【完結】転生って人の心とかないんか?―有象無象のヒーローごっこ、三歩下がってついといで。   作:まだら模様

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「……さて、後半や。
 前半で自分の設計図をボロカスに言われて、心折れとる奴はおらんやろうな?
 もしそうなら、その程度の設計やったっちゅーことや。
 後半は、俺の『投射呪法』や『空写』と設計思想が共鳴する連中が揃っとる。

 特に、吹出くんや唯ちゃん……。

 あいつらの個性の『跳ね方』は、A組の突出した連中とはまた違う、理にかなった面白さがある。

 (……そして最後は、あの男や。
 B組でもA組でもない場所から、這いずり上がって設計を組み直してきた男。
 ……心操人使。
 あいつをどう評価するか、俺自身も筆が進んでしゃあないわ)

 雅な設計図、最後の一片まで晒(さら)してやりますわ。」

※本作には筆者独自の解釈および、禪院直哉というキャラクターの視点による評価が多分に含まれます。
原作とは異なる捉え方をする部分もありますが、その違いも含めてお楽しみいただければ幸いです。

キャラの語彙などの崩壊、ストーリー崩壊などの可能性ございます。
ご注意ください。

お気に入り登録、感想、評価付与は直哉が扇子を仰いで雅に「おおきに」と言うかも…?
いや綺麗なドブカス(?)は存在しないかもしれません。

意図的に分析の批評は他人が見る(広まる)批評、評価という設定にしているので評価を見る人のために
地の文の部分だけ標準悟にしているという設定があります。



第80話:後日談編⑥ 「禪院直哉・1年B組+心操人使評価録(後半)」

十一 吹出漫我

 

評価:「設計の柔軟性が一番高い人間や。面白い」

 

「コミック」——吹き出しを生成し、書いた言葉を現実化する。

 

設計の応用幅が、使う人間の「想像力」に完全に依存するという、極めて特殊な個性だ。

 

(……『爆発』と書けば爆発し、『火』と書けば火が出る。なら『固定』と書けば、俺の零駒と同じ結果が出る可能性があるわけやな。物理法則を呪力で上書きする俺の設計と、言葉で現実を書き換えるこいつの設計……方向が近くて興味深いわ)

 

「コミックのフキダシ」という形式が、投射呪法の「コマ割り」と似た構造を持っている可能性ぁある。

 

(……これは、もっと深く観察したい対象やな。設計の『遊び』が多ければ多いほど、化ける可能性があるわ)

 

【総評】個性の設計S(応用幅は無限)。投射呪法との接点の可能性A。設計の可能性という意味では、B組で一番化けるんはこいつかもしれへん。

 

十二 柳レイ子

 

評価:「設計の方向が、一番『俺には読めへん』人間や」

 

「ポルターガイスト」——念動力で物を操る。

 

空写で読んだ柳さんの気配は、「静かなのに、どこか一点に焦点を当て続けている」質であった。

 

(ポルターガイストは複数の物体を同時に動かせる……。つまり空間全体を『設計の盤面』として自在に駒を配置できる個性や。俺の空写が『読む』設計なら、彼女の個性は空間に情報を『書き込む』設計と言えるな)

 

着物のコスチュームを見た時、前世の忌まわしい家系の記憶が少し反応した。

 

(……ミステリアスな外見に惑わされる奴は二流や。空写で見れば、その内側にあるんは『静かな計算』の塊やさかいな)

 

【総評】個性の設計A。気配の質『静かな計算者』A。コスチュームへの評価は個人的な感想やから省く。

 

十三 小大唯

 

評価:「設計の汎用性が一番高い個性を持ちながら、一番目立たん人間や」

 

「サイズ」——生物以外で触れた物の大きさを自由に変える。

 

「拡大」と「縮小」の両方向を自在に操れる設計の美しさ。

 

(……空写と組み合わせれば、『ここを大きくしろ』という情報を先読みで渡せる。俺の零駒で固定した対象を極限まで縮小して無力化する連携も可能や。設計の噛み合い方は抜群やな)

 

それなのに、本人は「ん」「ね」しか基本的に話さない。

 

(最強クラスの汎用性を持ちながら、この口数の少なさ。設計の可能性と自己主張のなさが生んどる対比が、ドブカスに面白いわ)

 

【総評】個性の汎用性S。口数D。「ね」「ん」だけで全てが伝わっとるなら、それはそれで設計として究極の形かもしれへんな。

 

