「あっち側」に立つことやった。
 
 それから8年。
 チャート3位という数字。空写1000メートルの射程。数多の事件解決。
 前世の俺が見れば腰を抜かすような「頂点」に、今の俺は立っとるはずや。
 
 せやけど、筆を走らせてみて気づいたわ。
 「頂点」いうのは、旗を立てて止まる場所やない。
 設計を回し続け、昨日より遠くを読み、今日より速く現場へ着く……その「動き続ける現在地」こそが、俺の頂点なんやなと。
 
 
 26歳の俺が定義し直した「頂点」の景色と、夢の中で再会した「あの人」との対話。
 そして、明日から始まる「新しい設計」の話を綴らせてもうわ。

ついに完全な最終回です!ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました!
どうぞ最後まで!直哉の歩みを見届けてください!

キャラの語彙などの崩壊、ストーリー崩壊などの可能性ございます。
ご注意ください。

お気に入り登録、感想、評価付与などは、直哉がより『あっち側』へ立つための『燃料』になっていきます!間違いなく!


第100話:未来編/最終回 「頂点の定義、改訂」/転生って人の心とかないんか?

深夜、直哉は事務所に一人でいた。スタッフは全員帰っており、静寂が満ちている。

 空写を1000メートルの輪郭で広げる。深夜の街は昼間とは違い、静止した気配が圧倒的に多い。

 

 ——全員、生きとるな

 

 その感触を確かめ、直哉は今日買ってきたばかりの真っ白なノートを開いた。

 最初のページ。一番上に、いつもの言葉を記す。

 

 「良い設計を持て」——伏黒甚爾

 

 そして、その次の行。8年前の自分が掲げた言葉を、改めて問い直した。

 

 

 8年前、直哉は「頂点」をこう定義した。

 

 「『あっち側』を越えた先に立つこと。そして全員が生きとる景色を見続けられること」

 

 実力としては、すでに「あっち側」を通過している自負がある。AFOを倒し、今の解決率98.7%という数字がそれを証明している。

 

 だが、これで終わりではない。空写を広げ、眠る人々を感じながら、直哉はペンを走らせた。

 

 

 「頂点の定義・改訂(8年後):

 『全員』の定義を、射程1000メートル内にいる名も無き全員に拡張する。

 さらに改訂:『頂点に立つ』とは到達地点ではない。止まることなく動き続ける設計の『今の場所』を指す。

 『今この瞬間、俺は俺の設計の頂点にいる。そして次の設計が始まる。』

 それが8年後の『頂点は俺や』の意味やな」

 

 扇子を開き、深夜の風を仰ぐ。言葉に落とし込むことで、霧が晴れるような感覚があった。

 

 

 ウトウトとした意識の隙間、漆黒の鏡面に極彩色の波紋が広がる。

 

「——久しぶりだな、直哉」

 

 伏黒甚爾だ。8年前よりもさらに余裕のある、認めた相手に向ける笑みを浮かべている。

 

「チャートは3位らしいな。1位じゃないのか?」

 

「そうやな…今の設計では届かへんわ」

 

「……ハッ。届く設計を持てた時に届く。それまでは今の場所で動け——そういうことだ」

 

 直哉は真っ直ぐに甚爾を見つめた。

 

「おおきに、甚爾くん」

 

「……『おおきに』か…直哉の口から『ありがとう』が出てくるようになったのか」

 

「ミルコに書きましたわ。良い練習になったわ」

 

「ドブカスな言い方だな」

 

 甚爾が笑う。

 

「次の設計は何だ?」

 

「空写のさらなる拡張。それと爆豪くんの右腕を治すための、他者への反転術式の完成や」

 

「爆豪か。あいつの気配は好みだ。……良い設計を持て、直哉」

 

「…分かっとる。甚爾くんに言われたことやからな。いつも反芻しとるわ。甚爾くんも、夢の中の次の設計を」

 

 甚爾は一瞬呆れたように、そして愉快そうに笑って消えた。

 

 

 窓の外が明るくなり、朝が来た。

 

 空写を広げ、街が動き出す気配を読む。

 

「——今日も全員、生きとるわ」

 

 声に出して確認し、ノートに新しい一文を加えた。

 

 「次の設計を始める」

 

 8年前と同じ言葉。それが今も、鮮度を保ったまま直哉の中にある。

 

 

 出勤してきたマネージャーの坂本が、ソファでくつろぐ直哉を見て溜息をつく。

 

「先生、また事務所で眠られたんですか。……昨日の午後の予定は?」

 

「忘れたな。反省しとる。設計の話やさかいな」

 

