【完結】転生って人の心とかないんか?―有象無象のヒーローごっこ、三歩下がってついといで。   作:まだら模様

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「……はぁ? 1-Aだけやなくて、B組も評価せえ?

 拳藤さん直々のリクエストやて? ……めんどいんやけど、暇やったし丁度ええわ。

 あっち(1-A)が『個の突出』なら、こっち(1-B)は『全体の積層』。

 派手さで誤魔化しが利かへん分、設計の地力が問われるクラスやさかいな。
 
 例によって、俺の『空写』と独断によるドブカスな感想や。

 雅やない奴には、それ相応の言葉を並べさせてもらうで。

 まずは前半10名。

 設計の美しさと、性格の不細工さがどう同居しとるか……とくと見せてやりますわ。」
 
 ※本作には筆者独自の解釈および、禪院直哉というキャラクターの視点による評価が多分に含まれます。
原作とは異なる捉え方をする部分もありますが、その違いも含めてお楽しみいただければ幸いです。

キャラの語彙などの崩壊、ストーリー崩壊などの可能性ございます。
ご注意ください。

お気に入り登録、感想、評価付与は直哉が扇子を仰いで雅に「おおきに」と言うかも…?
いや綺麗なドブカス(?)は存在しないかもしれません。

意図的に分析の批評は他人が見る(広まる)批評、評価という設定にしているので評価を見る人のために
地の文の部分だけ標準悟にしているという設定があります。



第79話:後日談編⑤「禪院直哉・1年B組+心操人使評価録(前半)」

プロヒーローや主要ヴィランの評価を終えた後日。

 

砂藤は直哉にB組の評価の有無について聞いていた。

 

「A組のクラスメイトのはすでにやってるんだろ?B組の評価はしないのか?」

 

「……需要があるんか。あそこの連中、地味やろ?」

 

「俺はしてほしい。気になるからな。それに、拳藤一佳が『うちのクラスも設計してみろ』と言っていたぞ」

 

(一佳ちゃんが? 俺が『設計として正しいことしか言わない』と聞いて気に入った……か。聡明な女性(ひと)は話が早くて助かるわ。1-Aの有象無象に比べて、B組は自分の『格』を客観視できる人間が多そうやな…暇やったし丁度ええわ)

 

直哉は扇子をパチンと開いた。ゆっくりと仰ぐ。

 

「——ええで。そこまで言うなら、述べさせてもらいますわ」

 

切島くんの時と同じ注意書きを置いておく。

 

『あくまで俺個人の「設計(アーキテクチャ)の評価」や。人間としての優劣の話ではない。

——ただし。

俺の口から出るのは、反吐が出るほどドブカスな本音ばかりや。

 

自分の「不細工な設計図」を直視する覚悟ができとる奴だけ、これを見ればええ。』

 

一 拳藤一佳

 

評価:「美しい。B組で一番『設計と人格が一致してる』人間や」

 

空写で精密に読んだことはないが——立ち方と、淀みのない動き方で全て分かる。

 

「大拳」という個性。両拳を巨大化させる、ただそれだけの近接特化。複雑な回路は何もない。

 

(……せやけど、シンプルな設計を極限まで磨き上げた機能美、それはそれ自体が『雅』や。余計なノイズがない分、出力の安定感が桁違いやな)

 

A組に対抗心を燃やす物間くんを、文字通り拳で抑える立場。クラスの中心で、必要な時に、必要な量だけの行動を取る。

 

砂藤くんの「安定性」に似ているが、砂藤くんは静、一佳ちゃんは動やな。派手な方向で設計が安定している人間は、見ていて実に気持ちがいい。

 

「うちのクラスを評価してみろ」——不躾なリクエストやけど、俺にそれを言えるのは、この人くらいやと思うわ。

 

【総評】設計の美しさA。人格の一致度S。B組の批評を俺に頼んだ理由が、彼女やったんやろな。納得や。

 

二 物間寧人

 

評価:「設計は一級品や。……性格がドブカスすぎるけどな」

 

「コピー」——触れた相手の個性を5分間借用する。

 