十四 取蔭切奈

 

評価:「設計の隠密性が一番高い人間や」

 

「トカゲのしっぽ切り」——全身を最大50体まで細かく分裂させる。

 

空写で読んだ時、これほど厄介な個性はないと確信した。

 

(……分割された一つ一つが個別の気配として入り込んでくるさかい、本体がどこにおるか瞬時には判別できへん。気配を読む俺の術式にとって、B組で一番『相性が悪い』個性や)

 

相性が悪い、ということは——俺が最も注意せなあかん「設計として厄介な相手」ということである。

 

(……『厄介』。これは俺の中では最上位の褒め言葉やさかいな)

 

【総評】個性の設計A。空写対策としての厄介さS。敵に回したくない設計やな。

 

十五 角取ポニー

 

評価:「設計の方向と人格が、一番『真っ直ぐ』な人間や」

 

頭の角を飛ばして操る遠距離操作。

 

空写で読んだ気配は、策も迂回もない、透き通るほどに「真っ直ぐ」な質だった。

 

(物間くんに変な日本語を教え込まれとるらしいが、そんなノイズに晒されても変わらん気配の芯の強さ。設計として実に清潔感があるわ)

 

【総評】個性の設計B(訓練次第で化ける)。気配の純度S。その真っ直ぐさは、時に複雑な策を粉砕する力になるで。

 

十六 庄田二連撃

 

評価:「名前がそのまま設計の全てを言い表しとる。清々しいわ」

 

「ツインインパクト」——一撃目の衝撃の後に、同じ場所へ二倍の衝撃を叩き込む。

 

(時間差の利用……投射呪法の『コマを積み重ねる』設計と、本質的な方向が近いな。最初の一撃を伏線にして、次で確実に回収する。設計家としての矜持を感じる個性や)

 

【総評】個性の設計A。名前と個性の一致度S。一撃の先に「次」を仕込む、極めて理知的な設計や。

 

十七 宍田獣朗太

 

評価:「設計と外見が一番『そのまま』の人間や」

 

「アニマル」——動物の特徴を体に発現させる。

 

(前世にも呪霊を体に宿す術師がおったが、あれに近い設計やな。……特筆すべきは、空写で読んだ気配が、そのまんまの外見通りやったことや)

 

外見と気配が完全に一致しとる人間は珍しい。大抵はどこかに歪みやギャップがあるものだが、こいつにはそれがない。

 

(……設計として、非常に素直で淀みがない。それだけで一つの『格』やな)

 

【総評】個性の設計B。外見と気配の一致度S。見た目通りの強さを、そのまま出力できる清潔な設計や。

 

十八 黒色支配

 

評価:「設計の制御難易度が、一番高い個性を持っとる人間や」

 

「ブラック」——黒い影に潜り込み、自在に操る。

 

(常闇くんの『黒影』に近いが、あっち以上に制御の危うさが設計に組み込まれとるな。……こういう個性を持つ人間は、二択しかない)

 

諦めて埋もれるか、制御を極めて「最強の武器」に変えるか。

 

(常闇くんは後者を選んだ。黒色くんがどっちへ行くか……それが、こいつの人生の設計評価の分かれ目やな)

 

【総評】個性の潜在力S。現状の制御度B。その「扱いにくい設計」を捩じ伏せられたら、面白くなるわ。

 

十九 回原旋

 

評価:「設計の可能性が、一番『地味に積み上がっとる』人間や」

 

「スパイラル」——全身を螺旋状に回転させる。

 

空写で読んだ気配は、一定の螺旋を寸分の狂いもなく維持しとる質だった。

 

(……螺旋という設計は、中心へ向かう力と外へ向かう力を共存させる。俺の投射呪法が時間をコマで積み上げる設計なら、こいつは螺旋を時間軸に展開しとる。地味やが、侮れへん設計や)

 

【総評】個性の設計B(応用の見極め中)。気配の安定度A。地味に強い、一番厄介な種類の人間や。

 

二十 鱗飛竜

 

評価:「設計の積み上げ方が、最も未知数で楽しみな人間や」

 

「ウロコ」——全身に硬質の鱗を生成、射出する。

 

空写で読んだ鱗くんの気配は、とにかく「丁寧」だった。急がず、止まらず、一歩ずつ。

 

(前世、中国の術師の流派と接触した記録があった。彼らは『積み重ね』を何より重視する設計思想を持っとったが、鱗くんの気配はまさにそれや。共鳴するもんがあるわ)