「意味が分かりません…」

 

 呆れながらコーヒーを差し出す坂本。

 

「先生って、8年間同じこと言ってますよね?」

 

「本物やということやな」

 

「……そうですね」

 

 空写が西の方角で「何か」を読み取った。

 

「先生、今日も出るんですか?」

 

「西やな。設計が教えてくれたさかい。午後の予定は——」

 

「後で確認する、ですね。わかってますよ!」

 

 

 投射呪法で加速し、朝の街を駆け抜ける。

 

 8年前に叫んだあの言葉。

 今は「到達したい願望」ではなく、「今、この瞬間の自分の全てがここにある」という確信として響く。

 

 1000メートルの輪郭の中に、全員がいる。

 全員、生きている。

 それを見続けられるこの場所こそが、俺の頂点だ。

 

「——頂点は俺や」

 

 最速ヒーロー・ナオヤは、朝の光の中へ消えていった。

 

 

 その日の夜、直哉は今日一日の記録を書き終えた。

 今日の整理:

 * 「頂点の定義」を更新。動き続ける現在地を頂点とする。

 * 甚爾くんとの対話。「おおきに」の練習成果を確認。

  * 「甚次くんの設計」:空写拡張、爆豪くんの右腕。

  * 坂本さんへの予定忘れ。これは設計上のバグ、明日は直す。たぶん。

 

 扇子を閉じ、電気を消す。

 

「良い設計を持て。……その先が、まだ続いとる」

 

 26歳、禪院直哉。

 最速のヒーローは、明日もまた、新しい設計図を描き始める。

 

(俺がこんな軌跡歩むとかどう予想がつくっちゅーねん。…ほんまに神がいるなら言ってやりたいわ)

 

——せやけど、その理不尽込みで設計するのが俺や。

 

(…ほんま、神様は勝手なもんやな…)

 

     「転生って人の心とかないんか?」

 

 

       「未来編」・「本作本編」

            完

 

「ここまで読んでくれておおきに。長かったやろ?…まぁ俺の凄さを改めて理解できたんやないん?…それくらい長い人生の話やったってことやな…機会があればまたこの設計(デザイン)を読んでってや。…最高に雅で美しい『物語』に仕上げたんさかい。ほな、また。」

 




「頂点は俺や」と言い切ったあの夜から8年。
 俺が辿り着いたのは、不動の玉座やなく、走り続けるための「最高の設計図」やった。
 
 1000メートルの外側には、まだ見ぬ誰かがおる。
 爆豪くんの右腕には、まだ俺の術式が届いてへん。
 デクくんは先生として新しい世代を育て、轟くんは2位という場所で牙を研いどる。
 
 全員が生きとるこの景色は、一瞬たりとも同じ形をしてへんからこそ、俺は空写を広げ続けなあかんのや。
 当然『あっち側』へ立ち、その先へ進むために研鑽と積むことも忘れてへんで。この八年間で考え、必要だと思ったことが増えたってことや。
 
 「雅やない」と毒づきながら、それでも他人のために反転術式を練り、誰かの生存をノートに刻む。
 前世の俺が見たら、呆れて開いた口が塞がらへんやろな。
一部の行為についてはいまだに拒否反応が出とるし、たまに自分自身に呆れとる時もある。「そんなんでええんか?『あっち側』へ立つやつはそんな余計なことをしとる場合やないやろ」と。
 せやけど、今の俺はこの「不器用で、欲深くて、最高に雅な設計」をなんだかんだで気に入っとるわ。
 
 俺の物語はここで一区切りやが、俺の設計は明日も、その先も続いていく。
 
 ……さて、明日の午後の予定、今度こそ坂本さんに聞かな怒られるな。
 「たぶん」やけど。
 
 ほな、またいつか、最高の設計図の上でお会いしましょう。

最後にこの美しい設計図(物語)を完璧に仕上げる最後の1つのピースとして、お気に入り登録や感想、評価付与などのデザインを書き加えて、この作品をより完全なものへ、雅な物に読者様自らが仕上げてください!完璧な設計図(物語)の仕上がりになります!
これには直哉もご満悦になるみたいです!

「俺の設計したデザインに(アクセント)が乗る…ええんやない?要は箔付けや。ええもんにはええ評価をつけたくなるってことやろ?美しさに磨きがかかるからそれに越したことはないわ」

物凄くイキイキしていますね…とにかく何卒!評価等よろしくお願い致します!

あと!ここまで見てくれた人に朗報が…どうやらまだこの物語、まだ終わらないみたいですよ?
気になる方はまた、明日の19時頃!是非お待ちください!
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