この設計の美しさは、「自分が持たなかった全てを、一時的に所有できる」という拡張性にある。

 

(前世の術師の家系で言えば、『呪術を持たんカス』が『持てる者』の力を掠め取る構造やな。反吐が出るほど合理的やわ)

 

コピーした個性を最大限に引き出すには、相手の設計図を瞬時に解読して上書きする「眼」が要る。物間くんがそれを成立させているということは、設計を読む才能があるということだ。

 

A組への過剰な対抗心——それも「認めてほしい」という浅ましい感情が、設計を動かす燃料になっとる証拠やろ。

 

(……前世の俺に近い質を持っとるわ。だからこそ、そのドブカスな言動が鏡を見とるようで最高に不愉快や)

 

 

【総評】個性の設計S。対抗心の燃費——分かるけど雅やない。「コピー」の美しさと性格の不細工さが、一人の人間に凝縮された稀有な例やな。

 

三 鉄哲徹鐵

 

評価:「雅やない。……けど、切島くんと同じ質の『本物』や」

 

「スティール」——全身の金属化。

 

切島くんの「硬化」とほぼ同方向の個性。周囲からは「被り」だと言われてるが——気配を読めば、根っこは全然違う。

 

(切島くんは『誰かを守るため』の盾としての硬化。鉄哲くんは『自分が前に出るため』の矛としての硬化や。気配の『指向性』が正反対やさかい、似て非なる設計と言えるわ)

 

「単細胞」と揶揄されるが、それは「設計がシンプル」という最大級の褒め言葉だ。

 

迷いがない設計は、複雑な戦場でこそ崩れない。自分の単純さを恥じる必要はない。それが強みであるから。

 

【総評】個性の純粋さA。設計のシンプルさS。余計なことを考えんでええ。そのまま真っ直ぐ突っ込んどけ。

 

四 塩崎茨

 

評価:「設計の美しさが、見た目と逆方向についてる人間や」

 

「ツル」を自在に操る、中遠距離の制圧特化。

 

空写で読めば、ツルの本数と軌道を計算して対処は可能だ。しかし、本数が臨界を超えた時、先読みの処理が追いつかん可能性はある。

 

個性の設計としての面白さは、「一つの根(ツル)から攻撃・拘束・移動の全てが出る」という多機能性にある。

 

(スター・アンド・ストライプの『ニューオーダー』と同じ方向、一つの定義で複数の事象を操る設計や。筋が良いわ)

 

神経質な性格も、設計者には必要な資質や。

 

(……雅やない、とは口が裂けても言えへん雰囲気を持っとるな。癪やけど)

 

【総評】個性の設計A。多機能的な構造の美しさA。その神経質さを設計の精度に変えれば、化けるで。

 

五 骨抜柔造

 

評価:「見た目が一番雅やないが、設計は一番落ち着いとる」

 

推薦入学組。「柔化」——触れたものを柔らかくする。

 

(……面白い。俺の術式は『固定』、骨抜くんは『柔化』。対極の設計やけど、導き出す結果は同じ『足止め』や。構造の表裏一体を見るようで実に興味深いな)

 

見た目はガイコツのように無骨やけど、空写で読んだ気配は、B組で一番「穏やか」で安定していた。

 

これは最高の褒め言葉だ。気配と外見が最も乖離している人間。

 

推薦入学は伊達ではない。自分の個性を、最も冷静に「ツール」として使えている。

 

【総評】個性の設計A。気配の穏やかさS。見た目の雅やなさ——それは評価外や、気にするだけ損やで。

 

六 小森希乃子

 

評価:「設計の可能性が、一番未開拓で恐ろしい人間や」

 

「マッシュルーム」を発生させる。一見、地味な嫌がらせ個性に見えるが——

 

(……空写でその『設計の深淵』を考えると、ゾッとするわ。もしこれ、相手の肺や内臓に直接キノコを生やせるとしたら……? 姿を見せず、内側から詰ませる暗殺特化の設計になり得るわ)

 

俺の零駒は外側からの固定。希乃子ちゃんの設計は内側からの変質。

 