 

防御だけではなく、鱗を使った打撃や射出の設計が組み上がれば、一気に跳ねる。

 

(真面目で勤勉……その設計の進め方こそが、最大の武器やな)

 

【総評】個性の現状B。設計の積み重ね方A。その真面目さは、俺が最も信頼する設計要素の一つや。

 

二十一 心操人使

 

評価:「B組でも1-Aでもない——設計として最も『俺に近い』人間や」

 

心操人使。普通科から這い上がってきた男。

 

「洗脳」——問いかけに答えた相手の意識を奪い、操る。

 

空写で読んだ気配は、雄英の誰よりも「観察者」としての質に溢れていた。

 

(……常に相手を読み、設計を積み上げとる。クールで怖い? 違うわ。こいつはただ、自分の立ち位置から『あっち側』へ行くための最短ルートを計算し続けてるだけや)

 

「攻撃系ではないからヒーローに向かない」?

 

(……アホ抜かせ。俺の空写が座標を読み、心操くんが意識を刈り取る。これだけで戦場の設計は根本から書き換えられる。最強の支援者であり、最悪の支配者になれる設計や)

 

「設計外の場所」から地這い、泥を啜って、それでも設計を積み上げてきた。

 

(……その気配の質。俺が一番よく知っとる。……俺に近い。この男を最上位に評価せんで、誰を評価するっちゅーねん)

 

【総評】個性の設計A(運用次第でS)。気配の質『観察者』A。這い上がってきたその経歴——俺はそれを、他の何よりも雅やと認めるわ。

 

二十二 最後に

 

『B組の全員(と心操くん)を評価した。

 

一つ気づいたことがある。B組は「A組に比べて目立たない」と言われるし、物間くんもそれを気にしとるが——

 

(空写で読んだB組の気配は、どれも『地味に、確実に積み上がっとる』質やった。A組がそれぞれ独立して突出した設計なら、B組は全体がパズルのように噛み合った、安定した巨大な構造体や)

 

どちらが強いかは状況によるわ。

 

せやけど——設計として「安定している」ということの価値を、俺は嫌というほど知っている。

 

(不安定な突出より、安定した積み上げの方が、長期戦では必ず生き残るさかいな)

 

「B組の方が全体的に成績を上げてきている」というオールマイトの評価は、設計として完全に正しいわ。』

 

この評価録を砂藤くんに見せた。

 

「……お前、B組のこともかなり細かく見てたんだな」

 

「空写で読んでたさかいな。暇潰しや」

 

「……拳藤が『よく書けてる』と言ってたぞ」

 

「——それは……まあ、素直に嬉しいわ。要は俺の考えが正しかったってことやん?今回の批評はB組の有象無象にもええ参考にはなったんやない?」

 

「珍しいな、お前が素直に喜ぶのは。」

 

「……一べっぴんさんからの賞賛ほど気持ちええものはないやろ?…設計としても評価が良いなら俺の設計の正しさが増すやんか…つまり俺の考えが一番雅で美しいってことやな」

 

砂藤くんが少し笑った。

 

「……やはり、禪院はは禪院だな。」

 

「……そうや。それが『禪院直哉』や」

 

(というかこの世界がおかしいねん。なんで男よりも何歩先に行く女しかいないんや…)




「——これで、B組全員と心操くんの評価録は完結や。
 (……ふぅ。一通り書き出してみて改めて分かったわ。
 B組は派手さこそ欠けるかもしれんが、全体の構造体としての『安定感』はA組より遥かに上や。
 突出した杭(くい)は打たれやすいが、丁寧に積み上げられた石垣は、少々の衝撃では崩れへん。
 長期戦になれば、生き残るのは間違いなくこういう奴らや)
 この評価を読んで、物間くんあたりが発狂しとる姿が目に浮かぶわ。
 ……まあ、鏡を見るのが嫌なら、自分のツラを書き換える努力でもしなはれ。
 最後に、砂藤くん。
 ……一佳ちゃんにこれを見せた時の反応、あとでこっそり教えや。
 (設計として認められるっちゅーのは……存外、悪い気はせんもんや。。賞賛は気持ちええからな)
 ……さて。
 これ以上アイツらに時間を割くのは時間の無駄や。
 俺は俺の、最高の設計(フィジカルギフテッド)を完成させる準備に戻りますわ。
 ほな、またな。」
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