まだその可能性を使い切れいない「蕾」の状態だと思う。けど、俺の想定外の方向へ設計が伸びている。

 

「地味な個性」と吐き捨てる奴は、設計の解像度が低いだけである。

 

【総評】個性の現状B。設計の可能性S。その「可愛らしい外見」に毒を隠しとるなら、それは最高に雅やわ。

 

七 泡瀬洋雪

 

評価:「B組の常識人担当。設計上の『要(かなめ)』やな」

 

「溶接」——あらゆる物を原子レベルで結合させる。

 

(泡瀬くん。調べ直したら円場くんと個性を間違えそうになったが、こっちは『溶接』やったな)

 

攻撃より支援・防御に特化しているが、空写で読む彼の気配は、常に周囲の「状況」を俯瞰している体質だった。

 

(物間くんの暴走を止めるストッパーとしての機能。……あのアホを御すには、相応の設計力が必要やさかいな)

 

「縁の下の力持ち」という言葉は安っぽいが、設計が安定した支援者が居らんチームは、ただのガラクタだ。

 

【総評】個性の汎用性B。状況判断能力A。目立たんのは、君が『目立たんでええ場所』を支えとるからや。

 

八 円場硬成

 

評価:「設計として、一番『俺の術式と組み合わせてみたい』人間や」

 

「空気凝固」——吐き出した空気を固めて透明の壁を作る。

 

俺の空虚呪法は「空間そのものを固定する」設計。円場くんは「空気を固定する」設計。

 

方向は近いが、性質が違う。爆破機構がある関係で俺の固定は固定点として使うと比較的脆いが、円場くんの壁は物質として残りやすい。

 

(……俺の固定の隙間を、こいつの壁で埋める。あるいは俺が追い込んだ先に壁を置く。補完し合えば、逃げ場のない『絶対檻』が完成するな。楽しい設計図が書けそうやわ)

 

【総評】個性の設計B。俺の術式との親和性A。地味なんは、目立たんことで真価を発揮する設計やからやろ。

 

九 鎌切尖

 

評価:「設計の攻撃性が一番直接的。……それでええ」

 

腕から刃を出す近接戦闘特化。カマキリのような、尖った気配。

 

空写で読めば、常に「最短の殺傷軌道」を計算しとるのが分かる。

 

(攻撃特化の設計は、二極化する。読みやすいゴミか、速すぎて読めても防げん極致か。鎌切くんは後者に寄ろうとしとる。……清々しいわ)

 

名前と個性が完全に一致しとる。その「設計の潔さ」は評価に値する。

 

【総評】個性の攻撃性A。設計のシンプルさA。余計な策を弄するより、その刃を研ぎ続けるんが正解や。

 

十 凡戸固次郎

 

評価:「個性の名前が、設計の全てを美しく表しとる」

 

「セメダイン」——顔から接着剤を噴射して固定する。

 

俺と同じ「固定」系の使い手である。

 

原理は違うが、目指す結果は同じ。課題は「固定した後の設計」だ。

 

(……固定して終わり、やない。固定した相手をどう解体するか。その次のページが組み上がれば、もっと面白い人間になるわ)

 

【総評】個性の設計B。固定という基礎の信頼性A。「次の一手」の設計をどう書くか、見守らせてもらうわ。

 




【後書き】
以上、B組前半10名の設計評価や。

(……ふぅ。B組はA組に比べて、個性の使い方が『堅実』やな。派手な出力で押し切るんやなくて、構造の隙間を埋めるような設計が多い。特に骨抜くんや円場くん辺りは、俺の術式との相性も計算できそうで、見ていて退屈せえへんわ)

物間くんに代表されるように、コンプレックスを燃料に変えとる連中もおるが……それもまた、設計を加速させる一つの因子や。「雅やない」と切り捨てるのは簡単やけど、その歪みがもたらす独自の強度、それだけは認めてやらんこともない。

さて。残りの10人と、あの「普通科から這い上がってきた男」の評価は後半に回す。
B組の連中、これで満足か?

もし不服があるなら、実力で俺の設計を書き換えてみせ。……まあ、無理やろうけどな。
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